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2003/09/26 20:29:00 更新 |
スクウェアエニックスが描く、FF XIとプレイオンラインの未来
スクウェアエニックスは、事業戦略説明会で同社のネットワーク事業の今後を話した。FF XIの強化策や、新作投入などが発表された。
スクウェアエニックスは9月26日、事業戦略説明会を開催し、同社のネットワーク事業の今後を話した。FF XIの強化策や、新作投入などが発表された。
スクウェアエニックスの和田洋一社長
スクウェアエニックスの和田洋一社長は、まず同社のネットワークRPGソフト「ファイナルファンタジー XI(FF XI)」に触れて、「ネットワークゲームではいかに継続して(ゲーム世界を)発展させるかが重要」とコメント。絶え間なくバージョンアップを行い、既存ユーザーのつなぎとめと、サービスの長期的な提供を狙う構えだ。
多人数参加のバトルシステムを導入
具体的にはまず、既に高レベルに達したプレイヤー向けに、レベル上限を75にまで引き上げるほか、ハイランクミッションを追加する。併せて、各国でクエスト(ゲーム内のイベント)を追加する。
会場で示されたロードマップ(クリックで拡大)。キャラクター向けの新モーションを追加し、“くつろいで座る”などの動作も行えるようにする
10月末からは、北米でもWindows版を販売する。この際、米国のユーザーがアクセスするサーバは、国内ユーザーの接続先と同じにする予定だという。つまり、海外のプレイヤーとともに冒険することも可能になるわけだ。「これは、われわれにとっても実験だ」(和田社長)。
また、未公開の“裏エリア”も開放する予定。裏エリアとは、これまでユーザーが暮らしていた街が、ある条件により姿を変えたもの。同じ街に見えるが、どこか雰囲気が暗く、「いてはならないモンスターがいたりする」(和田社長)という。これにより、ユーザーが冒険できる範囲を広げる。
さらに、2004年1〜3月をめどに、プレイヤー同士の大規模な戦闘も行えるようにする。これは、たとえばほかのMMORPGでは「攻城戦」として実装されているようなもの。一般に、こうした大規模戦闘はユーザーの人気も高いだけに、導入後の反応が注目されるところだ。
新作投入、携帯との連動も
会場ではほかに、同社全体でのネットワーク事業展開も示された。
新しく、PS2向けのネットゲームとして2タイトルを追加する。1つは「ユーザーの敷居が低く、スタンドアロンでも楽しめる」(和田社長)というネットワークアクションRPG、「アンブロシア オデッセイ」。もう1つは、「フロントミッション オンライン」(仮称)だ。いずれも、来年春頃にβテストの開始を見込む。
また、携帯電話とネットゲームの連動も考えている様子。「現状では構想の段階だが、携帯からFF XIのチャットに参加できれば」(執行役員の齊藤陽介氏 )。外出先から携帯を利用して、FF XI内で行われている競売に参加したり、フレンドリストを閲覧して“いま、誰がゲームにアクセスしているか”を確認したりといった利用も考えられるという。
iモードから50人に一斉送信を行えるサービス「ちょこメ〜と」を活用すれば、FF XIで待ち合わせを行う、といったことも行える。これらの実現に向け、まずは基礎研究を開始した段階のようだ。
「3つのマルチ」を実現
和田社長はこれらの取り組みを総括して、同社のネットゲームポータル「プレイオンライン」で“3つのマルチ”を実現すると話す。
1つ目は、PS2でも、Windowsでも、携帯でも、マルチプラットフォームでネットワークゲームにアクセスできること。2つ目は、国内でも、北米でも、複数の国からゲームにアクセスできること。3つ目は、FF XIに留まらず、前出の「アンブロシア オデッセイ」「フロントミッション オンライン」(仮称)など複数のネットゲーム間で、横断的なコミュニティを形成することだ。
同社はまた、非公開としつつ開発中のネットワークサッカーゲームの画面を披露するなど、複数のラインアップを用意している様子。今後、ネットゲームにますます注力する姿勢を見せた。
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[杉浦正武,ITmedia]