リビング+:ニュース 2003/09/24 22:31:00 更新


準ミリ波と衛星を組み合わせたブロードバンド、神戸製鋼所とJSATが実験開始

神戸製鋼所とJSATは、準ミリ波帯FWAと双方向衛星通信を組み合わせた新しいブロードバンドサービスシステムを開発。離島や山間部など、地理的な制約によって有線インフラを確保できない地方自治体への導入を狙う。

 神戸製鋼所とJSATは、準ミリ波帯FWA(Fixed Wireless Access)と双方向衛星通信を組み合わせた新しいブロードバンドサービスシステムを開発した。神戸製鋼所の「神戸総合技術研究所」で実験を開始しており、年度末までの予定で検証を進める。

 新システムは、離島や山間部など、地理的な制約によって有線インフラを確保できない地方自治体への導入を想定したものだ。次世代VSATを中継回線に使い、地上の衛星子局と加入者宅の間をFWAで結ぶため、中継回線とアクセス回線の両方がワイヤレスになる。通信インフラを迅速に構築できるほか、衛星回線を地域レベルでシェアすることでランニングコストを抑えられるのがメリットだ。

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ネットワーク概要。地域基地局には、衛星子局とFWA親局が同居する

 準ミリ波によるFWAは今後急速に需要が拡大すると見られており、現在の26GHz帯のほか、18GHz帯の追加も検討されている。このため神戸製鋼所では、「実験は当初26GHz帯で行うが、年度末までに18GHz帯の認可が下りれば、検証項目に追加する」としている。

 同社が開発したFWA無線基地局は最大8チャンネルを設けることが可能で、1チャンネルあたりの伝送速度は下り最大30Mbps/上り最大10Mbps。伝送距離は半径約3キロだ。降雨など天候の影響を抑える送信電力自動制御機構も実装済み。一方、JSATが手掛ける次世代VSATは、Kuバンド(上り14GHz帯、下り12GHz帯)を使用する。通信速度は最大30Mbps程度になる予定だ。

 試験フィールドでは、スループットなど基礎特性を検証した後、インターネット接続やIP電話、動画のマルチキャスト配信などアプリケーション実験を実施。また、加入者宅内を想定した無線LANシステムとの相互接続試験や、一般ユーザーを交えたフィールド実験を行う計画もあるという。

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▼JSAT

[芹澤隆徳,ITmedia]



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