ニュース	2003年1月9日　10:47 PM 更新

ハード戦略でYahoo! を追撃？　NTTの新ブランドPC

NTTネオメイトは、インテル、アロシステムと提携して新ブランドPC「OZFA」シリーズを販売する。ブロードバンド回線とハードウェア販売をセットにして、ユーザー囲い込みを目指す

　NTTネオメイトは1月9日、インテル、アロシステムと、ブロードバンド通信関連ビジネスの推進展開で提携すると発表した。協業第一弾として、1月10日からNTTネオメイトの新ブランドPC、「OZFA」シリーズを販売する。

左から、アロシステムの大野三規社長、NTTネオメイトの西村憲一社長、インテルのジョン・アントン社長

　NTTネオメイトは、昨年5月にNTT西日本グループの子会社として発足した企業。また、アロシステムは全国83店舗の「パソコン工房」で、PCパーツ、ハンドメイドPCの小売を手がける企業だ。OZFAシリーズにあたっては、NTTネオメイトが販売を、アロシステムが製品の製造を、インテルがプロセッサの提供を、それぞれ担当する。

　製品は専用フリーダイヤル「0120-855104」や、明日以降公開されるWebページ上で申し込みを受け付ける。ほかに、家電量販店との提携を予定しているほか、「116」番での購入取次ぎも視野に入れているという。

ブロードバンド回線とのセット販売

　OZFAシリーズのPCの最大のウリは、購入時のオプションとして回線の接続設定サービスなどがパッケージ化されている点。ブロードバンド未加入ユーザーを対象に、フレッツ・ADSL／Bフレッツなどの加入代行を請け負うほか、技術者が訪問してLAN環境の構築、機器のセットアップ作業、アフターケアなどを行う。

　NTTネオメイトのITビジネス部アカウントソリューション部門長・ビジネス推進部門長の小林充佳氏は、同社が西日本で3万3000人の技術者、400カ所の拠点を構えることを強調する。

　「加入者電話網を扱うNTTグループとして、ユーザー宅に伺って作業をすることは年間に何十万回とあった。今後は、このノウハウをブロードバンド事業に活かす」。

　これらサポート業務は、東日本地域では対応していないが、現在NTT-MEとの提携交渉を進めており、今後全国でのサービス展開も見込んでいるという。

　同氏はまた、「PCをユーザーの利用目的に合わせた構成にすることで、ハイパフォーマンスかつリーズナブルなプライスを実現する」とコメント。要望に応じてCPU、メモリ、ハードディスクなどをオーダーメイドする手法で、同種のPCより低廉な価格設定を実現できるとした。

“OZFA”デスクトップタイプ、エントリーモデル

価格	5万9800円〜
CPU	Celeron 1A GHz
メモリ	SDRAM 128/256/512Mバイト
ドライブ	CD-RW（40×12×48）
HDD	40/60/80 Gバイト
VGA	on Board
LAN	10/100 BASE-TX

「家電量販店」と組むことの意味

　今回の発表で、1つ注目すべきポイントなのが「家電量販店との提携」という部分。NTTネオメイトの西村社長は、具体名としてエディオングループを挙げている。

　家電量販店との提携といえば、大きく先行するのがYahoo! BBだ。ソフトバンクは昨年から、ヤマダ電機ほか複数の家電量販店と「マーケティングパートナー」としての提携戦略を進めてきた（記事参照）。これが、その後のYahoo! BB加入者獲得に大いに寄与したという経緯がある。

　店頭でOZFAブランドのPCを“ブロードバンド対応”をうたって売り出し、購入と同時にユーザーをフレッツ・ADSLに加入させれば、NTTグループ全体としてのメリットになる。前出の小林氏も、「確かに、そういう考えはある」として、リアルマーケットと回線インフラサービスを連動させ、Yahoo! BBに追随する狙いを認めた。

---

関連記事
ヤフー、Yahoo! BBのビジネスモデルを転換
　ヤフーが26日、2001年度の決算を発表した。同社はさらに、今年4月からYahoo! BB事業の事業・収益モデルを転換したことも明らかにした。

デオデオ・エイデン、NTT西子会社とPCサポートで提携
　家電量販のデオデオとエイデンの持株会社・エディオンと、NTT西日本子会社で設備関連を担当するNTTネオメイトは12月18日、PCや情報家電のサポートで提携したと発表した。


関連リンク
NTTネオメイト

[杉浦正武, ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

---