リビング+:ニュース 2003/07/19 01:34:00 更新

WIRELESS JAPAN 2003
ケータイで撮った写真はデジタルTVで見る〜ACCESS

iモード携帯電話などに採用されているブラウザ「NetFront」シリーズの開発元として知られるACCESSは、地上デジタル放送のTVを次のターゲットに定めた。カメラ付き携帯電話で撮影した画像をTVで閲覧・管理できるモジュールを開発。年内にも対応製品が店頭に並びそうだ。

 組み込みブラウザの開発元として知られるACCESSがネット家電に対するアプローチを強化している。ACCESSで研究開発を担当する鎌田富久副社長が「WIRELESS JAPAN 2003」で講演を行い、同社の考えるネット家電の方向性を語った。同時に、地上デジタル放送のTVやHDDレコーダーに搭載するメールアプリケーションや“ネット対応プリンタ”などを紹介している。

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ACCESSの鎌田富久副社長。理学博士

 鎌田氏によると、組み込みブラウザ「NetFront」シリーズが搭載された製品は計244種類に上るという。累計出荷台数は、2003年5月時点で9220万台と、「まもなく1億の大台に乗るところまできた」(同氏)。もちろん、牽引役はiモード携帯電話だ。

 一方、ネット家電と呼ばれる分野でもNetFrontは数多く採用されてきた。たとえば松下電器産業の「Broadnow」、ソニー「Airboard」など。しかし、「これまでに100製品ほど手伝ってきたが、(iモードのように)爆発的に売れたという商品はない」。

 iモードが成功した理由を分析してみると、逆にネット家電が普及しない要因が浮かび上がるという。同氏が挙げたiモードのメリットは大きく分けて2つ。パケット通信による常時接続ライクな通信と、オペレータ中心の市場環境だ。このうち、常時接続環境はブロードバンドの普及で整いつつあるが、携帯電話のキャリアのように、コンテンツ課金のフレームワークを構築し、新技術と新製品の投入時期を図り、市場全体を動かすような存在には欠ける。同氏は、「各事業者がアライアンスを組んで取り組むべき課題だ」と指摘している。

 ただし、悪い条件ばかりではない。DVD&HDDレコーダーのヒットが示すように、少なくとも「ネット家電のニーズは理解されてきた」(同氏)。さらに、IP電話が非PCユーザーをブロードバンドサービスに呼び込み、ネット家電が活躍する環境が出来上がりつつある。「2005年頃から本格的なユビキタス時代に入り、新たなネット家電製品が普及するだろう。今はまだ“準備段階”だ」。

デジタルTVやHDDレコーダーで写真を閲覧

 その準備段階において、ACCESSは家電をネットに参加させるための技術を多く提供している。もちろん、組み込み機器用のWebブラウザ「NetFront v3.0」が筆頭だが、ほかにも携帯電話や家電に使う赤外線プロトコルスタック「IrFront」などが挙げられるだろう。IrFrontが家電にも採用されれば、NTTドコモの「505i」シリーズに標準搭載されている赤外線ポートを使い、家電をネットワークに参加させることができる。

 例えば、電子レンジのレシピを携帯電話でダウンロード。赤外線経由で本体に転送する。電子レンジに大げさな仕組みを加えて“インターネット対応レンジ”に仕立て上げる必要もないわけだ。ネット家電としては過渡的なイメージだが、それだけに“現実的”ともいえるだろう。

 そして、同社が狙いを定めた次の市場は、地上デジタル放送のTVだ。データ放送用のBMLブラウザにくわえ、表現力に勝るHTMLブラウザを搭載する動きがあるのは周知の通り。ここに携帯電話と親和性の高いアプリケーションを追加することにより、NetFrontの採用を促そうとしている。

 同氏が紹介した「フォトメールマネージャ」は、その名の通り写真を添付したメールを管理するアプリケーションだ。カメラ付き携帯電話で撮影した画像を電子メールでTVに送信すると、「一般ユーザーが“お手紙”のイメージで直感的に扱える」。たまった画像は、アルバムに張り付けて管理できる。これもインタフェースはアルバムのイメージだ。

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「フォトメールマネージャ」のユーザーインタフェース。まさに“お手紙感覚”

 「フォトメールマネージャは、TVやHDDレコーダーに搭載される。既にいくつかのメーカーと交渉を進めており、年内にも対応製品が店頭に並ぶ見込みだ」。

プリンタをネット対応に?

 講演の最後に、鎌田氏はもう一つユニークなコンセプトを紹介した。それがネット対応のプリンタだ。

 これは、プリンタにTCP/IPプロトコルスタックやイーサネットポートを搭載し、ネットワークに直接つなぐための技術。通常のネットワークプリンタと異なるのは、ブラウザエンジンやWeb印刷用のアプリケーションを搭載する点だ。

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PCを起動せずにプリントが可能に(クリックで拡大)

 たとえば、外出先から携帯電話やPCで指示を出し、特定のホームページを印刷する。あるいは、スケジュール機能を使って出勤前にニュースサイトを印刷しておくこともできるという。

 「新聞はやはり紙で読みたいという要求もあるだろう。インターネット経由で印刷をリモート指示できれば、ニュース配信サービスなどの展開も期待できる」。

 ただし、Web上のニュースサイトの多くは広告モデルで運用されていることもあり、ビジネスモデルの構築にはまだまだ課題が多いという。「技術面でも、端末の認証やコンテンツIDの必要性といった問題がある。プリンタメーカーやニュース配信サービス事業者を含め、アライアンスを組んで検討する必要があるだろう」。

 1〜2年後の製品化を目指しているというネット対応プリンタ。PCを起動する必要もなく、朝になればニュースが印刷されている。そんな日常が、間もなくやってくるのかもしれない。

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サービスイメージ(クリックで拡大)

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▼ACCESS

[芹澤隆徳,ITmedia]



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