リビング+:コラム 2003/09/05 01:34:00 更新


ADSLの伸びは止まるか? 契約“解除数”から読む

ここにきて、増加ペースの失速が否めないADSL。今後、加入者数はどのように推移するのだろうか? いつもとは視点を変えて、契約解除数を見てみたい。

 昨年1年間で、大きく加入者数を伸ばしたADSL。だがここにきて、ペースが失速している感は否めない。今後、加入者数はどのように推移するのだろうか?

 総務省の報道発表によれば、7月の月間増加数は、約28万回線(記事参照)。一時は、単月の増加数が40万回線を超えていたことを考えると、確実に普及の勢いが弱まっているようだ。

 ところで、総務省が公開している数字は、トータルの普及状況だけではない。月ごとに、累積開通数と契約解除数も発表しているのだ。ちなみに「累積開通数」−「契約解除数」=「単月増加数」になることは、言うまでもない。

 それでは、この2つのデータはどのように推移してきたのだろうか? いつもとは違った視点から、増加数を眺めてみたい(数字はいずれも概数)。

1月2月3月4月5月6月7月
累積開通数66.6万66.5万65.7万70.8万64.2万52.2万51.2万
契約解除数19.2万19.5万22.4万25.3万21.3万17.2万22.7万
増加数47.4万47.0万43.3万45.5万42.9万35.0万28.4万

 これを見ると、開通数が減少し、解除数が増加するという、「ダブルパンチ」によってADSLの伸びが鈍っていることが分かる。特に7月は、開通数が今年に入って最低を示し、かつ解除数も今年2番目の高さを示した。

 特に気にかかるのは、解除数の多さ。4月に解除したユーザーが多いのは、引越しに伴う一時的なものである可能性もある。現に、4月の開通数はほかの月に比べて高い。しかし、7月に契約を解除したユーザーは、“ADSLに見切りをつけた”と考えた方が自然かもしれない。

 ADSLの背後では、累計50万加入を達成したFTTHが勢いを増しつつある。ADSLを解除したユーザーが、FTTHに流れるという図式ができているのかどうか。いずれにせよ、もうじき発表される8月の普及状況に、注目したい。

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関連リンク
▼総務省の情報通信行政

[杉浦正武,ITmedia]



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