リビング+:ニュース 2003/02/27 23:50:00 更新

IP.net JAPAN 2003レポート
ネットワーク家電は大きなインフラとして成長する〜東芝などが講演 (2/2)


 続く講演では、前の講演を受ける形でインフラ面について言及が続いた。

 マイクロソフト プロダクトディベロップメント リミテッド Windows eHomeグループ ビジネスディベロプメントマネージャーの川内雅彦氏は、ホームネットワークの将来像を「IPをベースにした、1つの論理ネットワークにまとまる」と示した。さらに、ホームネットワークでは家庭のあらゆる機器がPCと接続されるという。マイクロソフトは、ホームネットワークのエンタテインメント用途に力点を置く戦略だ。

 まず、ネットワーク家電のプロトコルとして、UPnPとSCP(Simple Control Protcol)を紹介。UPnPはプラグ&プレイをネットワークで実現する技術で、インターネット標準技術を利用している。SCPは非IPベースのプロトコルで、リソースの少ない機器でも利用できるのが特徴だ。

 PCと家電の融合について川内氏は、PCのユーザインターフェイス(UI)が障害になっていると強調する。事務機器として発展したPCのUIは、エンタテインメント用途には向いていないのがその原因だ。そこで、エンタテインメントに適したUIを備えたWindows XP Media Center Editionをリリースする。Windows XP Media Center Editionは、テレビや音楽、映像編集などエンタテインメント機能を強化したOSで、専用のPCで利用する。Windows XP Media Center Editionは、従来のUIに加えて、メニュー主体の新しいUIを採用している。これにより、リモコンによる操作が可能になる(画像)。マイクロソフトは、PC向けの技術を応用することで、ネットワーク家電への進出を狙っているといえるだろう。

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マイクロソフト プロダクト ディベロップメント リミテッド
Windows eHomeグループ ビジネスディベロップメントマネジャー 川内雅彦氏

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[画面]会場で発表されたWindows Media Centerの標準リモコン。「Keypad」携帯電話と同様の方式で文字を入力する

 これに対し、ECHONET(エコーネット)は、白物家電や照明器具を対象にしたネットワークだ。エコーネットコンソーシアム技術委員長の東幸哉氏は、講演でECHONETの特徴と現状を説明した。

 ECHONETは、電灯線や特定小電力無線やBluetoothなどを利用してネットワークを構築できる。さらに、異なるメーカーの家電同士を容易に相互接続する「マルチベンダー」に対応している。また、家電機器を接続するだけでネットワークへの組み込みが行なわれる「プラグ&プレイ」に対応するなど、ネットワーク家電を前提にして設計されている。

 ECHONETの強みは、規格策定の段階から一歩進んで、実証実験が行なわれていることだろう。1999年に行なわれた実証実験では、エアコンの相互接続が確認されている。さらに、シャープ、東京電力、東芝、日立製作所、松下電器産業、三菱電機など、幅広い企業の支持を得ていることもプラス要因だ。冒頭の講演でも、東芝家電機器社の一色氏が「日本の誇る規格の一つ」とECHONETを持ち上げている。

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エコーネットコンソーシアム
技術委員長 東幸哉氏

 ネットワーク家電の普及のためには、家電を接続しただけで使えるようになる「プラグ&プレイ」が必須だろう。さらにネットワーク家電は、異なるメーカーの製品と確実に相互接続できなければならない。

 大きなインフラとして成長する可能性を秘めたネットワーク家電だが、目先の利害を超えたメーカー間の協力が期待される。ユーザーの利益を守るために、規格の乱立はあってはならない。

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[記事提供:RBBTODAY]



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