リビング+:ニュース 2003/04/22 23:59:00 更新


DSL作業班、ついに決着

10回におよぶ会合を経て、ようやくDSL作業班が報告書案をまとめた。Yahoo! BBの12M ADSLサービスなどは、事業者間の調整をへて、各クラスに分類される

 4月22日、情報通信審議会でDSL作業班の第10回の会合が行われ、最終的な報告書案がまとめられた。今後事務方の調整をへて、総務省の関連部署に申し入れ、諮問される見込み。昨年12月16日から、4カ月にわたって開催されてきたこの会合も、今回でいちおうの決着を見た。

 会合では主に、報告書案の“両論併記”されている部分について、どちらが適切かを詰めるかたちで話し合いが持たれた。中でも、伝送方式のクラス分け(過去の経緯参照)を行う際の基準として、「フィールドにおける実測データを用いるか否か」、また、Reach DSLなどの遠距離伝送方式を優先的に扱う件で、「どの程度の伝送損失がある場合を“遠距離通信”として認めるか」などのポイントを巡っては、事業者間で意見が鋭く対立。

 これが最後の会合ということもあって、8時間におよぶ、白熱した議論がかわされた。結局、こうした議題は完全には合意がまとまらず、報告書内で明確な記述を避けるという、実質上“ぼかした”かたちとなった。

 ユーザーにとって一番の関心事と思われる、「どの通信方式が優先されるのか」(=報告書案でいう“クラスA”に分類されるか)という問題では、この日改めて、ソフトバンクBBとイー・アクセスが自説を展開。それぞれ自社サービスの、「Annex. A OL」(オーバーラップ)、および「Annex C FBM」を、クラスAに分類すべきと主張した。ただし、この点は「NTT東西と事業者間で、今後個別に調整されるべき」と結論づけられたため、今回の報告書案では、分類を明記されることはなかった。

 明日にも、会合の結果を基にした報告書がまとめられ、関係者に確認される見込み。5月上旬には、前述の“事業者間での調整”の結果も併記されて、担当の委員会に申し入れされる見込みだ。その後、一般向けに公開、パブリックコメントの募集といった手続きを踏まえて、総務省の答申を待つこととなる。

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[杉浦正武,ITmedia]



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