リビング+:ニュース 2003/05/14 20:12:00 更新


“幼児なみコミュニケーション”可能なロボット 〜通総研

通信総合研究所は、16日から小金井にショウルームをオープンする。会場では多くの展示を見ることができるが、主役はなんといってもこのヒト(?)だろう

 通信総合研究所は5月16日から、東京都小金井市にある本社ビル2階に「展示室」を公開する。これは、「子供たちの科学技術・自然科学への興味を育む」ことをコンセプトにするショウルーム。子供にも分かりやすいよう、体験コーナーなどが多数用意されているのが特徴だ。

 会場では、「電波とは」といった基本的な知識の解説から、同研究所が取り組む最新技術の紹介まで、多くの展示を見ることができる。しかし、主役となるのはやはりこのヒト(?)、“コミュニケーション型ロボット”ことInfanoidだろう。

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 これがInfanoid。ぬいぐるみを近づけると、グリンとそちらを向く

 Infanoidとは、Infant(幼児)とandroid(人造人間)を合わせた造語。写真のロボットは、生後6カ月の幼児と同等のコミュニケーション能力を持つという。

 具体的には、まず人間の顔、ぬいぐるみなどを認識する。対象物の動きを追尾して、顔の方向を変えるほか、たとえば対象物が「ウサギ」だと判断すると「う・さ・ぎ」と発音する。

 用意されたマイクに向かって「ウサギ」と呼びかけると、「うさぎー?」とオウム返しに聞き返してくる。さらに、感情を表現する能力も備えており、特定の物体に興味を持つと(上述の動きを追尾する状態)、まゆげを上げる。ここで対象物を隠してしまうと、まゆを吊り上げて怒った表情をする。

色情報で対象物を認識

 Infanoidの眼の部分には、左右2つのCCDカメラが取り付けられており、右目は広い視野で、左目は注目したものにフォーカスするかたちで、視覚情報を処理する。

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 ぬいぐるみなどの認識には、主に色情報を利用している。つまり、事前に「ピンク色=うさぎ」とインプットすることで、認識可能になるわけだ。顔の識別でも同様に、「肌色=顔」と定義付けている。追加情報として、その物体の形状などもある程度は判断に役立てているようだ。

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 Infanoidの情報処理のようすを示した画面。うさぎの部分、および人間の顔が変色している

 こうした情報処理には、3台のPCを利用している。CPUのクロック周波数はいずれも「800MHz程度」。それぞれが画像処理、音声処理、総合制御を担当しているという。

言語獲得のプロセス解明のために

 このInfanoid、もとは幼児の言語獲得過程を探る目的で開発された。現状では、事前にプログラムした言葉しかしゃべれないが、将来的には言語学習を行えるようにしたい考えだ。

 つまり、物を近づけて「ウサギ」と呼びかけると、「うさぎー?」とオウム返しに反応し、同時に「ああ、これは『う・さ・ぎ』というものだ」と判断。言語を学習できるようにしたい……というわけだ。

 説明員は、「ぜひ子供たちに、Infanoidに話しかけてほしい」と期待を寄せていた。同会場の開館時間は10時から16時まで。土日、祝日は休館日で、入場は無料。

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 会場ではほかに、メタデータを活用して、デジタルアーカイブから特定のシーンを検索するシステムなども展示されていた
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 光ファイバーの原理を解説するブースも。暗室内をのぞくと、ガラス管の中を光が反射しながら進むようすが確認できる

[杉浦正武,ITmedia]



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