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2003/09/25 17:23:00 更新 |
スカイリー、P2P無線でVoIPを可能に
スカイリー・ネットワークスは、P2Pミドルウェア「DECENTRA」をバージョンアップし、音声通話をサポートしたと発表した。バケツリレー方式で、VoIPパケットを8〜10ホップ先まで伝送できる。
スカイリー・ネットワークスは、P2Pミドルウェア「DECENTRA」をバージョンアップし、音声通話をサポートしたと発表した。バケツリレー方式で、VoIPパケットを8〜10ホップ先まで伝送できる。
新しくなったDECENTRA Ver2.2では、音声通話やストリーミングなどのリアルタイム通信に対応。無線LANで8ホップ先と通話した場合に、遅延時間を70ミリ秒程度まで抑えている。なお、音声のエンコード、デコードには、別途ハードウェア性能に応じた時間がかかる。
通信は、基本的にDECENTRAをインストールした端末同士で行うが、「今後ゲートウェイを開発すれば固定電話とも通話可能になる」(スカイリー・ネットワークス)。音声通話のアプリケーションには、現状オープンソースソフトウェアであるOpenH323プロジェクトのソフトを利用しているが、APIの書き換えでSIPなどにも対応可能という。
画面は、実際にP2P通話を行ったところ
モバイルP2Pフォンの可能性も?
対応OSはWindows 98/NT/2000/XPで、ほかにWindows CEにも対応する。モバイル端末への組み込みも可能だ。
「P2Pによる通信は、遠距離にある基地局に接続するのではなく、近距離にあるクライアントノード同士で通信を行う。このため、電波を飛ばす距離が少なくてすむ分、低消費電力といえる」(スカイリー・ネットワークの梅田英和社長)。
現在、DECENTRA Ver2.2と、対応音声アプリケーションを、通信総合研究所に納品している。大規模被災地などで、防災無線のバックアップとして見込まれたようだ。ほかに、業務用途でのPHSの代替手段、あるいはイベント会場でのスタッフ間の通信手段として、ひきあいをもらっているという。
同社は、10月7日から開催されるCEATEC JAPAN 2003会場でDECENTRA Ver2.2を出展する予定。P2P通信でのVoIP、およびストリーミング配信のデモを行うという。
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スカイリー・ネットワークス
[杉浦正武,ITmedia]