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2003/09/03 22:13:00 更新 |
デジタル家電フォーラム2003
通信カーナビがもたらすメリット 〜好評なのは?
カーナビゲーションも、いまやネットワークにつながる時代だ。そのメリットはさまざまだが、ユーザーの支持する声が大きいのは、どのようなサービスだろうか。
カーナビゲーションも、いまやネットワークにつながる時代だ。パイオニアでは、「Air Navi」を始めとする通信カーナビ製品に力を入れている。
デジタル家電フォーラム2003に登場した、同社モーバイルエンタテインメントカンパニーの事業企画部、三好忠広氏は、サービスの概要を説明。あわせて、ユーザーの反応を紹介した。
専用サーバと通信を行う「Air Navi」(写真は、6.5型ワイドTV付通信カーナビセット「AVIC-T1」)
ネットワーク経由でやってくるメリット
Air Naviは、auのCDMA2000 1x通信モジュールを内蔵したクライアント/サーバ型カーナビゲーション。通信に適した新地図フォーマット「iフォーマット」(記事参照)を採用し、必要に応じて地図情報などを取得する。
メリットとしては、まず、地図のバージョンアップが自動反映されること。通常のカーナビユーザーは、ディスクを買い換えるなどして地図情報の変更に対応する。しかし、通信カーナビならこの必要はなくなる。
また、リアルタイムな情報を取得可能な点も大きい。ニュースや天気予報をチェックできるほか、渋滞情報なども、最新の状況を確認可能だ。
周辺にある“トレンドスポット”も閲覧できる。コンテンツは随時更新されるため、旬の情報を検索可能。クーポンサービスなども考えられるわけだ。
ほかにも、カーナビ端末からメールを送受信したり、コミュニティサイトにアクセスしたりと、さまざまな活用が可能となっている。
ユーザーに好評なのは?
三好氏は、Air Naviユーザーのうち、94%が男性を占めると話す。特に、20代、30代のユーザーが多く、都道府県別に見ると首都圏の利用が多いという。
サーバへのアクセスが多いのは、やはり土日。11時から19時にかけて通信が行われ、夜間や朝方にはネットワークのトラフィックは少ない。製品の特徴から、想像がつくとはいえ、ほかのネットサービスとは異なる傾向となっている。
通信カーナビのメリットの中で、もっとも支持されたのは、“地図の更新”だという。「これは、これまでのカーナビ使用経験に関わらず、購入者全員の理由となっている」(同)。中には、「長い付き合いができそう」などと、一般的なカーナビとは異なる親近感を示す声も寄せられたようす。
ほかに、ポイントが高かったのは、ハードウェアを車から着脱できる点。カーナビだけ取り外して、宅内でカーナビ情報を閲覧できるわけだが、この評価が高かった。もちろん、ほかの車に搭載できる点も魅力のようだという。
また、最近では高価なカーナビを搭載していると「カーナビ荒らし」に遭う可能性もある。その意味で、着脱できることは防犯の意味合いもある……との指摘も、あったとのこと。
一方、改良の余地があると見られるのは、通信を利用してのコンテンツ配信サービス。エンターテインメントを、どう取り込むかが悩みどころだという。三好氏はまた、「通信コストの問題もある」と、コメント。今後の技術革新に期待を寄せていた。
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[杉浦正武,ITmedia]