ニュース 2002年12月16日 02:11 AM 更新

Broadband Weekly Top 10(2002年12月8日〜14日)
驚速ADSLがヒットしたワケ

ユーザーの注目度も高い、ADSL高速化ユーティリティソフト「驚速ADSL」。成功の理由は、単なるユーザーインタフェースの簡略化や、返金キャンペーンだけではない

Broadband Weekly Top10 12月8日〜12月14日
1位 驚速ADSLはこうして誕生した
2位 ソニーが「ブロードバンドAVルータ」を出す理由
3位 “富士通的”ホームサーバの長所と制限
4位 NTTが接続料改定へ
5位 メルコがIEEE 802.11“g”を製品化した理由
6位 渋谷が「モモ色」に染まった日
7位 ADSL回線、500万突破
8位 加速できるか? 〜発車した無線LAN倶楽部
9位 ADSL事業者の無線LANレンタル「わがまま考」
10位 総務省、NTTの東西同一料金を“不認可”

 先週のトップを飾ったのは、ADSL高速化ユーティリティ「驚速ADSL」の開発舞台裏を書いた記事。ランキングにこそ表れていないが、12位には3月に掲載された驚速ADSLのレビュー記事も顔を見せるなど、同製品に対する読者の関心は依然、高いようだ。

 “高速化”のタネあかしは、聞いてしまえば簡単。PC内部のレジストリを書き換え、データのパケットサイズの上限を決めるパラメータ「MTU」(Max Transfer Unit)や、データを受け取る時のバッファ量を表す「RWIN」(Receive Window Size)などの値を最適化する。こうした設定は、実はパワーユーザーなら、製品を購入するまでもなく手動で行える(記事参照)。

 発売直後、ある大手通信事業者の幹部は「MTUの設定をいじるだけのソフトを製品化してしまうとは、ちょっと考えつかなかった……」と話していた。専門家であればあるほど、“自ら設定する”ことが当然で、“自動で設定してくれる”サービスを提供するという発想が出にくい。ある意味で、業界の盲点をついた製品だったといえるだろう。

 驚速ADSLは結局、発売後半年で35万本を出荷するというヒット商品になった。ユーザーインタフェースの簡略化や、「効果が出なかったら返金キャンペーン」なども売上げに貢献しただろうが、成功した最大の要因は「専門家の視点でなく、一般ユーザーの立場に立つ」という姿勢ではなかったか。それでなくとも、日本のブロードバンドユーザーは、米国や韓国に比べてネット初心者の割合が大きいといわれる。通信事業者がこの視点を忘れなければ、業界の発展はさらに「高速化」するだろう。

[杉浦正武, ITmedia]

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