ニュース 2002年12月2日 06:47 PM 更新

多人数型オンラインゲームは長期的な視点で開発を〜IGDA東京

IGDA東京が主催する第3回ゲーム開発者セミナーが都内で開催。日本の開発者や韓国ベンダー、東大経済学部の研究員による発表やパネルディスカッションが行われた

 IGDA東京が主催する第3回ゲーム開発者セミナーが都内で開催された。今回のテーマはオンラインゲームということで、日本・韓国ベンダーの担当者や、東大経済学部の研究員による発表やパネルディスカッションが行われた。

 この中で、さまざまな表現で繰り返し出てきたのは、MMOタイプのオンラインゲーム(リネージュやラグナロクオンラインのような「MMORPG」や、ガンダムネットワークオペレーションのような「MMOSLG」)を作る際、長期間提供される継続的なサービスとして考える必要があり、パッケージソフト感覚で開発するとうまくいかないという見解である。

パネルディスカッションは、客席からも質問が相次ぐ活発なものだった

 オンラインゲームは比較的長い期間にわたってユーザがプレイするため、パッケージソフトのように一回作って売り切りというわけにはいかない。むしろ、無料テストなどでプレーヤーを集めてゲーム内のコミュニティを育成することや、継続的にイベントや新エピソードの追加などを行ってゲーム世界を拡大していくことでユーザーをつなぎ止め続けることが重要だという。これがうまくいかないと、有料化に踏み切れない、あるいは有料化した後、プレーヤーが激減して再び無料に戻す、といった事態を招くことになる。

 こうしたサービス離陸時の苦悩は、韓国でも多くのオンラインゲームベンダがかかえており、韓国のリネージュや日本のラグナロクオンライン、欧米のUltimaOnlineやEverQuestといった成功例だけを見ていたのでは分からない。初期段階や有料化できない時期の苦労はかなりのもののようで、「(リネージュで)はじめて接続数が1000人を超えたときは本当にうれしかったことを覚えている」(NCジャパン 朴氏)、「RAYNEGARD(カプコン MMORPG)の担当になったときは、どうやって(サービスを)終わらせようかということばかり考えていた」(カプコン 中里氏)といった声はそれを端的に示している。

 ちなみに、ゲーム内のコミュニティづくりが重要なのは、必ずしもMMORPGばかりの話ではない。パネリストの1人、東京大学経済学部リサーチアソシエイトの魏氏は、ポトリスのようなアクション系ゲームでも、チャット機能が重要な要素となっていると指摘。これについては、どの国であれプレーヤーの「コミュニケーション欲求」が大きく関係しているという。日本ではiモードなどメール交換の形で発現したわけだが、韓国ではオンラインゲームの中で発現したというわけだ。

 一方で、日本でのオンラインゲーム市場の拡大を妨げている要素として、世界でも類を見ないほど高いレベルのコンシューマーゲームやアーケードゲームの存在も指摘された。わざわざオンラインゲームにチャレンジしなくても、おもしろいゲームはいくらでも身の回りにあるというわけだ。韓国では日本のように家庭用ゲーム機市場は成熟しておらず、しかもちょうどオンラインゲームの立ち上がり時期に、PC房(インターネットカフェ)がオンラインゲームプレーヤーのトレーニングシステムとして働くという偶然も重なり、ゲームといえばパソコン+インターネットという図式が成立したという。

 このように、ゲーム性でもコミュニケーション性でも、日本のユーザにはオンラインゲーム以外の選択肢がすでに提供されており、オンラインゲームが爆発的に普及するのは難しいのかもしれないが、裏を返せば潜在市場の大きさを示すものとも言える。オンラインゲーム、特にMMORPGは複数タイトルを並行してプレイするのが困難であり、「1ジャンル・1地域で流行するのは1本。その1本をどこが抑えるのかが重要」(ナムコ 谷波氏)なのは間違いなさそうだ。

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▼ IGDA東京

[記事提供:RBBTODAY ]



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