リビング+:ニュース 2003/01/31 23:40:00 更新


「干渉ノイズより回線自体の品質が速度に影響」DSL作業班第3回でJANISが報告


 DSLのスペクトル管理のありかたを検討する情報通信審議会のDSL作業班の第3回会合が開かれた。席上、長野県協同電算(JANIS)から、リンク速度に問題のある回線は、周辺にDSLやINSがあるかどうかということよりも回線自体の品質に影響を受ける部分が大きいのではないかというデータが示された。

写真
開会前のDSL作業班

 上り帯域に他回線のDSLが干渉するとされている議題について、JANISからはDSLが同一カッドに収容されている84回線のリンク速度などに関する資料が出された。それによると、上りが同社基準速度(768kbps)でリンクできていない回線は12回線。ほとんどは直流抵抗値が大きい・手ひねり接続が多い、ないしは線路長が長いなどの理由が見られると述べ、他のDSL回線が隣接しているからという理由で上り速度が低下するというのは現実にはないのではないかという見方を示した。

 JANISはまた、5キロメートル以上のユーザに対してはReachDSLによって安定的なサービスが提供できている(リンクアップしないケースは皆無である)とし、ReachDSLが今後策定されるスペクトル管理において排除されることがないよう求めた。

 また、これとは別にパラダイン(ReachDSLベンダ)は「上り速度が過剰に保護されているのではないか」と発言、スペクトル管理の方向性そのものに疑問を表明した。

 会議ではこのほか、Globespan Virata社(DSLチップセットベンダ)から、現行のJJ-100.01第1版のスペクトル管理標準はあまりにワーストケース寄りで「新しい優れたサービスの提供を妨げる」と述べ、あらたな検証モデルとして実測値により近い値が得られるという「ベイジアンスペクトル適合性手法」が提案された(文書は第2回に既出)。この新モデルでは、AnnexAのオーバーラップ回線の有無で他回線の通信速度への影響はゼロか、多くて12%強であるという試算結果を示した。

 もっとも、こうした発表以外の議論では、相手の揚げ足取りに終始したり、孫氏のように自説を朗々と演説したりといった場面が多く、話もかみ合わず「これで日本のブロードバンドの今後10年が決まっていいのか?」と不安になるほど。スペクトル管理標準の策定はすでに政治問題となっており、参加者の一部からは「本当にDSL同士の干渉があるかどうかはどうでもよい」「自分が第1グループになって相手が第2グループになれば(あるいは自分が標準、相手が非標準になれば)それでよい」といった姿勢すら感じられる。JJ-100.01改版が政治問題化してしまった今となっては、技術的な要素は些末なものかもしれない。しかしそれは技術的な検討の価値を減ずるものではなく、最後の拠り所としてむしろ重要性が高まっていると言えるだろう。

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▼総務省

[記事提供:RBBTODAY]



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