リビング+:ニュース 2003/01/27 21:04:00 更新


イー・アクセス、「シェアよりも大事なものがある」

イー・アクセスは1月27日、元MKSパートナーズの種野晴夫氏を代表取締役COOに選任する新しい役員人事を発表した。この席で同社の千本社長は、年内に単月黒字を達成する見込みだとして経営の健全さをアピール。シェアよりも収益性を追求する姿勢を改めて示した

 イー・アクセスは1月27日、元MKSパートナーズの種野晴夫氏を代表取締役COO(最高業務責任者)に迎える新しい役員人事を発表した。これまでは元COOのエリック・ガン氏が業務と財務の最高責任者を兼務する形だったが、「ベンチャー企業を脱して上場を目指すにあたり、マネジメント面を強化する必要がある」(千本倖生CEO)と判断。元KDDIネットワーク事業本部長として固定系通信を統括していた種野氏を業務担当者に迎え、金融業界にも精通するガン氏をCFO(最高財務責任者)とした。

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 イー・アクセスの代表取締役COO(最高業務責任者)となる種野晴夫氏

 種野氏は、京都大学工学部を卒業後、日本電信電話公社(現在のNTT)へ入社。1984年に千本氏が第二電電(現KDDI)を立ち上げる際に声をかけた創業メンバーでもある。DDIポケットの会長などを務めたあと、2002年に退社。ベンチャーキャピタルのMKSパートナーズのストラテジック・アドバイザーとして勤務していたが、再び千本氏に誘われる形で通信業界に戻ってきた。「機会があれば、再び通信事業を手がけたいと考えていた。ADSLは競争の激しい大変な業界だが、これまでの経験を活かしたい」(種野氏)。

経営の健全さをアピール

 種野氏を紹介したあと、千本氏は集まった報道関係者に向けてイー・アクセスの財務状況を簡単に説明した。これは、昨年12月のIPO延期により、資金面を不安視する声があることに配慮したものだ。千本氏によると、同社の手持ち資金はIPO延期時で約90億円あり、新たな資金調達を迫られるような状況ではないという。

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 イー・アクセスの社長兼CEO、千本倖生氏

 市場全体のシェアはYahoo! BBの販売攻勢などによって低下しているものの、加入者数は昨年12月に80万を超え、「今のペースなら、年度内には100万契約を達成できる見通しだ」。とくに同社の場合、収益性の高い地域に集中的に資本を投下する戦略により、展開エリアはいまだ1000局に満たないが、そのぶん収益性は高いという。EBITDAは既に黒字化を達成し、2003年中には単月黒字達成も可能だとしている。

 EBITDA(Earning Before Interest,Taxes,Depreciation and Amortization)は、「税前利益」に「支払利息」と「固定資産の減価償却費」を加えたもの。企業の損益を評価する際に重要視される指標だ。

 千本氏は、「EBITDAでポジティブなADSL事業者は、国内はもとより、海外をみてもまだない。日本のブロードバンド市場は価格の安さとスピードで世界でも傑出しているが、それでもしっかりとした経営をすれば黒字化できる」として、経営の健全さをアピールするとともに、シェアよりも収益性を追求する姿勢を改めて示した。

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▼イー・アクセス

[芹澤隆徳,ITmedia]



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