リビング+:ニュース 2003/09/04 21:04:00 更新

デジタル家電フォーラム2003
双方向TVで何をしよう? 〜英国の場合

テレビの双方向サービスはどう活用すべきなのか? 極めてシンプルな質問とはいえ、地上デジタル放送の開始を控えた今、この問いはますます重要性を増している。

 “通信と放送の融合”が言われて久しいが、テレビの双方向サービスはどう活用すべきなのか?

 極めてシンプルな質問とはいえ、地上デジタル放送の開始を控えた今、この問いはますます重要性を増している。電通関西支社のインタラクティブ・コミュニケーション室、デジタル業務推進部長の三浦文夫氏は、「デジタル家電フォーラム2003」で、英国での状況を紹介した。

キラーコンテンツは「賭け」?

 英国で、デジタル放送が開始されたのは1998年のこと。2002年12月の時点で、既に世帯普及数が1000万世帯に及ぶという、デジタルTV先進国だ。特に、衛星デジタル放送の「Sky Digital」加入者は600万世帯を数える。

 ユーザーがデジタル化のメリットとして実感するのは、「多チャンネル」に尽きるようす。デジタル化による画質の向上もメリットだが、特に多チャンネルの支持率が高いようだ。

 とはいえ、もちろん双方向サービスも展開されている。その内容は、メール送受信サービス、ゲーム、eコマース、オンライン予約、地域情報など。

 三浦氏は、中でも人気があるコンテンツは「賭け」だと指摘する。「現在、事業者にとって大きな収益源になりつつある」(同氏)。日本では実現が難しいだろうが、さすがは何事にも賭けを好む英国人、といったところか。

 番組でも、双方向機能が生かされている。有名な例でいうと、出演者の中で誰が“脱落”するかを視聴者の投票で決定する、「BIG BROTHER」がある。

 同番組は、一般から選ばれた複数の男女が、共同生活をするようすを放送するもの。視聴者、および参加している男女の人気投票によって脱落者が決定され、最後まで残った人間が賞金を手にする――という構成だ。

 ほかに、VoD(ビデオ・オン・デマンド)サービスもある。「関心を集めなかったが、利用してみるとユーザーの満足度は高かった」と、三浦氏。人気があったのは、BBCの報道番組、あるいはドキュメンタリー番組などだったという。もっとも、VoDサービスが事業として成立するかどうかは、依然として微妙な情勢のようだ。

双方向CMに期待?

 電通の三浦氏が注目するのは、やはり双方向性を生かしたCMのようだ。たとえば、化粧品のCMで画面に終始ボタンが示されており、これをクリックするとカタログ請求、試供品申し込みなどを行える、といった広告を提供できる。

 英国の実例では、これを視聴したユーザーの2〜3%が応募してきたという。従来型の広告では、応募してくる人間は0.2〜0.3%だったというから、実に10倍の効果が出たことになる。これは、広告代理店としては気になる成果だろう。

 いずれにせよ、テレビの双方向化は、メディアとそれをとりまく広告環境に、変化をもたらすと予想される。三浦氏は、双方向テレビの登場で「広告・販促・販売」の一連の流れが、シームレスになると話した。

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[杉浦正武,ITmedia]



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