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2003/09/10 23:50:00 更新 |
ドコモAOL、「専用ソフト戦略」を修正
独自のクライアントソフトを配布し、ユーザーをクローズドなコミュニティへと導くドコモAOL。しかし、この戦略を修正する時がきたようだ。
ドコモAOLは9月10日、報道向けに今後の事業戦略を説明した。独自のクライアントソフトウェアを重視する戦略を修正し、新たにWebベースのオープンなサービスを展開することなどが明かされた。
ドコモAOLの山川隆社長
同社は従来、独自クライアントを配布し、ユーザーをクローズドな環境に導いて、コミュニティ性の高いサービスを提供してきた。専用のAOLクライアントから同社サービスに接続し、動画コンテンツの視聴には「AOL Media Player」を利用。友人との会話には「AIM」(AOL Instant Messenger)を用いる……といった具合だ(記事参照)。
しかし、専用クライアントのユーザビリティには不満の声も上がっていたようだ。「メーラーは、『これがいい』と非常に気にいってもらえるユーザーもいれば、『使いづらい』と、はっきり言うユーザーもいた」(ドコモAOLの山川隆社長)。
今年5月には、新機能を盛り込んだメール・AIM統合ソフト「AOL Communicator」を発表したが(記事参照)、このインタフェースは、「ネットユーザーがなじんだインタフェース」(同氏)を採用した。ひらたく言えば、Outlook Expressに似たインタフェースを採用したわけだ。
これに加えて、今後はAOLクライアントに依存しない、Webベースサービスを導入することも発表した。前述のAOL Communicator、および「JP.AOL.COM」のサイトからアクセスできる、会員専用のHTMLコンテンツを用意するという。
ユーザーは、ドコモAOLのスクリーンネームを入力して認証を行い、サイトにログインする。Blogサービスなどを導入し、新たなコミュニティを展開する予定という。
ブロードバンド環境にはWebサービス?
Webサービスの導入について、山川氏は「激変する日本市場に合わせた」と説明する。
「日本のブロードバンドインターネット環境は、速度、質、価格面で世界一。こうした状況では、Webベースのサービスの方が良い」(同)。複数PCからサービスを利用できるというメリットがあるほか、“会社のPCにはクライアントをインストールできない”といった不都合への対応にもなるという。
同氏はまた、「AOLのサービスの根本は変わらない」と強調する。
同社のウイルスチェックサービスは無料であることや、1メールボックス当たりの保存容量は最大16Gバイトと膨大であることなど、差別化ポイントをアピール。「第4四半期には30Mbps超のADSLサービスが登場するだろうが、これにはいち早く対応する」など、高速サービスにも力を入れる方針と話した。
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[杉浦正武,ITmedia]