ニュース	2002年11月19日　00:08 AM 更新

リニューアルした「ShowTime」、次なる戦略

依然、苦戦が伝えられる各ブロードバンドポータルサイト。有線ブロードネットワークスと楽天が設立したショウタイムが運営する「ShowTime」は、“コンテンツのパッケージ化”など従来路線を修正するかたちで成功を目指す

　有線ブロードネットワークスと楽天が共同で設立したショウタイムが 運営するブロードバンドコンテンツポータル「ShowTime」が、“新コンテンツ・パック”などを武器にさらなるユーザー獲得を狙う。

　同サイトは今年2月に正式オープンした当初、“年末までに30万ユーザー獲得”をうたい上げていた（記事参照）。しかし、「現状では、10万ユーザー獲得もまだまだ。事業として、採算ベースに乗っていない」（同社）状況だ。11月13日からサイトをリニューアルし、料金体系を変更するなど、事業にテコ入れを図っている。

コンテンツを「パッケージ化」

　ショウタイム広報、宣伝担当の大矢直樹氏は、リニューアルのコンセプトは“コンテンツのパッケージ化”して、特定のジャンルのコンテンツを見放題にすることにあると説明する。

ショウタイムの大矢氏

　従来からの変更点として、月額1500円でアダルトコンテンツを視聴可能な「アドバンスド会員」コースは廃止され、月額500円で一定のコンテンツが見放題の「ShowTime会員」コースに一本化された。アダルトの部分は、代わりに複数のパック料金が設定されることになった。

　「コンテンツ拡充にあたり、各コンテンツプロバイダーから“自前のチャンネルを持ちたい”との要望を受けた。エンドユーザーの料金を抑え、柔軟な選択肢を提供する観点からも、パック料金コースを多様化することにした」（大矢氏）

　11月中には、これまでのアダルトコンテンツに相当する「マンスリーパック」（月額1000円）に加え、「パラダイステレビ」（月額980円）「Web英知」（月額1000円）「Bejean online」（月額850円）の3パックが、それぞれ用意される予定。ほかにも、今後さまざまな価格帯のパックが用意される見込みだ。

　大矢氏によれば、こうしたパック化の動きは何もアダルトに限らないという。

　「たとえば、月額1000円払えばショートムービーをまとまった本数見放題、といったパック料金の設定も考えられる」（同）。アイドル、アニメといったコンテンツも、固定のファンがついているだけに、パッケージ化の可能性はあるという。

　12月からは「見放題シアター」と銘打って、月額基本料にも映画3本ぶんの視聴権をパッケージ化する。視聴できるタイトルは固定だが、月単位でラインアップが変わるという。

　なお、基本料となる月額500円は、現在キャンペーンにより来年1月まで280円に引き下げられている。大矢氏によれば、好評なら今後もこの価格に据え置く可能性もあるという。

新種のコンテンツも

　大矢氏は、今後キラーコンテンツに成長しそうな、新しい芽も出てきていると話す。

　ShowTimeは、10月14日よりTVドラマ「ナイトホスピタル　病気は眠らない」のコラボレーションキャンペーンサイトを開設（記事参照）。放送終了後、30分間のみ受付けるクイズに回答すると、ドラマ関連グッズが当たるというイベントを開催している。

　「地上波で告知したわけでもないのに、こちらの予想を上回る反響があった。毎回、数百単位の応募を集めている」（同）。人気コンテンツを制作するには、必ずしもストリーミング映像に頼る必要がないことを示した。

　また、ブロードバンド加入者の増加を追い風に、大手コンテンツホルダーとの交渉が進めやすくなった点も大きい。「ホルダーの認識が変わってきている。顕著な例が、バンダイだろう（記事参照）。以前なら著作権に気をつかって配信をためらっていたところも、コンテンツを提供してくれるようになってきた」（同）。

　もっとも、サービスはまだまだ手探りの段階だ。「リニューアルはこれで終わりではない。1月までのキャンペーン期間を通して、そもそものサイトデザイン、構成も含め、さらに改善したい」（同）。大矢氏は引き続き、年末年始に向け新しい試みを行うと話した。

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[杉浦正武, ITmedia]

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