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2003/03/17 22:28:00 更新

オン・ザ・エッヂ、ネットゲーム事業に参入――ウリは「マニア向け」

ライブドア買収から4カ月あまり――。オン・ザ・エッヂが沈黙を破って、ブロードバンド新事業の内容を明らかにした。第一弾は、ハイエンドユーザーを対象にしたネットゲームだ

　オン・ザ・エッヂは3月17日、無料ISP「livedoor」取得で手に入れたブロードバンドインフラを利用し（記事参照）、ネットゲーム事業に参入すると発表した。6月下旬にMMORPGの「Shadowbane」（シャドウベーン）を発売するほか、パッケージソフト「ハイランドウォーリア―」など年内に複数ソフトを販売する予定。

　同社の堀江貴文社長は、オンラインゲーム市場は2006年には2700億円に達する見込みがあると話す。「ある調査によれば、現在PCゲームを利用しているのは、1960万人。うち320万人がネットゲームユーザーだ」。

　オン・ザ・エッヂの堀江社長

　事業を展開する上で核となるのが、米Wolfpackスタジオが4年の歳月をかけて開発したMMORPG「Shadowbane」だ。米国、韓国、台湾、中国など世界でサービス提供される予定で、国内では3月24日からβテストを開始する。6月下旬にはソフトを発売する予定で、価格は6,800円。ほかに、月額料金として1,500円程度（未定）がかかる見込み。

　ゲームでは、プレイヤーがそれぞれ国やギルドを組織し、互いに覇権を競い合う

　ゲームの最大の特徴は、その自由度の高さにある。たとえば、PK（Player Kill＝プレイヤー殺し）が容認されており、倒した相手の所持品を奪い取ることが可能だ。「油断すると装備を略奪され、たちまちキャラクターがパンツ一丁のグラフィックになってしまう」（笑）という。

　キャラが低レベルのうちは、PK禁止のエリアで生活することができるが、レベルが20を超えると“何でもアリ”の外界に放り出される仕組みとなっている。

　大勢のプレイヤーが入り乱れて戦う“団体戦”も用意されているが、ここでも、油断すると容赦なくやられるシステムが導入されている。たとえば、一旦戦線布告されると、守備側はいつ攻撃されるか分からないため、気を抜くことができない。「プレイヤーがログオフしている深夜に攻撃され、知らない間に国が壊滅していることもある。守備側はプレイヤーが分担して、交代で見張る必要がある」（同社）。

　同社の運営方針も、やや放任ぎみの姿勢をとるようす。他人に不快感を与えるチャットや、リアルマネートレードなどの違反行為は最低限取り締まるにしても、ユーザー同士のトラブルなどは、当事者間で解決するように仕向けるという。

　以上のような特徴から、同ゲームはネットゲーム初心者には、やや敷居が高いものとなっている。「イメージとしては、（自由度の高さで知られる）ウルティマ オンラインを、もっと激しくした感じ。ライトユーザーが使うソフトではない」（堀江社長）。

　多言語に対応しているほか、Macintosh版が用意されることもアピールポイントだ

　このような“マニア向け”の仕様のゆえに、同社が掲げる獲得ユーザー数の当面の目標は、2−3万人と控えめ。だが堀江社長は、加入者の数が少なくても採算を合わせることはできると話す。

　「ゲームを一から開発するのではなく、ライセンスを購入したディストリビュータ、というかたちでサービスを提供する。このため、（開発から携わるような）ほかの事業者に比べてリスクが少ない」。

　このほか、パッケージ売り切り型のリアルタイムシミュレーションゲーム「ハイランドウォーリアー」（7800円）を、4月8日に発売する予定。ローカル環境でプレイできるが、LAN／インターネットを通じて最大8人まで同時プレイできる。同社はこの種のゲームを、ハイランドウォリアーを含めて年内に4本リリースする予定。ShadowbaneのようなMMORPGも、年内にもう1本追加する考えだ。

　4月1日には、ネットワークゲームの総合ポータルサイト「games.livedoor.com」をオープンする。さらに、6月30日にはlivedoor会員を対象に、統合認証課金サービスを提供して、ユーザーが有料コンテンツを手軽に購入できる環境を作るという。

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オン・ザ・エッヂ

[杉浦正武，ITmedia]

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