リビング+:ニュース 2003/04/14 23:49:00 更新


エプソン、黒板にもキレイに投影できるプロジェクタ発表

セイコーエプソンが、PCレスのプレゼンテーションが行える同社独自のプラットフォームコンセプト“EasyMP”をベースにしたネットワーク対応プロジェクタ3機種を発表。黒板など白色以外の投影面でも元データに近い色合いで表示できる「Wall Shot」など便利な機能を備えた

 セイコーエプソンは4月14日、ネットワーク対応プロジェクタ3機種「EMP-7800」「EMP-7850」「EMP-8350」を発表した。4月21日から順次発売する。


高輝度なネットワーク対応プロジェクタ3機種「EMP-7800」(左上)「EMP-7850」(右上)「EMP-8350」(下)

 新製品は、プロジェクタがPCから独立してターミナル機能を高めていくという同社独自のプラットフォームコンセプト“EasyMP”に基づいたもの。今年1月に発表したELP-735/EMP-8300に続く、EasyMP対応プロジェクタの第2弾となる。3機種すべてに有線もしくは無線のLAN機能を搭載(無線LANはPCカードで対応)し、ネットワーク環境ならではの便利なPCレス機能を数多く備えた。


同社独自のプラットフォームコンセプト“EasyMP”

 EMP-7850とEMP-8350には、ハードウェアMPEGデコーダを業界で初めて搭載。DVDと同品質の動画再生を、PCレス環境で可能にした。また両機種にはPCカードスロットも装備(EMP-7850は1スロット、EMP-8350は2スロット)。メモリカードに記録したデジカメの画像ファイル/MPEGなどの動画ファイル/PowerPointファイルなどを利用することで、PCレスのプレゼンテーションが行える。


ハードウェアMPEGデコーダやPCカードスロットを搭載したEMP-7850

 さらにEMP-8350は、組み込み機器向けOS「Windows XP Embedded」を採用しており、プレインストールされたWindows Media Player 9によってWMVやReal Videoなど各種動画ファイルの再生を可能とした。そのほか、ネットワーク接続されたサーバシステムからのストリーミング再生や、標準搭載のブラウザ(IE6相当)を使ったインターネット閲覧、リモートデスクトップなど組み込みWindows XPならではの多彩な機能に対応している。


組み込み機器向けOS「Windows XP Embedded」を採用したEMP-8350

 MLA(マイクロレンズアレイ)技術などで高い開口率を可能にした新開発の高温ポリシリコンTFT液晶(HTPS:High Temperature Poly-Silicon TFT)を全機種に搭載(EMP-7800/同7850は1.0型、EMP-8350は1.4型)し、3500ANSIルーメン(EMP-8350は5200ANSIルーメン)という高輝度を達成。また短焦点レンズを標準で搭載し、60型で1.6メートル、100型で2.7メートルというクラス最短の投影距離を可能にした。

 そのほか、任意形状の歪みをそれぞれ4つのコーナーから補正できる「Quick Corner」機能や、自動的に台形を補正する「自動台形歪み補正機能」など便利な機能を備える。

モバイル機種にこそ欲しい新機能「Wall Shot」

 新製品での注目機能が、EMP-7800/同7850に装備された「Wall Shot」機能だ。R・G・Bそれぞれのキャリブレーション信号をプロジェクタ前面に搭載した光センサーがチェックすることで、部屋の明るさ/ライトの色/壁の色の3要素をベースにした最適画質の調整がボタン1つで行える。


前面に搭載した光センサーで、部屋の明るさ/ライトの色/壁の色の3要素をベースにした最適画質の調整が1ボタンで可能

 「スクリーン以外の白色からかけ離れた色の面に投影した場合でも、元データに近い色合いで表示することが可能となった。例えば、学校の黒板などにも投影できる。色合いの修正だけでなく階調補正もしているので、コントラスト感のある映像になる」(同社)。


黒板(緑板)のような白色からかけ離れた色の面に投影しても、元データに近い色合いで表示することが可能

 ただし、EMP-7800/同7850の重さは約6キロ弱と決して軽量タイプとはいえない。スクリーンが設置されていない環境下で活躍する「Wall Shot」のような機能は、2キロ前後のモバイルタイプに搭載されてこそ真価を発揮するのではないだろうか。

 「Wall Shot機能は、センサーなど部品追加で1万円弱のコストアップになるため、上位機種からの採用になった。だが将来的には2キロ前後のモバイル機種や下位モデルなどにも順次搭載される予定」(同社)。

次世代デバイスは民生用モデルから投入?

 同社は今年3月26日に、次世代プロジェクタ向け高温ポリシリコンTFT液晶パネル(HTPS:High Temperature Poly-Silicon TFT)「D4」(開発名称)を発表した。だが、D4の出荷が開始されるのは今年6月以降。つまり今回の新製品はこの次世代デバイスではなく、1世代前のD3に改良を加えたものなのだ。

 「D4は6−7月以降の製品から採用される予定。民生用/ビジネス用のどちらから採用していくかは未定だが、数の出るほうから搭載していくだろう」(同社のLCP企画開発設計部長の鈴木正幸氏)。


EDEX2003に参考出展されたD4シリーズ。プロジェクタの小型・低コスト化が期待されるこの新デバイスのターゲットは、民生用モデルといわれている。年内には10万円を切る高機能プロジェクタも登場か?

 主な仕様は以下の通り。

型番EMP-7800EMP-7850EMP-8350
方式3原色液晶シャッタ式投影方式
液晶パネル1.0型ポリシリコンTFT液晶1.4型ポリシリコンTFT液晶
画素数(横×縦×枚数)1024×768×3
輝度3500ANSIルーメン5200ANSIルーメン
コントラスト比700対11200対1
対応ビデオ信号NTSC/PAL/SECAM、D1―D4
対応PC信号XGA(リアル対応)、VGA/SVGA/SXGA/UXGA(リサイジング対応)
ハードウェアMPEGデコーダ
無線LAN対応PCカードスロット1スロット2スロット
ネットワークLAN(RJ45)×1LAN(RJ45)×2
他インタフェースUSB(タイプB)×1、RS-232C×1、リモート端子×1USB(タイプA)×1(EMP-8350は×2)、USB(タイプB)×1、RS-232C×1、リモート端子×1
サイズ419(幅)×325(奥行き)×117(高さ)ミリ349(幅)×491(奥行き)×202(高さ)ミリ
重さ約5.5キロ約5.8キロ約12.1キロ
価格79万8000円84万8000円200万円
発売時期4 月21日6月中旬5月中旬

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[西坂真人,ITmedia]



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