リビング+:ニュース 2003/03/06 21:42:00 更新


「70%が利用望む」 〜OCN、IP電話モニターの結果報告

NTTコミュニケーションズは、ISP5社で実施していたIP電話の相互接続に関する実証実験を終え、そのアンケート結果を発表した。音声品質なども評価の対象になったようだが……

 NTTコミュニケーションズは3月6日、IP電話サービス実証実験のアンケート結果を発表した。同実験は1月29日から2月28日まで、ソニーコミュニケーションネットワーク、ニフティ、日本電気、松下電器産業と5社共同で実施されたもの。NTTコミュニケーションズの基盤ネットワーク上で、ISP5社が相互乗り入れを行うもので、音声品質や運営体制で確認が行われていた。

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 アンケート結果を発表する、NTTコミュニケーションズの経営企画部、企画戦略部門担当部長の長谷部敏治氏

 試験サービスのモニター4万人のうち、約1万人にアンケート形式でサービスの評価を求めた。それによると、音声品質が「一般電話以上」「一般電話と同等」と回答したユーザーが、全体の半数以上を占めた(下写真参照)。

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 同社はまた、実験期間中に渋谷街頭で調査を行っている。これは、調査会場(室内)でどれがIP電話か分からない状況を用意し、音声品質を確認してもらったもの。若者や年配のユーザーなど、幅広い層の500名(うち、IP電話の認知度は4割)から協力をえた。「2つの実験結果は、概ね似通ったものになった」(NTTコミュニケーションズの長谷部氏)。

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 相互接続実験では、5つのISP、それぞれが接続するケースをいく通りも組み合わせて、R値(記事参照)などの音声品質を測定した。この結果は一概にいえるものではないが、「足回りの回線環境が、一番品質に効いている(影響が大きい)ようだ」(長谷部氏)とのこと。

 ただし、事業者側である程度調整できる面もあったようす。たとえば音声をユーザー宅に設置するターミナルアダプタでは、音声パケット送出の際のバッファ容量を最適化することで、品質が向上できるとした。

ISP間で検討会も発足

 アンケートではほかに、IP電話試験サービス中に通話時間がどう変化したかも質問された。それによると、約40%が通話時間が増加したと回答。5%は「3倍以上」と答えた。試験サービスで、通話料が無料だったという要因もあるが、低料金なIP電話サービスが通話を促進するという1つの指標になるだろうという。

 また、ユーザーがサービスを利用していく上での、今後の心配点も挙げられた。49.1%のユーザーが挙げたのは「盗聴」で、以下「個人情報漏えい」(47.3%)、「音声品質」(43.1%)と続く。

 長谷部氏はこの結果を受けて、サービスの品質やセキュリティを高めるために各ISPをまたいで連絡検討会が立ち上げられていると紹介。「セキュリティ対策では、通信の秘匿の問題もある。各社の法務担当者などが参加して、法律面、制度面なども含めて検討している」。

 アンケートでは、商用サービス移行時に、利用したいかどうかも質問されている。この結果は「ぜひ利用したい」が28.7%で、「利用したい」(42.2%)も合わせると70%以上が利用意向を見せている。長谷部氏はこの結果に、「普通、無料の試験サービスが有料化すると、とたんにガクンと利用率が落ちるもの。しかし、これだけの数が利用意向を示したのは、非常にありがたい」と、まずは満足の表情だった。

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関連リンク
▼NTTコミュニケーションズ

[杉浦正武,ITmedia]



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