リビング+:ニュース 2003/09/05 15:59:00 更新


IP電話の相互接続 〜やはり「ISP間は有料」が落としどころ?

NTTコミュニケーションズが、各陣営とIP電話の相互接続交渉を進めていることが明らかになった。ただし、“無料通話”ではなく“3分8円”での接続となりそうだ。

 NTTコミュニケーションズは9月5日、IP電話サービスでほかの事業者と相互接続交渉を進めていると明らかにした。それによると、現在フージョン・コミュニケーションズやぷららネットワークスと、3分8円程度での接続を目指しているという。やはり、「異なるISP間でも、IP電話は完全無料」を実現することは難しいのだろうか。

5月28日掲載「保存版・キャリア相互接続『相関図』」より抜粋

 まずは、現状を整理しよう。今回、NTTコミュニケーションズが交渉に入っていることが明らかになったのは、ぷららネットワークス、NTT-ME、KDDI、ODN、パワードコム、フュージョン・コミュニケーションズの6社。

 このうち、「かなり交渉が進んでおり、年内に接続実現を向けて話し合いを進めている」(NTTコミュニケーションズ広報)とされたのは、フュージョンと、ぷららの2事業者だ。残る4事業者は、依然交渉を進めている段階という。

 ポイントになるのは、NTTコミュニケーションズとフュージョン、ぷららとの交渉が、「3分8円程度の通話料」で接続する方向であることだ。

 ユーザーメリットを考えれば、IP電話同士の相互接続は無料で行われるべきだし、現にKDDIとODN、パワードコムが相互接続した際は、異なるISP間での無料通話を実現している。

 しかし、今回NTTコミュニケーションズは「IP網」―「固定電話網」―「IP網」での接続を提案した。つまり、基幹網同士をダイレクトに接続するのではなく、いったん間に一般の加入者電話網(PSTN)をはさむ方式だ。この方式では、当然ながらNTT東西地域会社に接続料(アクセスチャージ)を支払う必要が出てくる。3分8円と設定したのも、このためだ。

 なぜ、基幹網の直接接続ができないのか? 理由をひとことでいうと、“手間がかかるから”。現状、各社のサービスはSIPプロトコルによって提供されている。しかし、このSIPの規格は、各社によってそれぞれ微妙に異なっている(記事参照)。

 このため、相互接続にあたり各社の規格をすり合わせる必要がある。各社が採用する端末に関しても、個別に相互接続性を検証する必要があり、これらを考えると作業量は膨大になってしまう。それなら、加入者網を介在して「違いを吸収」したほうがいいだろう――という判断のようだ。

 とはいえ、ユーザーとしては無料通話のほうがありがたいことはいうまでもない。各陣営が大連合し、全てのISP間通話が無料化される、という想像は夢に終わるのか? NTTコミュニケーションズは、「いずれ、正式に発表したい」と話している。

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[杉浦正武,ITmedia]



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