リビング+:ニュース 2003/04/18 21:54:00 更新


シャープ、業界最大サイズのバッテリー内蔵ワイヤレス液晶TV「AQUOSモバイル」

シャープが、AV無線システムを使ったワイヤレス液晶TV「“AQUOSモバイル”LC-15L1」を発表。徹底した省電力化によって、バッテリー内蔵モデルでは業界最大となる15V型を実現した

 シャープは4月18日、液晶TV「AQUOS」シリーズ新製品として、AV無線システムでワイヤレス視聴を可能にしたバッテリー内蔵の15V型「“AQUOSモバイル”LC-15L1」を発表した。5月1日から発売し、価格は17万5000円。


ワイヤレス視聴を可能にしたバッテリー内蔵の15V型“AQUOSモバイル”「LC-15L1」

 ディスプレイ部と送信機部に分かれたLC-15L1は、映像/音声データの送受信にスペクトラム拡散通信方式(SS無線)を使ったAVデジタルワイヤレス伝送システム「スマートリンク」を採用。テレビやビデオの映像/音声をMPEG-2にリアルタイム圧縮して、約4Mbpsのビットレートで無線伝送する。送受信には、2.4GHz帯(IEEE802.11b準拠)の電波を利用するため、伝送距離は30メートル以内となり「家の中なら、ほぼどの部屋でも送受信できる」(同社)という。


AVデジタルワイヤレス伝送システム「スマートリンク」を採用

 同社は2001年7月に、AQUOS B1シリーズのオプションとして「スマートリンク AN-SS700」を発表。今回の新製品は、別売りだったAN-SS700を内蔵したカタチとなる。「従来のスマートリンクから、部品の見直しや通信制御システムのブラッシュアップを行い、無線通信時の画質面での向上を図っている」(同社)。

 スマートリンクを内蔵した送信機側には、地上波TVチューナーやBSアナログチューナーを搭載するほか、ビデオ入出力端子(入力2系統2端子、出力1系統1端子)やS映像入出力端子(入出力各1系統1端子)を装備。DVDプレーヤーやビデオデッキなどを接続することで、さまざまな映像コンテンツをワイヤレスで楽しむことが可能だ。


送信機はアンテナ分配機能もあり、2分配してメインTVにも信号を供給できるほか、入力ビデオ信号のスルー出力も可能

 ディスプレイ部には5700mAhの大容量リチウムイオン充電池を内蔵。電源コンセントを気にすることなく、家中どこでもTV視聴を可能にした。内蔵バッテリは、フル充電時で標準2時間、最長3時間(「暗い」モード時)の連続視聴が行える。

 また、ディスプレイ部から外部接続機器を操作できる「リモコンリンク」機能も搭載。ワイヤレス使用時でも、ディスプレイ部に向かってリモコン操作することで、スマートリンク経由で送信機に接続した外部機器をコントロールできる。ディスプレイ部背面には、有線での接続も行えるビデオ/S入力端子(各1系統1端子)も備えた。


ディスプレイ部背面にはビデオ/S入力端子も装備

 液晶ディスプレイは同社独自のASV方式低反射ブラックTFT液晶(640×480ピクセル表示)を採用し、500対1の高コントラスト、上下左右170度の高視野角、450カンデラ/平方メートルの高輝度を実現した。

 テーブルスタンド設置時のサイズは494(幅)×228(奥行き)×445(高さ)ミリ(ディスプレイ部のみ494×59×350ミリ)、重さは6.2キロ(同4.9キロ)。左右に回転するキャリングハンドル一体型スタンドを採用しており、台座の部分をワンタッチで取り外して持ち運ぶことができるほか、本体のみでも写真立てのように少し傾けて設置することも可能だ。新感覚のデザインがAQUOSシリーズの特徴だが、今回の新製品も従来モデルに引き続き、国際的なインダストリアルデザイナーの喜多俊之氏がデザインを担当している。


台座部分をワンタッチで取り外せるほか、写真立てのように設置することも可能

現状では11bだが、近い将来には11a/11gの採用も

 14型以上のワイヤレス液晶TVでは、昨年9月に東芝が「液晶“FACE”ワイヤレス」をリリースしているほか、今年3月にはソニーが5GHz無線LAN(IEEE802.11a)を採用した「液晶WEGA(ベガ)」を発表している。

 だが、いずれの商品も内蔵バッテリーを持たないためAC電源が必要で、AV無線システムで“映像のワイヤレス視聴”はできるが、AC電源ケーブルまでも無くした“完全無結線TV”ではなかった。“元祖ワイヤレス液晶TV”のソニー「エアボード」や、カシオ計算機が昨年9月に発表した防水型液晶TV「XFER」など12型以下の製品ではバッテリー内蔵モデルは存在したが、15V型ではLC-15L1が初となる。


 「14型以上になると電力消費が大きくなるため、2時間以上の視聴時間を確保するためには大型のバッテリーが必要となり、本体が重くなってしまう。新製品では徹底した省電力化を行うことで、持ち運び可能な重さで15V型という業界最大サイズを実現した」(同社)。

 ただし今回のスマートリンクは、2.4GHz帯の802.11bをベースにした従来方式のまま。ハイビジョン放送など高画質な映像を楽しむには、より高速伝送が可能な802.11aや802.11gといった無線方式が欲しいところだ。

 「BSデジタル放送や地上波デジタル放送など高画質で大容量な映像ソースに対応するため、802.11aや802.11gなど高速伝送方式は次期製品向けに現在検討している。11aと11gのどちらかにするかは現在未定だが、家庭でのTV視聴スタイルに最適な方式を選んでいきたい」(同社)。


フロントキャビネットが選べる37V型AQUOSのカスタムシリーズも同時に発表された。キャビネットの素材は漆/革/木の3タイプ計6種類から選択可能。受注生産となり、5月22日から発売を開始する。価格は漆/革タイプが120万円、木タイプが110万円。

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▼シャープ

[西坂真人,ITmedia]



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