リビング+:ニュース 2003/09/30 23:54:00 更新


いずれはHD画質? So-netの“TV向け動画配信サービス”

ソニーの新型PDP「プラズマ<ベガ>HZシリーズ」に向け、専用の動画配信サービスを提供するSo-net。報道関係者を集めて行った説明会では、対応機種の拡大やストリーミングコンテンツの高画質化など、同社の考えるテレビ向けサービスの方向性が明らかになった。

 ソニーの新型PDP「プラズマ<ベガ>HZシリーズ」に向け、専用のコンテンツサービスを提供すると発表したSo-net。サービス開始直後の9月30日、同社が報道関係者を集めて説明会では、同社の「テレビ向け動画配信サービス」のロードマップが明らかにされた。これには、対応機種の拡大やストリーミングコンテンツの高画質化などが含まれている。

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9月10日に発売されたソニーの新型PDP「プラズマ<ベガ>HZシリーズ」

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タッチパネル付きの7型液晶画面を搭載した「パレットディスプレイ」

 8月に発表されたソニーの新型PDP「プラズマ<ベガ>HZシリーズ」は、イーサネットポートやIEEE 802.11a無線LANを備えたネットワーク対応テレビだ。指のジェスチャーで操作できる「エアタクト」システムが特徴で、タッチパネル付きの7型液晶画面を搭載した「パレットディスプレイ」が付属する(詳細は2日の記事を参照)。

 So-netは、HZシリーズ発売と同時に専用のストリーミング配信サイトをオープンし、最新の映画情報やニュース、エンターテイメントコンテンツなどを無料提供している。動画コーデックは米RealNetworksの「RealMedia」。ビットレートは300K〜1Mbpsで、映画は500Kbpsもしくは1Mbpsとなる。また、パレットディスプレイの画面とソフトキーボードで操作できる生活情報も提供。これにはテレビ番組表や天気予報をはじめ、「タウンページ」「乗換案内」などが含まれている。「乗換案内は、パレットディスプレイ向けに新たに制作したもの。画面解像度やソフトウェアキーボードはもちろん、以前検索した駅名を記憶しておき、2度目は一覧から選択するだけでいいなど機能が盛り込まれている」。

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「パレットディスプレイ」に表示した専用ポータルのトップ画面

 So-netが示したロードマップによると、2004年春にソニー製のほかのテレビに対応機種が広がるという。これにあわせる形で、エンターテイメントや生活情報といったジャンルのコンテンツを強化。2004年9月をメドに開始する有料サービスにつなげる。「(サービス開始から)1年以内の有料化に結びつけたい」(坂下氏)。

 有料化に際してプラットフォーム機能を拡張する。たとえば、認証・課金システムやDRM(Digital Rights Management)の実装、そしてコンテンツの高画質化も実施する方針だ。料金などの詳細は未定だが、方向としては定額料金のパッケージとPPV(ペイ・パー・ビュー)をあわせて検討していくという。さらに、オンラインショッピングなど新しいサービスも視野に入れている。

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サービスロードマップ(クリックで拡大)

 ただし、So-netのサービスを動画配信ビジネスとして捉えたとき、現在のように特定の機種やメーカーに依存していては利用者は増えにくい。So-netビジネス開発&グループアライアンス担当執行役員の平林信隆氏は、他社製テレビを排除する意志はないとしながら、まずはソニーのほかのTVへの水平展開とサービスの拡張を目指すと話している。「動画のコーデックもプレーヤーの画質も、すべてハードウェアに依存する。今はグループ内で動いたほうが早い」。

まず映画の画質を向上

 表示デバイスが大画面テレビであるだけに、ストリーミング動画の画質にも期待したいところ。現在の動画コーデックはRealMediaでビットレートは1Mbps。4対3の場合は432×324ピクセル、16対9では480×272ピクセルの解像度だが、ともにフレームレートは30fpsを確保しており、動きの速い場面でもそれなりに鑑賞できる。ただ、大画面視聴時の解像感が少し甘い点は否めない。

 平林氏が指摘したように、画質は主にハードウェアに依存するが、同時にビットレートの上限を決めるのは帯域幅だ。今回、同社がビットレートを最大1Mbpsに設定したのは「1Mbps以下ならブロードバンドユーザーの9割をカバーできる」という市場環境を考慮したため。しかし同時に、高画質化の検討も進めている。

 ソニープロジェクションディスプレイカンパニー商品技術部の山崎洋ビジネスプランニングマネジャーによると、「次の段階」では、映画などに使われる16対9の解像度を512×288ピクセルに拡大する予定だという。さらに、まだ「検討段階」と前置きした上で、将来的にはHD画質までを視野に入れ、順次対応していきたいと話している。

 「将来的には、段階を踏んでHD画質までクオリティを向上させることを検討している。それにはDSPパワーが求められるが、今回の製品でも対応できると考えている」(同氏)。

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関連リンク
▼ニュースリリース(So-net)

[芹澤隆徳,ITmedia]



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