リビング+:ニュース 2003/04/16 23:58:00 更新


アイ・オー・データ、IEEE 802.11g製品群をリリース

アイ・オー・データ機器がIEEE 802.11g(ドラフト仕様)準拠の無線LAN製品「WN-G54」シリーズを発表。同時に、ホームサーバ製品群を含む今後の製品ロードマップを明らかにした

 アイ・オー・データ機器は4月16日、最大54Mbpsの通信速度を持つIEEE 802.11g(ドラフト仕様)準拠の無線LAN製品「WN-G54」シリーズを発表した。無線アクセスポイントのほか、無線ルータ、IEEE 802.11a/b/g対応のデュアルバンドPCカードなど、セットモデルを含む6製品をラインアップ。参入時期では競合他社に遅れをとった同社だが、製品発表会ではホームサーバを含む、今後の製品ロードマップも明らかにした。

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「WN-G54」シリーズ。アクセスポイントの「WN-G54/AXP」(左上)と無線ルータ「WN-G54/BBR」は白と黒を基調とした共通のデザイン

 アクセスポイントの「WN-G54/AXP」は、米Intersilの無線LANチップを搭載。MACアドレスフィルタリングと64/128bitのWEPをサポートしているが、「WEP暗号化は専用ハードウェアによって処理するため、通信速度に影響を与えない」(同社)という。また、設定はWebブラウザから行えるため、PC側のOSを選ばない。価格は16,500円。

 アクセスポイント機能付きブロードバンドルータ「WN-G54/BBR」には、米Atheros Communicationsの無線LANチップを採用した。無線LANを含むスループットは、PPPoE接続時で47Mbpsを記録するという。WEPのハードウェア処理、Webブラウザによる設定といった機能はWN-G54/AXPと共通だ。一方のルータ部には、ステートフルパケットインスペクション(SPI)対応のパケットフィルタリング、PPTPとIPsecのVPNパススルー機能などを搭載した。価格は19,800円。

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アクセスポイント機能付きブロードバンドルータ「WN-G54/BBR」の背面。有線ポートは10/100BASE-TX×4

 「WN-AG/CB」は、IEEE 802.11a/b/gをすべてサポートするデュアルバンド対応の無線LANカードだ。無線LANチップはAtheros Communications製。同じくAtherosチップを搭載するWN-G54/BBRとのセットモデル(27,500円)も用意されている。

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デュアルバンド対応の無線LANカード「WN-AG/CB」

 IEEE 802.11b/gのシングルバンド無線LANカード「WN-G54/CB」は8500円。こちらはIntersilチップが使われており、やはりIntersilチップのWN-G54/AXP(アクセスポイント)とのセットモデルがある。セットモデルの価格は24,000円だ。

 無線LANカードの設定ユーティリティ「クイックコネクト」も進化した。電波受信状況をグラフィカルに表示するなど便利な機能はそのままに、設定項目を絞った「ビギナーモード」と詳細な「プロフェッショナルモード」の2つを用意した。ビギナーモードであれば、ウィザードに従うだけで各種設定が行える。

 一方のプロフェッショナルモードでは、アクセスポイントごとの設定項目をプロファイルとして保存し、配布することが可能。企業など多数のユーザーがアクセスポイントを共有する環境に有効だ。

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設定ユーティリティ「クイックコネクト」の画面(プロフェッショナルモード)。リンク速度、電波強度、リンク品質などをグラフィカルに表示できる
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プロファイル設定画面

動画伝送を前提にしたホームネットワーク

 アイ・オー・データ機器が高速無線LANに注力する背景には、国内だけで350億円(2003年予測)といわれる市場規模にくわえ、「映像関連ビジネスを強化する一環」(同社)という意味合いがある。太いパイプは、高品質映像のワイヤレス伝送を容易にするからだ。同社が示した製品ロードマップには、段階的に無線LANの機能拡張を図りながら、映像伝送を含むホームネットワーク分野に踏み込もうとする意図がみえる。

 まず、夏(7〜8月)をメドにWPA対応ファームウェアを提供。WN-G54シリーズにはすべて適用できる見通しだという。

 第3四半期中には、IEEE 802.11a/b/gをフルサポートするデュアルバンド対応のアクセスポイントとブロードバンドルータを発売する。また、今回の発表には含まれていないUSB接続のIEEE 802.11g無線アダプタも用意。デスクトップPCの無線LAN対応も進める。

 さらに、第4四半期にはIEEE 802.11i対応にくわえ、企業向けの「AirPort Pro」製品群と、ホームサーバの「Home AirPort」製品群を順次リリースする。詳細は明らかにされなかったが、Home AirPortシリーズは無線ルータにストレージを組み込むという。

 「イメージは、NAS製品の“LANDISK”を無線化したもの。宅内向けのファイルサーバやFTPサーバ、あるいはメディアサーバとして利用できるだろう」(同社)。

 アイ・オー・データ機器では、年末商戦前の市場投入を目標にHome AirPortの開発を進めるという。

製品型番WN-G54/AXP
概要IEEE 802.11g対応アクセスポイント
チップIntersil
価格16,500円
出荷時期4月下旬より

製品型番WN-G54/BBR
概要IEEE 802.11g対応アクセスポイント付きルータ
チップAtheros Communications
価格19,800円
出荷時期4月下旬より

製品型番WN-AG/CB
概要IEEE 802.11a/b/g対応PCカード
チップAtheros Communications
価格9,800円
出荷時期4月下旬より

製品型番WN-G54/CB
概要IEEE 802.11b/g対応PCカード
チップIntersil
価格8,500円
出荷時期4月下旬より

製品型番WN-G54/BBR-S
概要「WN-G54/BBR」と「WN-AG/CB」のセット
チップAtheros Communications
価格27,500円
出荷時期4月下旬より

製品型番WN-G54/AXP-S
概要「WN-G54/AXP」と「WN-G54/CB」のセット
チップIntersil
価格24,000円
出荷時期4月下旬より
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▼アイ・オー・データ機器 製品インデックス

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[芹澤隆徳,ITmedia]



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