リビング+:特集 2003/04/11 23:59:00 更新

特集:生活に役立つネットワーク
進学先は「ブロードバンド」 〜武蔵野大学 (1/2)

武蔵野大学の通信教育部では、インターネット経由で単位を取得、学士を取得することが可能だ。構内にはホットスポットを設置するなど、意欲的な取り組みも見せる

 大学も、ブロードバンドには関心を寄せている。本特集の2回目で、医学生が医療実習をしている事例を紹介したが(記事参照)、そもそも授業自体をすべて通信で行ってしまえ、という発想もある。

 武蔵野大学は、2002年度から「通信教育部」を設立し、オンラインで学ぶ生徒を募っている。スマートリンクのe-ラーニングシステムを導入しており、教育コンテンツは特定のサイトに置かれる。ユーザーはそこにログインすることで、自宅から学習できる。所定の単位をそろえれば、もちろん同大学の学士取得、卒業が可能だ。

/broadband/0304/11/musasi.jpg

 配信されるコンテンツは、基本的にテキストデータ。ただし、英語など一部の科目は、TOEIC風に画像を見せて、音声で出題するといったことも行う。また、従来と同様の紙の教科書も郵送される。

/broadband/0304/11/douga.jpg
 再生にはWindows Media Playerが必要。帯域はそれほど必要ないが、テストなどは時間がかかるため、やはり常時接続環境が望ましい

 学生はメールに添付するかたちでレポートを提出できるほか、自分の学習速度に合わせて自由にテストを受けられる。「たとえば、4月にいきなり単位をとってしまうユーザーもいます」(サポート担当者)。ちなみに、テストは制限時間が来るとちゃんと回答できなくなる。

 導入当時はADSLの普及もまだまだだったが、この1年間で大きく環境が変わった。今後は、学内で開催される講演、シンポジウムなどをストリーミング配信する計画もあるという。

/broadband/0304/11/musasi3.jpg
 ちょうど桜の季節で、学内ものどかな雰囲気

通信教育は世界の潮流

 武蔵野大学の総務部長、山田英昭氏は、ネットを利用した通信教育は米国から始まって、世界の潮流となりつつあると話す。

 「MIT(マサチューセッツ工科大学)は全授業をネットで公開しているし(記事参照)、ほかにも多くの米大学が、世界に進出、席巻しようとしている」。

 米国での通信教育は、主に2種類ある。1つは、州立大学が地域教育の“核”となり、周辺のカレッジと相互接続することで、授業をリアルタイム配信するケース。もう1つは、いわゆる遠隔教育で、ユーザーは自宅学習によって単位を認定してもらえるというものだ。

 こうした状況を視察した上で、武蔵野大学では少し違ったアプローチをとることにした。すなわち、「横でなく、縦に教育を展開することを考えた。つまり、諸外国に教育コンテンツを売るというより、国内の“さまざまな年齢層”にコンテンツを提供しようということだ」。言葉を換えれば、いま流行りの“生涯学習”ということになる。

次ページ:実際にはどんなユーザーが集まったか?

      | 1 2 | 次のページ

[杉浦正武,ITmedia]



モバイルショップ

最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
第3世代インテルCoreプロセッサー搭載PC ドスパラはスピード出荷でお届けします!!

最新スペック搭載ゲームパソコン
高性能でゲームが快適なのは
ドスパラゲームパソコンガレリア!