リビング+:レビュー 2003/06/02 17:23:00 更新

レビュー
住友電工、コンパクトな無線LANユニット発表

住友電工ネットワークスは、コンパクトで壁掛けも可能な無線LANユニット「MegaBit Gear WTE1100AS」を発表した。編集部で入手した試作機を、早速レビューしてみた

 住友電工ネットワークスは6月2日、コンパクトで壁掛けも可能な無線LANユニット「MegaBit Gear WTE1100AS」をホームページ上で発表した。価格、販売方法などは、別途6月10日に掲載される予定。

 同社はADSLモデム、MegaBit Gearシリーズを発売しているが(記事参照)、本製品はそれらを無線化可能なユニットとの位置付けだ。発表前の試作機を、早速入手してレビューしてみた。

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幅広い使い方に対応する外付け無線LANユニット

 MegaBit Gear WTE1100ASは、外付けタイプの無線LANユニット。普及している最大11MbpsのIEEE 802.11bに対応する製品だが、同社の製品らしくADSLモデムとのマッチングを考慮し、PC向け製品に多いUSB接続ではなく、LAN接続となっている。

 これにより、PCだけではなくADSLモデムやLANポートを備えたゲーム機などとも接続可能としている。設定時こそPCとのLAN接続が必要となるが、基本的にはLANポートを備えた製品のほとんどを無線LAN化できる。

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 サイズを、いまどきの携帯と比較したところ。可動式のアンテナを装備しているので、水平に置いても壁などにに垂直に取り付けても、ある程度の送受信状態を保てる

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 コネクタ部は1カ所に集中している。「INIT」ボタンを押すと初期出荷状態となる

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 ACアダプタは、PDA向けに別売されているようなコンパクトタイプ。ACアダプタとコンセント部は一体となっている

 無線はアクセスポイント、クライアントのどちらとしても機能する。ルータやルータ内蔵モデムなどに接続して、アクセスポイントとして機能させれば、複数のPCから無線LANでインターネット接続が可能だ。

 クライアントに設定し、LANポートを持つPCやゲーム機などと接続すれば、それらを無線接続することが可能。拡張スロットに余裕が無いコンパクトPCや、PCカードスロット数が少ないPCでは、拡張性を犠牲にせずに無線LANが導入できる。またUSB1.1対応が主流のUSBタイプ無線LANユニットに比較すると、CPU負荷が小さいというメリットもある。ドライバが不要なので、Windows以外のOSでの利用も容易だ。

 これ以外に、ハブに接続して複数台のPCをまとめて無線LAN化するといった用途も考えられる。例えば2部屋にPCが2台ずつあるといった場合でも、既に各部屋がLAN化されていれば、本製品2台で4台のPCを無線LAN化できる。PCが増えても、ハブにつなぐだけで無線LANに参加できるわけだ。

ブラウザから全て設定可能

 本製品の設定は、すべてブラウザから行える。アクセスポイント、クライアント(本製品ではステーションと呼ぶ)の動作切替えもブラウザから可能だ。

 アクセスポイントとしての機能はそつなく備えている。128bitWEPによる暗号化、MACアドレス指定によるクライアントの限定(最大16台)といったセキュリティ機能を備え、ESS-IDの通知機能を無効にできるため、アクセスポイントの存在自体を隠匿できる。

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 クライアントとしての機能では、一般的なインフラストラクチャ・モード(アクセスポイントとの通信)に加え、クライアント同士のアドホックにも対応。DHCPクライアントとしてIPアドレスの自動取得に対応し、128bitWEPの暗号化をサポートする。

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 設定画面で、実際の通信速度や接続品質、現在接続しているアクセスポイントや信号強度なども確認できる

 あえて難点を挙げるとすれば2点。まずWindpwsXPや、一部の無線LANカードドライバが持つアクセスポイントの自動検索機能が利用できない事。これは、モバイル利用などで便利な機能だが、屋内利用であればそれほど不便を感じることはないかもしれない。

 2点目は、設定がブラウザのみという事に関連する。PCと本製品のIPアドレスが、同一のセグメント内にないと設定が行えない事だ。本製品は初期出荷状態で「192.168.1.200」に設定されており、この場合PCのIPアドレスが「192.168.1.0」〜「192.168.1.255」(192.168.1.200は除く)の間に無いと、設定が開始できない。

 もっとも、これらは概ね導入時の問題。運用に入ってしまえば難点と思うことは少ないはずだ。

CPU使用率は低い

 最後に、LAN接続のメリットであるCPU使用率の低さを検証してみた。比較に利用したのは、PCカードタイプの「3Com OfficeConnect」。PCにはEPSON DIRECTの「EDiCube R」(Pentium4 1.8GHz)を用い、内蔵LANポートに本製品を接続した。無線LAN経由で、LAN上の他のPCからファイルコピーを行い、タスクマネージャーでCPU使用率を監視している。

 ファイルコピーの速度こそ、ほぼ同等だったが、CPU使用率の違いは目に見えて下がった。PCカードでは常時70%程度なのに対し、本製品では最大でも7%程度。今回、USBタイプの無線LANユニットとは比較ができなかったが、一般にUSBタイプはPCカードよりさらにCPU使用率が高い。デスクトップPCの無線LAN化には、USBタイプがよく用いられるが、本製品を利用した方がより快適で有る事は間違いないだろう。

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 CPU使用率の差は一目瞭然(上=PCカード、下=WTE1100AS)。無線LANを、PC間でのファイル共有などにも積極的に利用している場合には、CPU使用率の低さが効いてくる

 本製品の販売価格は、現段階では未定となっているが、住友電工ネットワークスの製品サイト「MegaBit Gear Direct」では、直販ならではの価格も期待できる。これまでLAN接続タイプの無線LANユニットは、PCカードやUSBタイプと比較すると価格の高さがネックだっただけに、その販売価格に注目したい。

関連リンク
▼ルータモデム徹底検証:MegaBit Gearの実力
▼住友電工ネットワークス

[坪山博貴,ITmedia]



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