リビング+:ニュース 2003/02/26 23:59:00 更新

IP.net JAPAN 2003レポート
IP電話の発展を妨げるのは何?

110番号へ通信できないことや、R値の測定方法の不明確さなど、IP電話が抱える問題はいくつかある。事業者が選ぶ、「今後の課題」ナンバーワンは?

 IP電話の課題は何か? 2月26日、VoIP推進協議会の品質WG(ワーキンググループ)主査、大庭雅敦氏は「IP.net」の講演で、そのいくつかを挙げた。

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 VoIP推進協議会の品質WG主査、大庭氏

 VoIP推進協議会は、昨年4月23日に設立され、電気通信事業者83社、ハード、ソフトメーカー58社が参加する団体。3−4カ月単位で会議を行うほか、相互接続WG、品質WGなどが組織され、IP電話業界の発展を目的とした話し合いがもたれている。

一番の課題は……

 IP電話には、いくつかの課題が指摘されている。その1つが、110番などの緊急番号にかけられない問題(記事参照)。電話を切っても通信を保持するなどの、通信制御の仕組みが整っていないことが原因だ。

 大庭氏は通信・放送機構(TAO)で、こうした技術を導入する研究が進められていることに言及。「来年3月までに、結論を出そうと話し合いが進められている」とした。標準化となると、その後になるのだろうが、解決までの一応の期限は見えているようだ。

 IP電話といえば、通話品質で“R値”など基準がある。しかし、その測定方法はいまひとつ具体化されていないといわれる。

 大庭氏は、「IPネットワークの品質評価方法で、情報通信技術委員会(TTC)が3月に標準化したものを策定する」と紹介。「これを受けて、4−5月にR値をどう測定するか、品質WGで検討する」と意欲を見せた。こちらも、解決の道のりがある程度見えている。

 VoIP推進協議会は、昨年12月の段階で「VoIP推進協議会で取り組むべき検討テーマ」のアンケートをとっている。そこで、“優先度1位”のテーマとして58%の回答を集めた項目がある。

 その項目とは、「第一種通信事業者とのネットワーク接続協議」。大庭氏は「たとえばNTT東西地域会社との接続方法は、ある程度方式が決められている。それより問題になるのは、NTT以外の通信事業者のインフラに、ISPが自社回線を接続するようなケース。手続きやインフラの評価方法が、定まっていない」と話す。

 そして、こちらは「これから議論を続けていかなければならない」(同)。どうやら技術的な要件よりも、組織間の折衝のほうが、問題解決に手間がかかるもののようだ。

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[杉浦正武,ITmedia]



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