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2003/03/14 21:04:00 更新 |
Net.Liferium 2003レポート
IPv6と生活の“ゴキゲンな関係”とは
コンセプトは“生活に密着したインターネットの体感”――。パシフィコ横浜で開催されたイベント「Net.Liferium」では、IPv6対応家電やモバイルIPv6対応製品などが多数出品された
3月14日、横浜パシフィコで“生活に密着したインターネットの体感”をコンセプトとするイベント、「Net.Liferium 2003」が開幕した。開催期間は16日まで。
会場では、EXILE、倖田來未、東京プリンといったアーティストが登場するインターネットライブ中継が行われるほか(15日15時から)、仮面ライダー555ショー、爆竜戦隊アバレンジャーショーなども展開される(それぞれ15日、16日)。体験コーナーなども多く、一般参加者も楽しめるよう工夫されている。
IPv6家電やモバイルIPv6端末など
会場で、一番のみどころといえばやはり「IPv6Town」だろう。ゲートをくぐってしばらく奥に進むと、にわかに江戸時代のような情緒あふれるブース群が姿を現す。
下町の長屋風にブースが並ぶ。ちなみに総合受け付けは「交番」との表札があった
IPv6Townでは、各メーカーともIPv6アドレスを付与した製品を展示している。中でも目をひかれたのが、ノキア・ジャパンが展示していた「モバイルIPv6対応端末」だ。
これが端末。会場でホームエージェントなどを用意し、ローミング可能な環境を構築していた
同端末はプロトタイプだが、無線LANインタフェースを備え、実際にタッチパネルも稼動していた。写真下に見える薄いリストバンドのようなものがRFIDで、これを端末に読み取らせるまでは、端末にロックがかかって操作できない。IPsecにも対応しており、セキュアな仕様になっているという。
RFIDは3種類(3色)用意されているが、それぞれのIDで端末を操作できる権限が異なる。たとえば「生徒用」IDなら自分の成績データにしかアクセスできないが、「先生用」IDなら全生徒の成績データにアクセスできるといった具合。
もっとも、これはあくまで試作したもので、商品化の予定はないとのこと。「まだリサーチ期間だ」(説明員)とのことだった。
東芝は、昨年に引き続きIPv6冷蔵庫を展示。ただし、昨年と異なり通常の冷蔵庫にタブレット型ネットワーク端末「フェミニティ」(記事参照)を取り付けるという構成となっている。フェミニティは現在、IPv4ネットワークにしか対応していないが、これをIPv6対応にしようという発想だ。
従来のIPv4家電でも、家庭の内側から外側に向かって通信を行い、レシピのデータをダウンロードする、といった利用法は実現している。しかしIPv6化すれば、ネット家電を外部に公開して「外出先から冷蔵庫にアクセスする」といった使い方が可能になる。実際、会場でも冷蔵庫の内容物を確認できるデモが行われていた。
ドアの開閉回数や、ペットボトルの本数などをチェック(クリックで拡大)
今後の製品化だが、「まだ実験段階」(担当者)とのこと。実は記者は、昨年も同様の質問をして、同様の回答をえている。IPv6の普及が、なかなか進まないといったところだろう。
ほかにも、各社が“IPv6対応”をうたう製品を展示。KDDI研究所はユニバーサルホームボックスをIPv4/v6デュアル対応させた製品を、松下電器はIPv6対応のネットワークカメラを、シャープはIPv6対応「ザウルス SL-C700」を、それぞれ出品していた。
会場のさらに詳しい内容は、こちらの記事を参照。
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Net.Liferium 2003
[杉浦正武,ITmedia]