特集:何が違う? 1クラス上のブロードバンドルータ
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- | ストレート | PPTP IPSEC128bit | PPTP IPSEC40 | PPTP 暗号なし |
WebCaster 7000 | 64.6 | 8.6 | 8.5 | 13.3 |
NetVolante RT57i | 66.5 | 2.7 | - | 4.3 |
BroadRunner BLV-04D | 30.6 | - | - | - |
ステートフルパケットインスペクションが有効な状態でも、WebCaster 7000およびRT57iは60Mbpsを超える実効速度を叩き出している。BLV-04Dは実効スループットで30.6Mbps。ステートフルパケットインスペクションをオフにすることで速度は大きく回復するが、それならば、より低価格な機種でもかまわないという話になる。
また、ファームウェアの完成度面では不安な面を見せたWebCaster 7000だが、強力なプロセッサパワーを利して、VPNサーバとして動作させた際の速度ではRT57iを圧倒している。WebCaster 7000は暗号化処理を行った場合の速度の落ち込みが少なく、暗号化を行った場合でも8.6Mbpsのスループットが得られた。暗号化を行わない場合の速度は13.3Mbpsで、RT57iのそれぞれ2.7Mbps、4.3Mbpsと比較すると目立って速い。インターネットから自宅に高速回線で接続し、大きなデータのやり取りもストレスなくこなしたいなら、WebCaster 7000の速度は魅力だ。
もっとも、RT57iの上り回線3Mbps以上のというのも、決して悪い数字ではない。ホットスポット用に使われている回線の多くは数Mbpsの速度であり、10Mbps以上の高速VPN接続が行えたとしても、メリットを享受できるケースは少ないだろう。また、上り実効速度が10Mbps近い回線を持っているユーザーも割合的には少ないと考えられる。
ファームウェアの完成度や(手順は少々面倒ながら)設定の柔軟性から、総合力ではRT57iの方が勝る。ヤマハのサポート実績、VoIPの標準サポート、ISDN TAの統合などを考慮すれば、VPN接続時の速度面での不利を考慮しても魅力的な製品である。個人的に1台を選ぶならば、RT57iを真っ先に選択するだろう。
それでも速度を優先したいというならば、WebCaster 7000のファームウェアが熟成するのを待ってからの方が良いだろう。同じプラネックス開発のルータ「BA5000Pro」は、初期ファームウェアの完成度で不評を買ったが、その後のバージョンアップで安定性や機能が大きく改善された経緯がある。
今後、このクラスの製品はより低価格な製品にも実装されていくだろう。かつて、ステートフルパケットインスペクションのサポートが進んだ際、ベンダーごとに機能の品質や安定性に大きな差が表れ、その後、ファームウェアのアップデートと共に、問題は収斂していった。VPNサーバをはじめとする、新しい機能にも同じことがいえる。“ルータの善し悪しはソフトウェアとしての品質次第”という原則を忘れてはならない。
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