リビング+:ニュース 2003/09/03 23:59:00 更新


新型コクーン「CSV-EX11」を見てきました

最大500Gバイトの大容量HDDに目を奪われがちだが、新しいコクーン“チャンネルサーバー”には、他にも注目の追加機能がある。ネットワーク経由でVAIOとつながることで、録画した番組をDVDメディアへ書き出せるほか、スカパー!チューナーと連携して地上波とスカパー!の同時録画も可能。「おまかせ・まる録2」がマルチユーザーに対応し、ファミリーユースにも適した製品となった

 9月2日に発表された新型<コクーン>“チャンネルサーバー”。最大500Gバイトの大容量HDDに目を奪われがちだが、地上波とスカパー!の同時録画やDVDメディアへの書き出しなど、注目の機能アップがいくつか用意されている。また、自動録画機能「おまかせ・まる録2」がマルチユーザーに対応したことで、ファミリーユースにも適した製品といえるだろう。ソニーの大崎西テクノロジーセンターを訪ね、新型コクーンを見せてもらった。

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サイズは2機種とも430(幅)×360(奥行き)×79(高さ)ミリ。重さはCSV-EX11が約7.2キロ、CSV-EX9が約6.6キロ

 新製品のラインアップは、500GバイトのHDDを搭載する「CSV-EX11」と250Gバイトの「CSV-EX9」の2機種だ。基本的には同じ製品であり、その違いは、搭載しているHDDの台数と一部のソフトウェアのみ。EX11は、VAIOシリーズとの連携によるDVDメディアへの書き出しを標準サポートしている。ただし、ソニーによると、発売後にHDD増設サービスや有償のソフトウェアアップグレードを予定しており、EX9をEX11相当にすることもできるという。

 外観は、従来モデルのイメージを踏襲しながら“クリアパールホワイト”カラーを採用。また、メモリースティックスロットの搭載、ボタンにタッチするとボタン名が白く浮かび上がる「タッチ&ライトON」など、いくつかの変更点がある。

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メモリースティックスロットの搭載により、デジカメ画像をTVに表示できるようになった。1000枚まではHDD内に保存しておくこともできる

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左は従来機種「CSV-E77」のリモコン、右が「CSV-EX11」のもの。音量やチャンネルといった頻繁に使用するボタンを大きくするなど、ユーザーの意見をもとにデザインを変更したという

マルチユーザー対応の「おまかせ・まる録2」

 チャンネルサーバーの特徴である「おまかせ・まる録2」は、事前に登録したキーワードやジャンルに沿って番組を自動的に選別・録画する機能だ。新製品では、これが最大3人まで独立した設定を行える“マルチユーザー対応”になった。録画番組を選択するための学習機能「おすすめアルゴリズム」もユーザーごとに異なる設定を持ち、また従来より効率的に利用者の志向を判断できるように進化している。

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最大3人分のおまかせ録画を設定できる

 たとえば、番組視聴後に「今回のおすすめ番組はお楽しみいただけましたか?」と問いかけるのは従来と同じだが、ユーザー側の返答に「はい」「いいえ」のほか、「どちらでもない」が加わった。中間的な回答を加えることにより、パラメータの設定が以前よりも細かくなったわけだ。また、番組の再生を途中でやめたり、視聴せずに削除された番組なども常時チェックしており、次のおすすめ番組を決める材料にするという。

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「どちらでもない」が加わった。ちなみに、「いいえ」と答えると「失礼しました。次はがんばります。」というメッセージとともに、ちょっと悲しそうな効果音が鳴る

 「どんどん賢くなるのが普通のハードディスクレコーダーと違うところ。しかも、よく使う人ほど好みに近くなる」(ソニー)。

 たとえば“野球”という同じキーワードを設定していても、試合が好きな父親ならナイター中継が集まり、野球選手がお目当ての娘の場合は、選手の出演番組を多く録画するようになるといった具合だ。

スカパー!録画も強化

 従来モデルのCSV-E77は、2つの地上波チューナーと2つのMPEG-2エンコーダが最大の特長だった。新製品ではさらに、ゴーストリダクションチューナー×2となり、デジタル3次元Y/C分離回路や3次元DNRも搭載するなど高画質化を図っている。

 そして、“スカパー!コクーン”こと「CSV-P500」と同様、スカパー!チューナーとの連携が可能になった。背面に外部チューナーをコントロールできる「高速データポート」を装備し、「ハードディスクレコーダーとしては初めて、地上波とスカパー!の番組を同時に録画できるようになった」(ソニー)。

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D1端子の上がスカパー!チューナーと接続する「高速データポート」

 対応チューナーは、ソニー、東芝、松下、アイワなどの19機種。スカパー!の電子番組表を表示して録画予約を行えるほか、「シリーズ予約」機能でドラマなどを重複せずに全話録画してくれるのもP500と同じだ。「P500の場合は、たとえば“サッカー”“パルマ”など別のキーワードによって同じ番組を重複録画してしまうケースもあった。新製品では、これも解消している」。

 P500から採用された野球放送の延長対応機能も備え、野球中継の後に放送される番組の録画時間も自動的に延長する。ただし、今回は地上波のみの対応だ。

ネットワークでVAIOとつながる

 DVDメディアへの書き出しには、VAIOの専用ソフトウェア「Click to DVD ver.1.4」を使う。Click to DVDは、DVDビデオを簡単に作成するためのソフト。「バイオノートGR」「バイオノートFR」の一部機種、「バイオW」「バイオRZ」「バイオHS」でプリインストールしているほか、外付けドライブの「PCVA-DRW3」「PCGA-DDRW1 」などにもバンドルされている。いずれもver.1.4へのアップグレードは無料だ(アップグレードの時期は未定。詳しくはこちらを参照してほしい)。

 Click to DVD ver.1.4の仕様が未確定のため画面写真は掲載できないが、イーサネットケーブルや無線LANでコクーンとVAIOを接続すると、Click to DVDのメニューにある“ビデオサーバ一覧”にコクーンが現れるというイメージだ。コクーンのアイコンをダブルクリックすれば、録画した番組の一覧が表示され、ここでMPEG2-TSのファイルをダウンロードできる。あとは、ソフトの上で通常のビデオ素材として扱える。

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無線LANは、VAIO周辺機器の「ワイヤレスLANコンバーター」を利用する(写真はIEEE 802.11g対応のPCWA-DE30)。TVの周辺はタコ足配線になりがちだが、コクーンのイーサネットポートはソニー独自のPoE(Power over Ethernet」をサポートしたため、ケーブル一本で接続できる

 ただ、普段HQ(高画質)モードを使って録画している人は少し注意が必要だ。コクーンのHQモードは最大12MbpsのVBR(可変ビットレート)のため、DVDに焼く場合は再エンコードが必要になる。

 「DVD化を前提に録画する場合は、コクーンのセットアップメニューから“DVDダイレクトモード”を選択する。ダイレクトモードでは、最大9MbpsのVBR録画となり、再エンコードの必要なくDVDに記録できる」(同社)。

 なお、VAIOとの連携機能を標準装備するのはCSV-EX11だけだが、CSV-EX9、および従来モデルのCSV-E77もソフトウェアアップデートが可能になる。料金は未定ながら、年内にはコクーン専用ネットワークサービス「カモン!マイキャスター」で対応機能のソフトダウンロードサービスを提供する予定だ。

 CSV-EX11/EX9の発売は11月。価格はオープンプライスだが、店頭ではEX11が16万円前後、EX9は11万円前後の値札が付く見込みだ。

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▼スカパー対応のコクーン「CSV-P500」、登場

関連リンク
▼プレスリリース(ソニー)
▼CoCoon Style+
▼コクーンホームページ
▼<コクーン>チャンネルサーバー対応機能 について

[芹澤隆徳,ITmedia]



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