リビング+:ニュース 2003/07/01 23:59:00 更新


緊急通信に、インターネットの有効活用を

総務省の研究会が、重要通信を確保する方策を報告書のかたちでまとめた。さまざまな提言がなされているが、緊急通報にインターネットを活用すべき、とのコメントが目につく

 総務省で開催されている「電気通信事業における重要通信確保の在り方に関する研究会」は7月1日、災害時などの非常時に重要通信を確保する方策を、報告書としてまとめた。通信サービスの発展をふまえ、インターネットを活用すべきである旨が記載されている。

 そもそも電気通信事業法では、電気通信事業者を対象に重要通信の確保に関する規定を定めている。これに沿って、災害時優先電話や優先携帯電話などの通信システムが整備されてきた。しかし近年、DSLやFTTHといったaアクセス回線の普及をうけて、こうしたブロードバンド網を活用したシステムの導入が求められている。

“安否確認”から“緊急通信”へ

 報告書によれば、災害時にインターネットを活用して安否確認を行うシステムは、既にある程度の開発が進んでいる。

 たとえば、通信総合研究所はWeb上で個人の安否情報の登録、検索を行えるIAA(I Am Alive)システムの研究開発を行っている。同システムはこれまでも、三宅島や有珠山の噴火、また2003年3月のイラク攻撃に伴う在外邦人の安否確認支援などで、実験運用を行っているという。

 だが、今後はこうした安否確認に留まらない、“IPネットワークを利用した重要通信システム”が求められると、研究会は主張する。

 たとえば現在、米国ではGETS(The Government Emergency Telecommunications Service)と呼ばれるシステムが整備されており、固定/携帯/公衆電話から主要なキャリアの長距離通信網、政府専用線から正常に機能するものを選択して、優先通信を行える。これと同様のシステムをIPネットワーク上でも実現すべく、既に、ITUやIETFなどの標準化機関が、検討を進めている。

 研究会は、国内でも同様の検討、研究開発を行うべきだとコメント。標準化機関などで、将来的な重要通信確保システムを確立すべきとしている。これはまた、非常時の通信インフラの輻輳を、軽減することにもつながることになる。

やはりIP電話がカギか

 こうしたIPネットワークでの緊急通報を考えたとき、注目が集まるのはやはり、IP電話のようだ。もっとも現状では、IP電話から110番通報を行うことはできない。その理由としては、固定電話が備える緊急通信機能である「発信者の位置を特定する機能」や「再呼び出し機能」などを実現できていない点などが挙げられる(解説記事その1その2)。

 研究会は、電気通信事業者、および通信総合研究所などの研究機関によって、一層の研究開発が期待されるとコメント。また、緊急通報の受理機関がIPネットワーク経由の緊急通報に適切に対応できるよう、電気通信事業者、受理機関の関係者が検討の場を設けるべきとしている。

 研究会はさらに、そもそも、重要通信を確保するために、電気通信事業者が遵守しなければならない事項を、国がルール化すべきであると指摘する。今後具体的な基準を定めるべきとしている。

 総務省は今後、同研究会が挙げた課題に取り組む予定。報告書の全文は、こちらに掲載されている。

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▼“IP電話で110番”実現には何が足りないか?

関連リンク
▼報告書(PDF)

[杉浦正武,ITmedia]



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