リビング+:ニュース 2003/02/26 23:57:00 更新

IP.net JAPAN 2003レポート
J-COMも「050」IP電話の提供を検討中

ジュピターテレコムは、「050」着信電話番号を使うIP電話の提供に向けて準備を進めている。これは、東京ビックサイトで26日に開幕した「IP.net」の講演会場で石橋庸敏社長が明らかにしたもの

 ジュピターテレコムの石橋庸敏社長は、「050」着信電話番号を使うIP電話の提供に向けて準備を進めていることを明らかにした。これまで、独自の「J-COM Phone」や、番号ポータビリティサービス対応IP電話の実証実験を行うなど、NTTの加入者電話をリプレースできる「ライフライン電話サービス」にこだわってきた同社だが、早期にIP電話サービスを提供するため、あえて方針を転換した模様だ。

 これは、東京ビックサイトで26日に開幕した「IP.net」の講演会場で明らかにしたもの。石橋氏はまず、1月に千葉県浦安市で実施した実証実験の結果にふれ、多くの技術的課題をクリアできたとした。「NTT加入者電話やJ-COM Phoneとの通話、携帯電話やPHSへの発信、フリーダイヤルやキャッチホンといった項目はすべて対応できた。通話品質も目標だったクラスAをクリアしている」。

 電話の転送など一部サービスは対応できないが、概ね予想通りの結果が出ているという。加入者電話で利用している電話番号をそのまま使える番号ポータビリティサービスに関しては、2〜3月中に作業を行うため、今後の検証次第ということになる。

 しかし、このIP電話サービスを提供するには、セキュリティ、スケーラビリティ、プロビジョニングといった面の技術開発が欠かせず、また「110/119」など緊急電話番号に発信できるようにするためのソフトウェア開発も独自に行わなければならない。技術的、コスト的な課題をクリアするまでには、まだ時間が必要だ。

 「そこで、セカンダリIP電話を検討中だ。開始時期は未定だが、ADSL事業者と同様の形を想定している」(同氏)。

 ここでいうセカンダリIP電話とは、加入者電話をリプレースできる「プライマリIP電話」に対して、電話番号が変わる、各種付加サービスに対応できないなどの制限のある050番号を使ったIP電話を指す。こうしたIP電話の提供に関しては、J-COM社内でも必要性を疑問視する声があり、また現在の料金レベルでは「事業者にとって追加マージンを期待できない」という難点もあるが、プライマリIP電話サービスの開始時期が見えない状況の中で、まずセカンダリIP電話を提供することがユーザーメリットにつながると判断したという。

 「基本料金は月額数百円のレベルであれば、ユーザーの理解を得られると思う。提供時期や通話料金など詳細は未定だが、真剣に(検討を)進めている」(同氏)。

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▼ジュピターテレコム

[芹澤隆徳,ITmedia]



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