リビング+:ニュース 2003/07/25 17:55:00 更新


普及のカギを握る“Xbox Live”

マイクロソフトが、Xboxの日本市場戦略をテーマにしたカンファレンスを開催。日本/欧州地区でのXbox事業の総指揮をとるピーター・ムーア氏が、Xbox事業のこれまでの経緯と今後の事業方針について語った。

 マイクロソフトは7月24日、Xboxの日本市場戦略をテーマにした販売店/パートナー企業/マスコミ向けのカンファレンスを都内で開催。Microsoftホームエンターテイメントディビジョンコーポレートバイスプレジデントのピーター・ムーア氏が、Xbox事業のこれまでの経緯と今後の事業方針について語った。


Xbox事業のこれまでの経緯と今後の事業方針について語るMicrosoftホームエンターテイメントディビジョンコーポレートバイスプレジデントのピーター・ムーア氏

 昨年2月に国内デビューを飾ったMicrosoftの家庭用ゲーム機「Xbox」。ご当地・米国では順調な滑り出しを見せたこの次世代ゲーム機だが、ゲーム先進国の日本では出足の不調振りが取り沙汰されることが多い。だがムーア氏は、全世界でのXbox出荷台数は今年6月までに累計940万台に及んでいるとし、Xbox普及が順調に進んでいることをアピールする。

 「地域別では北米が620万台とダントツで、次に欧州市場の220万台が続く。一方、アジア・パシフィック市場は100万台で、そのうち日本は45万台強。注目したいのは、ハード1台に対してソフトウェアを何本所有しているかというアタッチレート。その数値は、ワールドワイドで5本/台、北米市場では5.4本/台と、デビューしたてのゲーム機としては異例と言える高水準で推移している。ゲーム業界で健全なビジネスモデルを構築する上で、アタッチレートは非常に重要。その意味で、Xboxは順調に推移していると言える」(ムーア氏)

 ビジネスの原動力となるゲームソフトも、全世界で現在までに250ものXbox用タイトルがリリースされ、今年末までにはさらに150以上の新作が発売される予定。これらソフトウェアの後押しを受けて、同社のハード(コンソール)出荷目標も2004年6月末までに累計1450万〜1600万台と、かなり強気だ。


衝突するとクルマがボコボコになっていくというリアルさが売りの「PROJECT GOTHAM RACING 2」。デモンストレーションとともに最新開発状況が紹介され、「横浜・みなとみらい地区」が新たな走行コースとして追加されたことが発表された

 もっとも、いくらタイトル数が多くても“くそゲー”ばかりではしょうがない。良質なゲームタイトルをリリースすることで市場のけん引役となるべきファーストパーティとしては、マイクロソフトゲームスタジオからすでに16タイトルが発売。クオリティの高いゲーム制作で世界的にも評価の高い国内サードパーティからも、合計81タイトルのXbox用ゲームがリリースされるなど、日本国内でもその地盤を徐々に固めつつある。

MSの「強気」を下支えする“Xbox Live”の進化

 ムーア氏をして「将来の普及のカギを握っている」と言わしめるのが、米国で昨年11月から始まったオンラインサービス「Xbox Live」だ。日本では今年1月からサービスがスタートしている。

 「世界最大のブロードバンドコンテンツサービスを目指したXbox Liveは、スタートから8カ月で50万人以上のユーザーを獲得。Xbox Live対応のゲームタイトルも、来年6月までに100以上になる予定。グローバルで社交的なこのサービスでは“Xbox Liveコミュニティ”が形成され、オンラインだけでなくオフラインでもユーザー同士の交流が盛んに行われている」(ムーア氏)


Xbox Live用の本格MMORPGとして期待を集めている「トゥルーファンタジー ライブオンライン」の最新開発状況も紹介された。Xbox Liveのセールスポイントであるボイスチャットに標準で対応しており、音声会話によるユーザー同士の自然なコミュニケーションが、RPGの新たな世界を予感させる

 今年5月に開催されたコンピュータゲーム関連のトレードショウ「E3(Electronic Entertainment Expo)」で、Xbox Liveの新機能が発表された。最大の“売り”は、ゲームプレイの前後にXbox Liveユーザー同士が待ち合わせやボイスチャットが行えるポータルスペース「Xbox Live Now」だ。

 「Xbox Live Nowでは、ウェルカムメッセージやお知らせを受け取れるほか、友達を招待したり、逆に招待されることもある。最大16人まで同時に音声会話が可能。このポータルで作戦を立ててゲームに移行したり、プレイ後にゲーム談義に花を咲かせるといった楽しみ方ができるので“Xbox Liveコミュニティ”の促進にも役立つ」(ムーア氏)


ゲームプレイの前後にXbox Liveユーザー同士が待ち合わせやボイスチャットが行えるポータルスペース「Xbox Live Now」

 そのほか、MSNメッセンジャーサービスと連動可能な「Xbox Live Alerts」、オフィシャルウェブサイト「Xbox Live Web」、オフライン/単独プレイ中でもXbox Liveにログオンできる「Xbox Live Aware Games」など、E3で発表したXbox Liveの新機能が、日本向けにローカライズされて今秋から順次登場するという。

 また、マイクロソフトは本日(7月24日)付けで、日本におけるXbox Liveの新しい価格体系を発表。Xbox Live基本サービスの2年目以降の更新費用を、4980円/年(680円/月)とした。更新手続きはXboxダッシュボードからオンラインで行えるほか、4980円の年間契約サブスクリプションは店頭でも購入可能な単体商品となる。

 また、Xboxボイスコミュニケータ(ボイスチャット用ヘッドセット)も3500円で単体発売される予定。年間基本サービス利用料/ボイスコミュニケータ/Xbox Live対応ゲームをセットにしたスタータキットの価格は従来通り(6800円)だが、同梱されるゲームが新しくなる。これら製品は、今秋以降に順次発売される。また、Xbox Live対応ソフトに2カ月間の無料利用権カードを同梱するお試しキャンペーンも今秋から実施される。

 このように日本市場でのXbox Liveサービスは、北米よりも戦略的な価格体系となる。その大きな目的は“新規ユーザーの獲得”だ。

 「2005年度のXbox Liveサービス契約者数の目標は、何十万ではなく何百万という単位で考えている。そしてそのユーザー資産は、いずれ登場するXbox次世代機に受け継がれる」(ムーア氏)

 次世代Xboxについては、先日も日本の新聞が「次世代Xboxは2006年に登場する」と報じて(6月20日の記事参照)、それをすぐに撤回するなど、各方面でさまざまな憶測が流れている。

 「次世代Xboxの詳細や発売時期などは、現時点で明らかにできる段階ではないが、次世代機の市場では競合他社には絶対負けたくない。将来のその市場では、Microsoftは“主要なプレーヤー”ではなく“リーダー”になることを目指している」(ムーア氏)

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▼マイクロソフトXbox

[西坂真人,ITmedia]



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