ニュース 2002年12月5日 09:50 PM 更新

So-net、IP電話を含むサービス強化策を発表

ソニーコミュニケーションネットワークはIP電話サービス「So-netフォン」をはじめ、独自の定額制PHS接続サービス、放送型ストリーミングコンテンツ「So-net TV」など、多岐にわたる新サービスを発表した

 ソニーコミュニケーションネットワーク(SCN)は12月5日、So-netのサービス強化メニューを発表した。@niftyやOCNと共同展開するIP電話サービスをはじめ、独自の定額制PHS接続サービス、放送型ストリーミングコンテンツ「So-net TV」など、多岐にわたる新サービスを開始する。また同時に、ソニー本体やソニーマーケティングとの連携を強化する方針も明らかにしている。


SCNの山本泉二社長

 発表会の壇上に立ったSCNの山本泉二社長は、IP電話を「メールと同じような、ネットワークの基本的なサービスだ」(山本社長)と位置付け、So-net会員に向けた付加価値サービスの第1弾であると紹介した。IP電話サービスの名称は「So-netフォン」。来春の本格サービスに先駆け、12月24日から2003年2月28日までの予定で実証実験を行う。

 モニター募集人数はニフティと同じ1万人を予定している。Webサイトを通じて12月18日より受け付けを開始。試験サービス期間中は、利用料金や端末レンタル料などはすべて無料になる。

 同社は、2003年1月までに@niftyおよびOCNとIP電話網を相互接続するとしているが、焦点の1つであるISPをまたぐ無料通話に関しては「@niftyやOCNの賛同があれば(通話料無料化も)可能だと考えている」(山本氏)と前向きな姿勢をみせた。

 なお、今回の発表では本サービスの料金体系も限定的ながら明らかにされた。こちらは加入者電話への発信は「3分8円以下」。初期手数料は1000円程度、月額基本料金が「300円前後」になる見込みだ。なお、端末のレンタル料金として、VoIP機能付きのADSLモデムの場合は月額900円程度、モデム機能を持たないTAなら月額500円程度が別途必要になる。

MVNOとしてPHS市場に参入

 メイン事業である接続サービスでは、モバイル用途の新たなアクセスメニューが追加された。公衆無線LAN接続(ホットスポット)と、定額制のPHSパケット通信サービスだ。

 公衆無線LANは、NTTコミュニケーションズ「ホットスポット」との提携によるもの。So-net会員向けのオプションメニューとして、定額制(1400円/月)もしくは1分間あたり10円の完全従量制で全国約300カ所のスポットを利用できるようにする。2003年2月より提供予定だ。

 一方の定額制PHS接続は、DDIポケットの回線を借り受け、MVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)としてSo-net自ら参入する形をとる。MVNOは、免許を受けた無線通信業者の設備を借り、独自サービスを付加して提供する事業者のこと。フレキシブルなメニュー設定が可能になるのがメリットという。

 「Air H"との協力関係とは別に、より自由なメニューを設定するためにMVNOとしての市場参入を決めた。例えば、(VAIOノートの)特定機種に向けた定額制接続サービスなどが可能になるだろう」(山本氏)。

 定額制PHS接続は当初、「とことんコース」(ダイヤルアップ定額メニュー)とのセットメニューのみだが、今後はADSLなどブロードバンド接続コースとの組み合わせも加えていく方針だ。月額基本料金は、128Kbps接続が8500円、32Kbps接続が5300円。また、初期費用として、専用データ通信カード代金の1万9800円と登録手数料1000円の計2万9800円が別途必要になる。

放送型ストリーミング「So-net TV」

 コンテンツ拡充の目玉は、ストリーミングポータル「So-net TV」。So-net TVは、視聴時間を設定して日替わりの番組を提供する“TV放送型”のオリジナルコンテンツだ。2003年1月のグランドオープンに先駆け、12月5日にプレオープンした。

 プレオープン時の放送時間は、平日の17〜26時、および土日の14〜26時。テレビやラジオで活躍中の放送作家、倉本美津留氏を総合プロデューサーに迎え、同氏がパーソナリティを務める「倉本美津留の新しいテレビ」や、So-net関連情報を網羅する「So-net Parade Entame & Shopping」など10のオリジナル番組を配信する。利用料金は基本的に無料だが、2003年4月より一部有料コンテンツも加える計画だという。


「So-net TV」のユーザーインタフェース。マウスを使ってジョグダイヤルを回す。ビットレートは300Kbpsで、視聴にはWindows Media Playerを利用する

ソニーグループがマーケティングで連携

 このほか、So-netの販売力強化に向けたコンビニエンスストアとの共同プロモーションも発表されている。SCNは11月から「TSUTAYA」店舗でSo-netの入会受付を行っているが、今回はこれに「am/pm」を加える。am/pmで入会したユーザーに対しては、5000円分の「am/pm Edyチャージクーポン」プレゼントや、通常9800円の出張設定を無料にするといった特典が用意されるという。

 「am/pmの店舗は全国に約1365ある。年内には一部店舗で受付を開始し、2003年春に全店規模の展開を予定している」(山本氏)。

 さらにSCNは、ソニー本体やソニーマーケティングのwebサイト「SonyStyle」との共同マーケティングを強化し、互いの販売力強化につなげる構えだ。具体的には、無線LAN機能付き「ブロードバンドAVルータ」の販売やソニービル/ソニータワーでの共同展示、「VAIO」「CoCoon」といったソニー製品へのSo-net入会ツール同梱などを行う。

 ブロードバンドAVルータは、IEEE 802.11b無線アクセスポイント機能付きの家庭用ルータ。ただし、単なるルータではなく、「ホームネットワークサービスへの入り口」という位置付けになる。機能の詳細は明らかにされていないが、VAIOやCoCoonとの連携を意識したホームゲートウェイの役割を担うことになりそうだ(別記事を参照)。

 発表会に同席したソニーマーケティングのプレジデント、佐藤一雅氏は「VAIO投入から5年の年月がかかったが、ようやくVAIOやCoCoonを含むソニーのネットワーク構想が動き出した。ただし、それにはマーケティングの一元化が必要であり、SonyStyleとSo-netはシームレスに展開していく」と話している。

関連記事
▼ So-net、「So-net ADSL」と「So-net 光」を値下げ
▼ @nifty、IP電話「@niftyフォン」試験サービスをスタートへ
▼ So-net、@nifty、OCNがIP電話を相互接続
▼ So-net、「ISP連合には参加せず」――ポストペット続編などコンテンツ強化
▼ MVNO【えむぶいえぬおー】

関連リンク
▼ So-net TV(プレオープン)
▼ 「So-netフォン」
▼ ブロードバンドAVルータ

[芹澤隆徳, ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.



モバイルショップ

最新スペック搭載ゲームパソコン
高性能でゲームが快適なのは
ドスパラゲームパソコンガレリア!

最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
第3世代インテルCoreプロセッサー搭載PC ドスパラはスピード出荷でお届けします!!