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2003/01/28 20:48:00 更新 |
三鷹駅前に「P2P本屋」が出現
P2Pネットワークを活かし、来客のPDAに書評などをプッシュ配信する本屋が登場するという
スカイリー・ネットワークスと内田洋行は2月25日から27日までの3日間、三鷹駅前の「第9書房」でワイヤレスP2P技術の実験を行うと発表した。実験時間は、13時30分から15時30分まで。店内に無線ルータを設置し、P2Pネットワークを構築することで、来客に貸し出したPDAに書評などを配信する。
第九書房の店内のようす(スカイリー・ネットワークス提供)
実験にあたり、「マンガコーナー」「文芸コーナー」など5カ所の棚に、Linuxを搭載した小型の無線ルータを配置する。ルータ、およびPDAにはスカイリー・ネットワークスの開発したP2Pミドルウェア「DECENTRA 2.0」(記事参照)がインストールされており、データをリレー形式で転送できる。これにより、店内全域をP2Pネットワークで結ぶことが可能だ。
特定の棚に近づいた客のPDAには、付近にある本の書評、売れ筋の作品名、その日初売りの本などの情報がプッシュ配信される。こうした情報は、店側のPCで一元管理されており、随時更新することが可能。どの情報を見たユーザーが、どの本を買った/買わなかったなど、マーケティングデータも収集できる。
PCから見た管理画面。ユーザーの動きをトラッキングしており、「次はどこへ移動しそう」など予測して情報を配信することも可能
店内にはまた、内田洋行の開発したアプリケーション「DRAG&GO」を組み込んだ50型プラズマディスプレイ「CyberBOAD」が備え付けてあり、情報収集に利用できる。画面は感圧式になっており、GUIを指で操作することで、欲しいデータを手元のPDAにドラッグ・アンド・ドロップすることが可能だ。
スカイリー・ネットワークスの梅田英和社長は、今後このようなソリューションを本屋以外でも提供していきたい考え。
「ルータの電源は、電池にして1日ごとに取り替えれば、ACアダプタも必要ない。通信インフラの何もない場所に、ぽんとルータを置くだけで、完全にワイヤレスなネットワークを構築できる」と、P2Pネットワークの利点を強調した。
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[杉浦正武,ITmedia]