リビング+:特集 2003/07/31 22:37:00 更新


光で映画館をつくる〜有線ブロード

「ひかり座」は、有線ブロードネットワークスが開設した動画配信サイト。その視聴データから、FTTHユーザー“ならでは”のユニークな傾向が伺える。

 有線ブロードネットワークスが開設した「ひかり座」は、FTTHサービス「BROAD-GATE 01」ユーザー専用の動画配信サイトだ。79本(当初)もの映画やビデオコンテンツが無料で視聴できる、いわば会員専用のプレミアサービス。コンテンツのプロデュースを担当したショウタイムの松本タケシ氏に、ひかり座オープンの経緯と現状を聞いた。

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ショウタイムの松本タケシ氏。肩書きは“軍師”

 松本氏が所属するショウタイムは、有線ブロードネットワークスや楽天などが出資して2001年12月に設立されたコンテンツ専門会社。GATE 01が有線ブロードのFTTHユーザー向けであったのに対し、ショウタイムは他社回線ユーザーでも利用できるオープンなサイトを運営している。ただ、ショウタイムも有線ブロード社内におかれ、コンテンツを一括調達する体制だ。

 松本氏によると、「ひかり座」開設にはショウタイムの強化が大きく関わっていたという。「今年4月にGATE 01のコンテンツサービスを9割方ショウタイムに移行させた。しかし、それだけではGATE 01ユーザーに対するプレミアサービスがなくなってしまう。そこで、毎月3本ずつ、高ビットレートの映像コンテンツを無料で提供し始めた」(松本氏)。 

 それがユーザーの間で評判になると、「もっと本数を増やしてほしい」という要望が多く寄せられるようになる。それに応え、映画など79本をまとめる形で作られたのが「ひかり座」だ。

 内容は邦画や「Vシネマ」がメインで、ビットレートはWindows Mediaの2Mbpsもしくは4Mbps。ユーザーは「アクション」「ホラー・サスペンス」「セクシー」などにジャンル分けされたコンテンツを任意に選択、無料で視聴できる。

8割以上が4Mbpsを選択

 一方、GATE 01ユーザーには、ショウタイムの月額料金である280円が無料という特典がある。しかし意外なことに、FTTHユーザーの入会する割合は低いのだという。「ショウタイムはコンテンツ視聴を目当てに入会してくる人が多いが、GATE 01ユーザーはまず光サービスで契約するため」。“オープン”が前提のショウタイムでは、配信時のビットレートを一律500Kbsに設定しており、高速なアクセス回線を目的に入会したGATE 01ユーザーの興味を引きにくいのは事実かもしれない。そしてこの傾向を裏付けるのが、ひかり座の視聴データだ。

 「コンテンツの選択メニューは上から下へジャンル別に並んでいるが、アクセス数が多いのは、明らかにメニューの上のほう。そして選択するビットレートは8割が4Mbpsだ」。

 つまり、お目当ての映画を見るためにサイトを訪れるというより、光を引いた後で大容量コンテンツを“試してみたい”というユーザーの姿が伺える。制作サイドは苦笑いしたい心境だろうが、動機はともあれ、ユーザーの興味を引くことには成功したようだ。事実、ひかり座のオープンにより、GATE 01のアクセス数は「一週間で約3倍」に跳ね上がったという。

 「コンテンツの視聴数も伸びている。まだオープンから1カ月に満たないが、このペースでいけば月間20万程度の視聴数になりそうだ」(松本氏)。

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▼ショウタイム
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[芹澤隆徳,ITmedia]



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