リビング+:レビュー 2003/03/03 18:00:00 更新

レビュー:ホームサーバPCの実力[NEC編]
これがニュースタイル、「VALUESTAR TX VX700/4F」

ホームサーバPC、ホームサーバ機能内蔵PCなど、各社により呼び方は異なるが、この手のジャンルの製品がちらほらと見られるようになってきた。そして、NECが「ホームPCサーバ」として展開しているのがVALUESTAR TXだ。今回は17.5型ワイド液晶付属モデル「VX700/4F」を試用してみた。
Pentium 4/2AGHz
SmartVision搭載
DVD-RAM/R/RWドライブ
17.5型ワイド液晶ディスプレイ
実売価格:33万円前後
Photo

 NECは国内パソコン市場で、一二を争うメーカーである。とはいえ、いわゆる「98シリーズ」で揺るぎない王者の立場にあった頃のような独占状態ではなく、いくつかのトップクラスメーカーとしのぎを削っている。同社はデスクトップPCはVALUESTAR、ノートPCはLaVieとして展開を行っており、ラインナップは非常に幅広い。これはどのメーカーにもいえることだが、シリーズごとの特徴が一見しただけではつかめないほどだ。その中で、明確に「ホームPCサーバー」と銘打たれているマシンがある。それが今回紹介するVALUESTAR TXだ。

 VALUESTAR TXは、TV機能を売りとするTシリーズの上位機種が分派したシリーズとして、昨年10月に3モデルが発売された。Pentium4/2AGHz搭載、15型液晶ディスプレイ付属のVX500/4F、同17.5型ワイド液晶ディスプレイ付属のVX700/4F、そして、Pentium4/2.80GHz搭載、テレビチューナー内蔵17.5型ワイド液晶ディスプレイ付属の最上位機種VX970/4Fとなる。いずれも、本体には同社のTV録画・再生ボード「SmartVision」(HG/V相当)を搭載しており、さらに、VX970/4FではBSデジタル・110度CSデジタル放送の受信にも対応している。すべてディスプレイつきで実売価格はそれぞれ29万、33万、49万円程度だが、NECのショッピングサイト「121ware」では本体のみでの購入も可能だ(171,800円〜)。

 ただ、今年の春モデルとして新製品は発表されていない。「ホームPCサーバー」というジャンルはいわば“今後”のものであり、まだまだ主力製品ではないからマイナーチェンジは行わなかったのか、あるいは、すでにスペック的には十分だからか。いずれにしても、これら3モデルが現行製品となるのだが、今回はこの中からVX700/4Fをレビューしてみた。

/broadband/0303/03/value_photoall.jpg

ワイヤレス採用により、接続は非常に楽

 本体だけでなく、ディスプレイなどの必要な機器一式がセットになった製品の場合、説明書さえきちんと読めば、接続に手間取ることなどはまずない。しかし、このVX700/4Fでは、さらに簡単だ。まず、キーボードとマウスはワイヤレス方式なので、接続する必要がない(導入時に登録作業は行うが)。また、本体とディスプレイとの接続は、ディスプレイについているケーブルを、本体側の専用デジタルコネクタ(30ピン)につなぐだけだ。付属ディスプレイにはステレオスピーカーが搭載され、USB(1.1)ポート2基のほか、赤外線リモコン受光部、さらにはキーボードやマウスのRF受信部も内蔵しているが、音声信号や各種制御信号はすべてこの1本のケーブルでまかなわれる。あとは電源ケーブルだが、本体はもちろん、ディスプレイもACアダプタを必要としないので、こと接続に関しては非常に洗練された印象を受ける。本体+専用ディスプレイというセット販売での利点を生かしているといえるだろう。その分、ディスプレイ端子が専用の形状になっているが、アナログRGB端子(ミニD-sub15ピン)も用意されているので、121wareで本体のみを購入した場合でも問題はない(本体のみモデルではキーボード、マウスは非ワイヤレスの通常品が付属し、またUSB接続タイプのリモコン用受信ユニットを添付)。

Photo

キーボードとマウスはRF、リモコンは赤外線で、いずれもワイヤレスで、受信部/受光部もすべて専用ディスプレイに内蔵されているため、設置は非常に楽だ

 本体には無線LAN機能も内蔵。PCIスロットに挿入されている2.4GHzワイヤレスLANボードによって提供される(VX970/4FではPCカードスロット)。このボードには本体内蔵のアンテナが接続されており、感度の面でも特に問題はない。設定などはXPのネットワーク接続設定で行う。本来は100BASE-TX/10BASE-T LAN端子にネットワークケーブルをつなぎ、ワイヤレスLAN機能はSmartVision/PLAYER(2回目で詳しく述べる)をインストールしたクライアントPCとad hoc接続してテレビを配信するというのが主たる目的と思われるが、もちろん、ワイヤレスルータやアクセスポイントへの接続に利用してもかまわない。この場合、ケーブル周りは本当にすっきりとする。

Photo

(左)ディスプレイからのケーブルは2本のみ(右)ディスプレイの操作パネル周りには、音量、ブライトネスをコントロールするスイッチのほか、メール着信、CAPSロックなどの表示ランプ、さらには、VISUALモードの切り替えボタンおよびモードランプも配されている

 起動は本体前面のボタンを押してもいいし、キーボードあるいはリモコン上の電源ボタンも使える。起動画面で表示されるとおり、OSにはWindows XP Professional(SP1)が採用されている。このためリモートデスクトップ機能が利用可能だ。ネットワーク上のほかのPCからこのマシンにログインし、デスクトップを遠隔操作可能なのは何かと便利である。LANアダプタはWake up on LAN対応なので、リモートでの電源コントロールも可。

外観はNECらしいデザインで、横置きにも対応

 本体は省スペースPCでよく見られる構成だが、電源を投入すると青く光るライトが配されたフロントパネルやボタン類、さらには本体側面のデザインがいかにもNECらしい。こういう言い方が成り立つかどうかわからないが、PC寄りの家電といった趣だ。横置きにしてもいいように、左側面にはゴム足も用意されている。その場合、まさしくビデオデッキ、DVDレコーダーのような外観となる。

Photo

横置きにも対応している。やや高さはあるが、AVラックに収めるのもいいかもしれない

 付属するディスプレイは17.5型ワイドのデジタルTFT液晶。画質は概ね良好で、ほかの多くのNEC製品と同様に、このディスプレイにもVISUALモードが採用されている。これは画面全体(モード1)、あるいは画面上の動画部分のみを検知して(モード2)、映像観賞に最適な色補正を行ってくれるもの。まずはDVDを観賞してみたが、ワイド画面、VISUALモードでの色補正が相まって、DVD再生マシンとしては申し分ない。さらに、「for NEC」としてカスタマイズされたWinDVDでは、テレビ視聴・録画・再生ソフト「SmartVision」のインタフェースに合わせた操作性とスムーズな動作を提供してくれる。DVD観賞だけで判断するのはいささか尚早だが、少なくともこの部分では「これなら、リビングに置いてもいいかな」と思わせる印象だった。

関連記事
▼ホームサーバPCの実力[ソニー編]:ワイヤレスLANルータを内蔵したバイオHS最新モデル「PCV-HS91BC7」
▼プロダクツ:VALUESTAR TX VX970/4F (NEC)
▼プロダクツ:VALUESTAR TX VX700/4F (NEC)
▼プロダクツ:VALUESTAR TX VX500/4F (NEC)

関連リンク
▼NECパーソナル商品総合情報サイト「121ware」
レビュー VALUESTAR TX 1/3 次

[浅井研二,ITmedia]



モバイルショップ

最新スペック搭載ゲームパソコン
高性能でゲームが快適なのは
ドスパラゲームパソコンガレリア!

最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
第3世代インテルCoreプロセッサー搭載PC ドスパラはスピード出荷でお届けします!!