リビング+:ニュース 2003/02/28 22:57:00 更新

IP.net JAPAN 2003レポート
目指すは「メディアコンバージェンス」 〜エフエム東京の戦略

メガコンソーシアムと提携して、ブロードバンド放送局を開設したエフエム東京。その狙いは、ブロードバンドを活かした“複合メディア”にあるというが……

 エフエム東京が、ブロードバンドによる“新しいメディアのかたち”を積極的に探っている。

 同社はラジオ放送を中心に、20−34才の若者(いわゆるF1、M1層)をターゲットにしたマルチメディア事業を展開する企業。今年10月から、地上波デジタルを東京、大阪で試験開始し、音声放送/データ放送/簡易動画伝送などを行う。また、全国1000店舗のマクドナルド店内に設置されたインストアメディア「マックビジョン」での情報配信や、携帯ポータルサイト「mieraji.com」など、多角展開を行っている。

 昨年には、ISP連合「メガコンソーシアム」と手を組んでブロードバンド放送局を開局するなど(記事参照)、通信の分野にも進出した。同社の常務取締役、伊達寛氏が、ビッグサイトで開催された「IP.net JAPAN 2003」会場で、その狙いを説明した。

広告モデルと「メディアコンバージェンス」

 伊達氏はブロードバンドビジネスの現状を、“有料会員限定のストリーミング”だけでは成立しない、と率直に話す。

 「コンテンツをBtoCで展開する単独事業は、現状では難しい。エフエム東京は、ブロードバンドを“メディア”として確立するのが基本方針。多くの人を集めて、広告収入によるビジネスモデルを目指す」(同)。昨年開始したブロードバンド放送局「iivチャンネル」も、広告モデルによって運営されている。

 ただし、同社の考えはこれだけに留まらない。iivチャンネルには、「メディアコンバージェンス」を実現させる主役としての役割を期待しているのだという。

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 伊達氏が説く、メディアコンバージェンスのあり方。メディアの価値が相乗効果によって高まるという

 メディアコンバージェンスとは、従来単独で機能していたメディアが有機的に結びつき、ユーザーが長時間滞留する複合的なメディアへと進化する……という考え方。いわば、「各メディアのいいとこどり」(伊達氏)によってメディアを進化させようという発想だ。

 このアイデアは、いわゆる“ワンコンテンツマルチユース”にも通じる点がある。伊達氏は、同社が制作を手がけるコンテンツが、FM放送、ブロードバンド放送、テレビ放送である「東京MXテレビ」により“3元中継”されていることを紹介。「これは日本で初めての試みではないか」とアピールした。

 iivチャンネルは前述のように、メディアコンソーシアムと提携しているほか、出版や、JFN38局、地方局の連合体が運営する「YOU13.tv」などともアライアンスを実現している。また、米Comcast、米FMiTVといった海外メディアとも提携しており、ここからコンテンツ供給を受けるほかに、広告媒体としての付加価値も高められるというメリットがあるようだ。

 「たとえば、日本企業を米国で宣伝したいと考えた場合に、Comcastが窓口になることもできる」。iivチャンネルを通じて、メディアのネットワークを形成していきたい。

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[杉浦正武,ITmedia]



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