リビング+:レビュー 2003/09/25 21:09:00 更新


イー・アクセスの24Mbps ADSL導入してみました

筆者の実家にはイー・アクセスの8Mbps ADSLが導入されている。12Mbpsの導入は見送っていたのだが、24Mbpsサービスの開始を機に「ADSLプラス II」に変更してみた。もともと8Mbpsサービスではフルリンクに近い環境だったのだが、さて……?

 筆者の実家にはイー・アクセスの8Mbps ADSLが導入されている。8Mbps ADSLでも比較的高速だったので12Mbps ADSLへの移行はパスしていたのだが、ちょっとした思惑もあって、24Mbpsの「ADSLプラス II」を導入してみることにした。

 筆者の実家は、NTT収容局から1860m(NTT東日本の路線情報)、@niftyのイー・アクセス8Mbps ADSLでリンク速度が約6.5Mbpsという環境だ。フルリンクとまではいわないが、最大8MbpsのADSLのリンク速度としては十分高速なほうだろう。

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NTT東日本の開示情報による収容局までの線路長は1860m。直線では900m程度の場所なので、かなり迂回しているようだ

 実はこのADSL、筆者が実家を訪れた時(多くても月に数回)にしか利用していないのだが、ブロードバンド回線がないと仕事を抱えたまま帰省することもできないため維持している。利用頻度もそれほど高くないので、12Mbps ADSLに関しては導入を見送っていたのだ。

 24Mbps ADSLの導入を決めた理由は二つ。まず8Mbpsでリンク速度が6.5Mbpsならば、十分に高速化が期待できることだ。イー・アクセスのADSLでは、12Mbpsサービス(ADSLプラス)でも平均的な条件で1Mbps程度の底上げが可能としており、この通りとまでは行かなくても相応の速度向上が見込める。24Mbpsサービス(ニフティの場合は“ハイスピードコース”)は12Mbpsサービスの機能を包括しているから、この点は裏切られないだろうと予測したのだ。

 次の理由は母親の長距離電話のために導入したIP電話がアダプタタイプであったこと。24MbpsにアップグレードすればVoIP機能付きのモデムとなり、機器をすっきりさせることができると判断したのだ。二つのメリットで手数料3000円+月額200円の料金アップ。どうにか我慢できる範疇と判断した(筆者的に、だが……)。

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8Mbps ADSLではIP電話が単体VoIPアダプタとなったため、無線LANアクセスポイントを含めると三つもの機材が並ぶ。これを何とか整理したかったのだが……

やってこなかった一体型モデム

 意を決して申し込みを行ったのが8月18日。3日後には工事日が9月1日になると連絡があり、申し込みから工事までは約2週間だった。特に急いでいるわけでもないので、この点は特に不満なしだ。

 8月末に「何か荷物が届いた」と連絡があったが、モデム交換のために実家に向かったのは9月10日を過ぎてから。届いていたADSLモデムをみて愕然としたのは、再びVoIP機能一体型モデムではないNECアクセステクニカ製の「DR204C」という製品だったことだ。もちろん、申し込み時に選択肢はなかったし、レンタル機材はできるだけ長く使って欲しいという事情も分かるのだが、24Mbps ADSLへの移行理由が一つ崩れ去ってしまった。かなり落胆。

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届いたのはVoIP非対応の「DR204C」。写真以外にスプリッタ、モジュラーケーブル、LANケーブルが付属する。付属のマニュアルにはVoIPアダプタ利用時の設定や注意書きは一切ない

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8Mbpsサービス用の「TE4121C」よりは背が低いが、結局機材を減らすことはできなかった。デザイン的にはDR204Cの方が落ち着いているのが唯一の救いか

 さらに腹立たしいことに、VoIPアダプタ接続のために必要な“ブリッジモードへの変更手順”についてまったく説明がなかったことだ。筆者は一応仕組みを理解しているので、途方にくれることはなかったが、“ブリッジモード”という言葉さえ知らないユーザーだったら困惑すること間違いない(編集部注:ニフティによると、DR204Cのパッケージに含まれる“機能紹介ガイド”にAtermサイトのURLが記されており、ここで詳細なマニュアルを参照できるという)。しかし、@niftyのサポート情報を探しても、イー・アクセスのサポート情報を探しても具体的な解説はない。

 結局のところ、届いたモデムはNECアクセステクニカ製だったため、VoIPアダプタに付属していた型番違いのNECアクセステクニカ製ADSLモデム「DR202C」の設定方法を参考にして、無事ブリッジモードへの変更は行えた。しかし、注意書きの一つもないとはあまりに不親切だ。ちなみに、この原稿を書いている9月22日時点でも、ニフティのサポート情報には「DR204C」のブリッジモードへの変更手順も、VoIPアダプタ利用者の24Mbps ADSLサービス移行時のガイドも見つけることができなかった。

高速化したにはしたが……

 ADSLモデムの入れ替えを行い、インターネット接続とIP電話の利用に問題ないことを確認したところで、一度VoIPアダプタを切り離し、接続スピードを確認してみた。VoIPアダプタを接続したままでは、直接ADSLモデムにアクセスできないからだ。

 8Mbps ADSLから24Mbps ADSLへ乗り換えた結果は、下りのリンク速度が6560Kbpsから6848Kbpsへ約300Kbpsの向上。速度計測サイトでも、同様に約300Kbpsのスピードアップとなった。何度かADSLモデムの電源を入れ直してみたが、結果はほとんど変わらない。ちなみに接続は「Annex.I」でしっかり行われている。

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左が8Mbps ADSL、右が24Mbps ADSLの接続状況。見ての通り24Mbps ADSLではAnnex.Iで接続しているが、下り速度の向上は300Kbps程度だった(クリックで拡大)

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左が8Mbps ADSL、右が24Mbps ADSLでの速度計測サイトでのベストスコア。リンク速度の向上が、ほぼそのまま反映された形だ(クリックで拡大)

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VoIPアダプタ接続時の速度計測サイトでのベストスコアは少し低い値になった。もちろん、IP電話は利用していない状態。VoIPアダプタはスループットなども公開されておらず、少々不安が残る

 8MbpsADSLから24Mbpsへ乗り換え、確かに通信速度は向上した。率にすれば5%程度であり、誤差を超えた範囲ではある。これが妥当なのかどうかは筆者には判断しかねるが、一応の根拠(線路長1860m、8MbpsADSLでリンク6.5Mbps)を持っていた速度向上への期待は裏切られる結果になった。Annex.Iで接続してはいるものの、これはおそらく12Mbps ADSLのAnnex.Cと変わらない程度の速度向上だろう。

 いろいろと物議をかもしている20Mbps超ADSLだが、筆者や身の回りの導入事例を見れば見るほど“過剰な期待は禁物”という気分になってくる。少なくとも「線路長2km以内なら大幅な速度向上」という口をそろえたようなプロモートはどうにかならないだろうか。ニフティの場合は「ハイスピードコース」として数字を挙げることを避けているが、やはり同様の期待を持ってしまうのがユーザー心理というもの。もちろん「理想的な環境で」という注意書きが入ってはいるのだが、今回のように線路長が2km以内で、8〜12Mbps ADSLサービスを利用しているユーザーなら期待して当然だろう。

 もちろん、これからADSLを導入する人であれば比較対象もなく、24Mbps ADSLも「こんなものか」で済むのかもしれない。しかし8〜12Mbps ADSLからの乗換えを考慮している人は、フィールドデータなどが公開されるまで、乗り換えは控えたほうがよさそうだ。

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関連リンク
▼イー・アクセス
▼@nifty

[坪山博貴,ITmedia]



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