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2003/05/19 14:31:00 更新

これなら不満なし、多機能ルータ＋VoIPの「TE4412V2」

世はIP電話ブーム。かくいう筆者もIP電話を利用しているが、VoIP対応機はルータとしての機能が今ひとつな場合も多い。「MegaBit Gear TE4412V2」は、FTTHにも対応する高速、多機能ルータにVoIP機能を統合した製品だ

　IP電話アダプタは、その多くがルータ機能を兼ね備えている。ルータ機能を無効にすると、IP電話も利用できなくなるといったように、機能が一体化している場合が多い。しかし、こうした“ルータ兼用”IP電話内蔵ADSLモデムを利用する場合には、気をつけなければいけない点がある。

　実は筆者は、自宅と実家の2カ所にIP電話を導入している。ところが自宅は、IP電話対応のADSLモデムに切替えたら「UPnP」非対応になり、実家ではIP電話アダプタを導入したらADSLモデムの「GapNAT」（詳細は別記事参照）機能が使えなくなった。冗談みたいに聞こえるかも知れないが、これが事実だから困り物で、いまだに改善されていない。職業柄とはいえ、よく調べもせずIP電話に飛びついた筆者もいけなかったのだが。

　筆者のような不幸な目にあわずに済むのが、住友電工ネットワークスの「MegaBit Gear TE4412V2」。IP電話に対応した、多機能ブロードバンドルータだ。現状で利用できるIP電話サービスは、関西でFTTHを展開するケイオプティコムの「eo-netフォン」のみだが、今後はほかの事業者にも対応する見込みという。

　ブルー基調にブラックのスケルトンパネルと、少々凝ったデザイン。写真は縦置きだが、もちろん横置きでも使える。背面で注目して欲しいのはTEL1/TEL2のジャック。本製品では2回線のIP電話をサポートできる

　同社はADSLモデムベンダーとして有名だが、本製品はその経験が十二分に生かされている。「おまかせ設定」では、インターネット接続事業者を選択すれば、後は1画面内で必要な設定が完了するようになっている。インターネット接続＋IP電話の設定としては、非常に容易な部類に入るだろう（もちろん、最初から設定など存在しないYahoo! BBは別格であるが）。

　同社のADSLモデムでおなじみの「おまかせ設定」。1画面に必要最低限の設定が集約されている

　ブロードバンドルータとして機能は、ほとんどの人が不満を感じないレベルだ。今や必須機能となった「UPnP」対応はもちろん、同社独自の機能でもある「GapNAT」にも対応しており、PCにグローバルIPアドレスが必要なネットワークゲームなども利用可能。既に述べたとおり、VoIPアダプタには「UPnP」にすら対応していない製品もある中で、充実した機能と言えるだろう。

　さらにスタティックルート、静的NATアドレス変換、セキュリティのためのIPフィルタも装備している。基本的には、定評のある同社のADSLモデムのルータ機能を、ほぼすべて備えたかたち。VoIP対応だからといって、一切手抜きは感じられない。

　詳細設定の画面。今時のルータに必要とされる機能はほぼそつなく揃える

　IP電話機能有効、PPPoE接続時でも20Mbps以上のスループットを実現しており、ADSLには完全対応。100MbpsのFTTHへの対応を考えると不満に思う人もいるかもしれないが、瞬間的な最大通信速度はともかく、現状のFTTHの実転送速度は平均で2〜30Mbps程度出れば“十分高速”といわれる。まずは、必要十分なスループットを確保していると言える。

　本製品はVoIP対応ブロードバンドルータとしては容易な設定を実現しており、ルータ機能も充実している。もちろん全てのIP電話サービスで利用できる製品ではないが、これからIP電話の導入を考慮している人は気に留めておく価値のある製品となるはずだ。

関連リンク
住友電工ネットワークス
ルータモデム徹底検証：MegaBit Gearの実力

[ITmedia]

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