リビング+:ニュース |
2003/09/12 23:58:00 更新 |
モバイルIP電話を便利にする“総合インターネット・アダプター”、NTT-BPなど3社が開発へ
自宅にかかってきた電話が、外出先のPCやPDAに転送される。モバイルIP電話の新しい利用法を、NTT-BP、M2X、米VLIの3社が提案した。
エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォーム(NTT-BP)、エムトゥエックス(M2X)、および米VLIの3社は9月12日、VoIP分野で提携すると発表した。 モバイルIP電話の用途を広げる宅内ゲートウェイ「M2X Gphone Gateway」を共同開発し、実証実験などを通じて実用化の検討を進める。
NTT-BPは、今春からM2XのIP電話ソフト「M2X Gphone」を使ったモバイルIP電話の実験サービスを実施している(5月の記事を参照)。これは、M2X Gphoneを導入したPDAやノートPCでNTT-BPのホットスポットサービス「無線LAN倶楽部」のアクセスポイントからIP電話や加入者電話と通話できるというもの。VoIPバックボーンと公衆網への接続はNTT-MEが担当している。
モバイルIP電話の利用イメージ図。現在の実験サービスは経路(ア)(イ)にあたる(クリックで拡大)
今回の提携により、M2XとVLIはGphoneのソフトを内蔵した宅内ゲートウェイ「M2X Gphone Gateway」のプロトタイプを開発する。Gphone Gatewayは、ブロードバンドルータ、無線LANアクセスポイント、VoIPアダプタを統合し、さらにIP電話の転送機能も付加した「世界でも初めてのハードウェア」(VLI)。ADSLなどの常時接続環境を利用し、自宅にかかってきた電話をVoIP端末に転送したり、PDAを電話の子機に利用することが可能になるという。
たとえば、不在時に電話着信があったとき、Gphone GatewayがVoIP機能を使って転送し、インターネットと公衆電話網を介してユーザーの携帯電話などに着信させる(経路ウ)。つまり、自宅にかかってきた電話を外出先や出張先で受けることができるわけだ。もちろん、Gphone Gatewayの無線LANが届く範囲や、無線LAN倶楽部のホットスポットに端末(PDAやノートPC)があった場合も転送可能という。
インターネット上で端末を特定する仕組みは、Gphoneの端末に割り当てられたユニークな番号とBuddyサーバの機能を持つ「M2X Gateway Server」(画面右上)。IPではなくIDベースでクライアントを管理するため、端末がNAT環境下(プライベートIPアドレス)にある場合でも発着信できるのがメリットだ。
なおNTT-BPでは、9月17日〜20に幕張メッセで開催される「WPC EXPO 2003」のNTT東日本ブース(小間番号4410)にGphone Gatewayの試作機を出展し、一部機能のデモンストレーションを行う予定だ。
関連記事
「無線LAN倶楽部」が相鉄・西武沿線でも利用可能に
モバイルIP電話の可能性を探る
無線LAN倶楽部も「モバイルVoIP」トライアル
関連リンク
ニュースリリース(NTT-BP)
エムトゥエックス
VL Inc.
[芹澤隆徳,ITmedia]