リビング+:ニュース 2003/02/28 23:59:00 更新

IP.net JAPAN 2003レポート
トレソーラの試みは「プロジェクトX」?

なつかしいあのテレビ番組を、オンライン上にアーカイブしたい。現在放送中の人気番組を、見逃したユーザー向けにオンデマンド配信したい……。男たちは、立ち上がった

 昨年、民放3局の地上波放送番組をブロードバンド配信する試み「Chance!@トレソーラ」(記事参照)が実施された。同事業をひとまず終えた企画会社トレソーラの原田俊明社長が、「IP.net JAPAN 2003」会場で、結果の分析や今後の見通しを話した。

 Chance!@トレソーラでは3カ月間で、計80番組、250時間の放送番組を配信している。ドラマ「101回目のプロポーズ」やバラエティ「オレたちひょうきん族」などを揃えたラインアップに視聴者の関心も高かったようで、9月は月間で1650万PVを達成した。結果の詳細は、昨年10月24日の記事参照。

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 会場で示された「ジャンル別番組視聴時間比率」

著作権の話し合いは続く

 テレビ番組を恒常的に配信するにあたり、課題になるのは著作権処理の問題だ。実はこれは、昨年の早い段階から、繰り返し語られてきた。原田社長は今回も、改めてこの点にふれた。

 「番組を2次利用する場合、VTRやDVDで販売するケースでは、一応の権利処理ルールが確立している。また、番組を販売する場合も、海外メディアや、BS/CSに売る場合はルールができている。しかし、インターネット上で配信となると、情けないことだがルールがない」(同)。

 権利処理では、その手続きが簡素化されることも重要だ。できれば、著作権を一括して管理する上部団体が存在して、そこと交渉することが望ましい。

 「たとえば脚本では、日本脚本家連盟(日脚連)という団体がある。そこに所属する脚本家の作品は、権利処理が一任されている。しかし、出演者の著作権は、個別に交渉していくしかない」。これでは、交渉を始めるまでに手間がかかり、人件費がかさみ過ぎるとした。

 トレソーラでは、こうした権利面での条件を「今後成立次第、それを遡及適用する」ことで話し合いをつけている。これは、Chance!@トレソーラを始める前の昨年7月、原田氏が著作権者の前でプレゼンを行い、承認を得たものだ。

 その後、正式な話し合いの場はもたれなかったようだが、まさにこの日、IP.net JAPAN 2003の会場に来る前に経団連の「ブロードバンドコンテンツ流通研究会」で結果の報告をしてきたところだという。

 「その席で、JASRACの幹部から『まるで、NHKの“プロジェクトX”に出てくる苦労話のようだ』といわれ、ちょっとくさってきたところだ」。なかなか思うにまかせない現状を、苦笑まじりに話した。

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▼トレソーラ

[杉浦正武,ITmedia]



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