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2003/06/06 23:14:00 更新 |
“孫代表”が語るブロードバンド推進協議会のねらいとは
6月6日、ブロードバンド市場の発展を目指す任意団体「ブロードバンド推進協議会」設立に向け、都内で準備会が開催された。発起人代表には、ソフトバンクBBの孫正義社長が推薦された。
6月6日、ブロードバンド市場の発展を目指す任意団体「ブロードバンド推進協議会」設立に向け、都内で準備会が開催された。7月3日には設立総会が行われ、社団法人に準じた運営体制になる予定。発起人代表には、ソフトバンクBBの孫正義社長が推薦された。
参加企業は当初、50社ほどになる見込みだが、具体的な企業名などは明らかになっていない。ブロードバンドに関連するコンテンツプロバイダー、周辺機器メーカー、ISP、消費者団体などさまざまな業界から参加を募っており、各分野の代表が“発起人”となる予定という。
あいさつをするソフトバンクBBの孫社長
壇上に上がった孫社長は、国内のブロードバンド市場の発展に言及。“メガバンド”を実現しているユーザー数では、世界一だと気勢を上げる。
「ブロードバンドユーザーは、米国で1900万人、韓国で1000万人といわれる。しかし、1Mbps以上出ているユーザー数で見ると、米国は全体の2〜5割、韓国では7、8割しかない。一方、日本ではほとんどがメガバンドユーザーだ」。
このため、日本は世界で最も安価な料金で、最も高速な通信速度を実現しており、最も市場の伸び率が高い国になった、と孫氏。「気がつけば世界一になっていた」と、目を細めた。
しかし、継続的な発展には課題も残されている。孫社長は今後必要不可欠なものとして、「さらなる規制緩和、技術の進展、コンテンツの著作権問題解決、(デジタルデバイド解消に向けた)教育、セキュリティ」と話す。これらの実現に向けて、「組織として、集団として、社会として」努力すべく、関係者が協調する枠組みとしてブロードバンド推進協議会を設立すると話した。
より具体的には、ブロードバンド事業に関する情報交換、技術の調査、仕様の策定、市場・制度の調査などを行う。年に1回の通常総会を行うほか、テーマごとに分科会を設置して、内容に応じた活動を行う。ほかにも年数回、著名人を招いての講演会を実施する。
“政策提言を行う”というのも、協議会設立の重要な目的のひとつ。実際、会場には民主党の島聡議員や自民党の岩屋毅議員も駆けつけ、「国会で規制緩和を進めるため、大いに提言してほしい」とエールを送った。
左から、民主党の島議員、自民党の岩屋議員。岩屋氏と孫氏は、高校時代からの友人という。「(孫氏は)高校時代から30年間、大ホラを吹き続けてきた(笑)。しかし彼のすごいのは、それをひとつひとつ実現していくところ」
BBIX設立も
会場ではまた、孫社長が国内インターネットのトラフィックを分散すべく新会社「BBIX」を設立することも明らかにした(別記事参照)。今後、ISP同士が相互接続するポイントを全国に作るという。
「主要IXがあるのは、全国で3都市のみ。その80%が東京に集中している。もっというと、3つのビルに1極集中している。あんまり、テロリストが聞いてソソられるようなことを言ってはいけないが……(笑)」。
孫社長はこうした取り組みを含めて、国内のネットワークインフラをさらに整備するとうたいあげる。「(ライフラインは)かつては道路、電力、電話だった。これからはブロードバンドだ。一緒に、社会を作っていただきたい」。
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ソフトバンクBB
[杉浦正武,ITmedia]