リビング＋：洋モノとマニアに強い？ BARKS

リビング＋：連載

2003/03/28 23:59:00 更新

コンテンツBar@ZD
洋モノとマニアに強い？ BARKS

今週は音楽情報サイト「BARKS」をテイスティング。今週は「オトボケ毒舌爆弾」ことヘイワードYUKOがNY旅行に出かけており、コンテンツ批評も穏やかに運ぶ……はずだった

東京・南青山のひっそりとした一角にある「コンテンツBar　@ZD」。カクテルと共にブロードバンドコンテンツがサーブされるという、デジタル世代の隠れ家だ。今日も、マスターと常連客2人のトークに花が咲く……

　左から、マスターフジタ、チェルシーチヒロ、そして……！？

マスターフジタ（以下マスター）　お、チヒロ、いらっしゃい……。あれ？“アレ”がいないな？

チェルシーチヒロ（以下チヒロ）　あー、ユーコ？ニューヨーク旅行に発ったよ。まったく、「反戦デモに参加するんだ！」ってめちゃくちゃ張り切ってさ。

マスター　ふーん……。でもチヒロ、そんなに寂しそうでもないな……？

チヒロ　……あれ、バレたぁ（笑）？今日は私の見たいコンテンツ、見たいだけ見て、言いたい放題言って、ストレス解散するのだ～あ！

マスター　……あんまり1人の偏った意見で、批判を浴びるのも恐いんだけど……（苦笑）。じゃあ今日は、音楽好きなチヒロのために、こんなの出しとこうか。

コンテンツ名	BARKS
価格	無料（一部有料）
再生プレーヤ	Windows Media Player/RealPlayer
配信ビットレート	28K－300Kbps
内容	芸能ニュースやアーティストインタビューなどがそろった音楽情報サイト。BOW！のように、一部ネットラジオ的なコンテンツも揃えている

チヒロ　……ん～、重いなぁこのサイト！何のサイトなの？？

マスター　一番上にバッチリ書いてあるでしょ……（苦笑）。BARKSは、音楽情報サイト。主なコンテンツとして、「音楽ニュース」「プロモ＆ビデオ映像」「インタビュー」「画像つきネットラジオ」などが柱になっているね。

　中でも、“画像つきネットラジオ”こと「BOW！」は、音声と同期して画像が表示される、新しいメディアといえるかもしれないな……。個人的には、「みうらじゅんの仮性フォーク」（記事参照）がイチ押しだよ……

チヒロ　ふうん。しかし、このサイトの重さはどうにかならないかな！あと、サイト内検索もすごい時間かかるし。

　……あ、でも、私がブレイク必至と思ってる、星村麻衣を扱ってる！！これは、結構ポイント高いな。彼女はねえ、まだ21なんだけど、“ピアノロック”って感じですごくかっこいいんだよ！（編集部注：彼女が歌う「GET HAPPY」は、フジテレビ系連続ドラマ「マルサ！！」の主題歌になることが決まっている）

マスター　……そう、大物アーティストの映像も扱ってるし、コラムのライター陣も充実している……。音楽好きには楽しめるサイトだね。

　BOW！では、コンテンツがAdvanced Script Indexerで編集、制作されており、タイムテーブルに沿って画像がプッシュされる

-----そのとき突然、後ろで聞いていた女が立ち上がり、ツカツカとこっちに向かってくる-----

女　……ちょっとアナタたち。このサイトを、そんな表層的な理解ですませるおつもり！？

マスター　……！？

チヒロ　はぁ？誰よアンタ。

女　あら、ごめんあそばせ。先ほどから、マスターのツメの甘い説明にヤキモキしておりました、わたくし、ヘイワードYUKOの妹のビクトリアYOKOと申します。

　ビクトリアYOKO

チヒロ　ユーコの妹？びくとりあぁ？

マスター　つ……ツメの甘い……。いってくれるね……。どういうこと？

ビクトリアYOKO（以下ヨーコ）　あのね、マスター。（フー、とタメ息）どこからツッコんでいいやらって感じよ。まず、このサイトをマスターは「大物アーティストの映像がそろってる」なんて言ってたけど、それじゃ語弊があるわ。

　BARKSは、前の社名がLAUNCH JAPAN（ローンチ・ジャパン）だったことからも分かるように、米LAUNCH、つまり米YAHOO! MUSICとつながりがあるの。このため、米国の音楽ニュースにはかなり精通しているわけなのよ。その関係で、このサイトが扱う“大物アーティスト”は、洋楽に多いの。どうせなら、そこまで言わないと。

チヒロ　なっ、なんなのこの女！雑学王！

マスター　……。（目をぱちくりさせる）

ヨーコ　まだ、話は終わってなくてよ。洋楽界では大物の映像・音楽が豊富だけど、邦楽は違うわ。国内のアーティストは、まだインターネット媒体に露出することに慎重な場合が多く、BARKSでもあまり扱っていないの。むしろ、さっきチヒロさんがおっしゃった星村麻衣みたいな、ブレイク前のアーティストがほとんどなのよ。

チヒロ　……あ。ほんとうだ。国内だと、「MIC BANDITZ（マイクバンディッツ）」なんかのインタビュー映像がある！これを取り上げているなんて、珍しいね。私の好きな「クレイジーケンバンド」（過去記事参照：J-フォンのCMソングなどを歌い話題になっている）のインタビューも、ずいぶん前から目をつけて、取り上げてたみたいだな！コアな音楽ファンにはたまらんかも。

マスター　……洋楽はたしかに、ブリトニー・スピアーズのプロモーションビデオが全部見れたり、Avril Lavigne（アブリルラビーン）の来日会見が見れたりと……、確かにスゴイ面々だな……。

ヨーコ　また、マスターが言ってた「コラムのライターが充実」ってとこだけど。これはたとえば、佐伯明氏のことね。

　彼のインタビューといえば、大物邦楽アーティストも興味を示すという、業界では有名な存在なの。ウェブで彼のコラムを読めるのは、このBARKSだけ。これも、サイトの特徴のひとつでしょうね。

マスター　ふーむ……そうだったのか……。

ユーザビリティに改善の余地アリ？

チヒロ　でも、このサイトもまだまだ改善の余地があると思うな！

　たとえば、映像は「WATCH」、記事は「READ」と用途別にカテゴリ分けして掲載されてるんだけど、これだけじゃ使いにくい。できれば、「洋楽か邦楽」「メジャーレーベルなのかインディーズなのか」「ヒップホップか、ポップスか、ハウスなのかジャズなのか」といった、詳しい検索性もあったらいいのにな。

ヨーコ　そうね、それに、大手のレーベルが囲い込んでいるような邦楽の大物アーティストの映像は、なかなか視聴できないわ。また、これはほかの動画サイトにもいえることだけど、Macユーザーへの対応が遅れているのよ。

　たとえばBOW！にしても、現状ではMacユーザーは音だけしか聞けないの。このコンテンツは歌詞が重要なポイントになってくるだけに、絵が入らないのは残念なところね。

マスター　……ヨーコさん、負けました。あなたは本当に、お詳しいですね……。ちなみに、ご職業は何を……？

ヨーコ　わたくし？バーテンです。コンテンツマスター志望の。表参道のコンテンツバーでバイトしてるんですわよ。よかったら今度、来てください。

チヒロ＆マスター　！！！！！？？？

突如現れた新キャラクター、ビクトリアYOKO。彼女がマスターを押しのけて、真の“コンテンツマスター”となるのか？はたまた、米国で反戦デモ中のヘイワードに代わって、新レギュラーの座につくのか？その答えは、実は編集部すら知らない（というか、決めてない）。待て次号！

	「ヘイワードYUKOの妹」を名乗る謎の女性、？歳。鼻につくしゃべり方から反感をかいやすいが、コンテンツに対する知識は確か。現在は、コンテンツマスターを目指して修行中。	流行りモノにはとりあえず手を出す、デジタル系フリーライター、23歳。クラブ通いや下ネタトークを好み、エロサイトのデザイナーを手がけた経験もある。夢は「窪塚洋介似の夫と築く幸せな家庭 in　ニューヨーク」。動物占いは「黒ひょう」。	「パンダマン」などシュールなキャラで知られる漫画家。「コンテンツBAR　@ZD」のマスターを務める。「癒し系」「永世中立派」と呼ばれる●歳、独身。
	ビクトリアYOKO	チェルシーチヒロ	マスターフジタ
デザイン	★★★★	★★★	★★
ユーザービリティ	★★	★★	★★
お買い得度	★★	★★★	★★★
オリジナリティ	★★★	★★★★	★★★
お気に入り度（おもしろさの主観評価）	★★★★	★★★★	★★★★
寸評	ごめんあそばせ、YOKOです。まったく、このバーはマスターの腕が悪すぎるわ。あれじゃ、せっかくの面白いコンテンツも生きてこないわよ。BARKSは「先物買い」狙いの邦楽ファンにはオススメのサイトよ。ただ、ユーザー環境や価格設定は考える必要があるかもしれないわね	ブレイク前のアーティストへの独自取材を積極的に行ってて、その点オリジナリティあり。検索をかけて、お目当てのアーティストのインタビュー映像発掘、なんてときは心躍るね！ただその「検索」、な～んであんなに時間かかるわけ？これじゃもったいないよ！	実は、それほど音楽に関心がない。でも、BOW！の「みうらじゅんの仮性フォーク」は、男なら誰しもが分かる、「童貞の心理」を巧みに表現したトークが展開されていて最高！こういうコンテンツが1つあるだけで、このサイトはブックマーク。今晩も続きを聞かなきゃ……