ニュース 2002年12月4日 11:38 PM 更新

Streaming Media Asia 2002
韓国ホットスポット事情――無線VoIPも登場か

コリアテレコムなど、韓国でも一部の大手通信事業者がホットスポット事業に乗り出している。PDAにVoIPソフトウェアを組み込んだ、無線IP通話サービスも視野に入っているようだ

 無線VoIP通信に魅力を感じているのは、日本人だけではない。

 12月4日に開幕した「Streaming Media Asia 2002」では、韓国POLYPICSが登場して、韓国のホットスポット事情を紹介。IEEE 802.11b準拠の無線LANを利用して、PDAを用いた無線VoIP通信サービスも遠くない未来に提供されるだろうと話した。同時に、同社のVoIPソフトウェアを日本向けにアピールした。

「2002年末に1万AP」コリアテレコム

 韓国では、日本のNTTにあたる韓国最大の通信事業者、コリアテレコム(KT)が、今年9月末からホットスポットサービス「KT Nespot」を提供している。コンテンツ内容は、VoD(ビデオ・オン・デマンド)、スポット設置場所に特化したもの、有線のVoIP通信サービスなど。

 同社は、2002年末までには、アクセスポイントの数を1万にまで拡大、50万会員を獲得するとぶち上げている。PDAを利用した無線VoIP通信も視野に入れているようで、4万5000台のPDAを社員向けに購入したという。

 これに対抗するのが、ベンチャー企業のハナロ通信。有線ブロードバンドの付加サービスとの位置付けで、やはりホットスポットサービス「Hanaro Hanapos Anyway」を提供している。こちらは現状、アクセスポイント数が150ほど。KT同様、マルチメディアコンテンツ、VoIP通信、ゲーム、コミュニティといったサービスを提供中だ。

 ほかに、Dacomも「Dacom AirLAN/AirNet」を提供中。ホーム、オフィス用付加サービスとして、50ほどのアクセスポイントを設置、商用サービスを展開しているという。

 抱える課題も、日本の場合と概ね同じようす。WEPに代えてVPNなどセキュリティ対策も検討されている。また、基地局間のシームレスなハンドオーバーを実現するため、Mobile IPなどの技術開発も重要視されている。

 韓国では来年からCDMA方式の3Gサービスも開始される予定。これと無線LANの、デュアルモード対応カード開発も進んでいるという。

NTT-MEとも交渉進めるPOLYPICS

 POLYPICSは、こうした通信事業者にVoIPソフトウェアを開発、提供している企業。顧客リストにはKTやハナロ通信も名を連ねており、米Cisco Systemsやソフトバンク・ブロードメディアといった海外の事業者とも提携関係にある。


会場に展示されていた、POLYPICSのVoIPソフトウェア

 同社のソフトウェアは、H.323対応、SIP対応のものがそれぞれが用意されている。音声コーデックは、帯域に応じてG.729/G.723.1を自動で切り替える方式。なお、G.729は音声データを8Kbpsまで圧縮するコーデックで、G.723.1は5.3/6.3Kbpsまで圧縮するコーデックだ。

 「日本では(音声データを64Kbpsで扱う)G.711などを採用する企業も多いようだが、韓国ではG.723.1が主流。やはり、無線区間では狭い帯域でもデータを扱えるほうがよい」(ブース説明員)。

 同社はまた、通話時にジッター(揺らぎ)やバッファを自動制御する技術を持つという。今後はH.263やMPEG-4といった映像コーデックにも対応予定で、NTTドコモの3G携帯電話「FOMA」との相互接続も可能になる見込み。現在、NTT-MEが進めている無線VoIPサービス(記事参照)とも提携交渉を進めているという。

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[杉浦正武, ITmedia]

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