リビング+:ニュース 2003/10/01 23:59:00 更新

開発者Interview
リネージュIIで苦労したこと、これから苦労すること (1/2)

大規模オンラインRPG、「リネージュII」の登場が待たれている。韓国NCソフトのゲーム開発陣に、同作を開発中の苦労や、新しく工夫した点、また今後の展望など、幅広く聞いた。

 大規模オンラインRPG、「リネージュII」の登場が待たれている。国内ではようやくクローズドβ(記事参照)の申し込みが始まった段階だが、11月7日から開始されるオープンβテストに向けて、ユーザーの期待は高まりつつある。

 そのリネージュIIについて、韓国NCソフトのゲーム開発陣に直接、話を聞く機会を得た。リリースに先駆けて、同作を開発中の苦労や、新しく工夫した点、また今後の展望など、幅広く聞いた。

Photo

左から、リネージュIIプロデューサーのベ・ジェヒョン氏、リードゲームデザイナーのキム・ヒョンジン氏

ZDNet まず、リネージュIIの現状から教えてください。韓国では既に、7月からオープンβが開始されていると聞きます。ここでのユーザーの反応は、どのようなものでしょうか。

キム 現在、韓国では20のサーバが稼動し、11万8000人がゲームに登録しています。当初、ゲームの要求するマシンスペックが高いために、ユーザーに受け入れられるか心配しましたが、意外に大丈夫でした。リネージュIIは、韓国の3Dオンラインゲームとしては最大の会員数を達成しています。

 ユーザー層を見ると、従来のビデオゲームから移行してきたプレイヤーも多い。リネージュIIが、オンラインゲーム市場の拡大にもつながっているようです。

ZDNet 開発を進める中で、苦労したことはありますか。

キム 苦労したことは……全部です(笑)。まず、リネージュIIはNCソフトとしては、初の3Dゲームでした。そこで、まず3Dグラフィックエンジンに何を採用するか選ぶところから始めました。

 もちろん、エンジン選択後もこれをMMORPG(記事参照)向けに、チューニングする必要があります。リネージュIIでは開発スタッフの数が100人を超えましたが、これは従来と比較して2倍の体制でした。

ZDNet その苦労の成果は、いかがでしたか。

 ユーザーの3Dグラフィックに対する評価は、上々です。背景の美しさもありますが、地形に“高さ”の要素が加わり、リネージュの醍醐味である攻城戦のおもしろさが増しました。

 たとえば、城を守る側は城壁の上にいる強みを活かして、高い場所から矢を放つことができます。この時、城壁のへりに立って弓を持ち、下に群がる敵を見下ろすことに、ユーザーは快感を覚えるようです(笑)。

 攻める側からすれば、城壁の高さは威圧感あるものです。これをいかにして壊すか、戦略を練らなくてはならない。あるいは、ドラゴンに乗って壁を飛び越えてしまう、という作戦もあります。

バグフィクスに注力

ZDNet オンラインゲームでは、悪意あるユーザーのハッキングに対する防御や、各種のバグフィクス、アップデート作業が必要で、開発側の苦労は絶えないと聞きます。この点、リネージュIIはいかがですか。

キム まず、ハッキングについては、リネージュではこれを防ぐようなアーキテクチャを組んでいます。この面が問題になったことは、今までありません。

 一方、バグというか、開発側が予想しなかった事態は、ありました。たとえば、プレイヤーが非常に簡単に“狩り”を行えてしまうポイントが発生した、といったことです。地形の差を利用して、モンスターの攻撃を受けない場所から弓を放ち、簡単に獲物をしとめてしまったのです。

 また、ゲームシステムでいうと、こんな例もありました。リネージュではユーザーがショップを運営して、ほかのユーザーと取引をすることができます。ここでアイテムを売る際に、さりげなく金額にゼロを1つ増やす、という行為が問題視されたのです。一種の詐欺のようなもので、ユーザーは油断すると、市場価格から乖離した法外な価格でアイテムを交わされる羽目になります。

次ページ:予想外の事態が続出?

      | 1 2 | 次のページ

[杉浦正武,ITmedia]



モバイルショップ

最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
第3世代インテルCoreプロセッサー搭載PC ドスパラはスピード出荷でお届けします!!

最新スペック搭載ゲームパソコン
高性能でゲームが快適なのは
ドスパラゲームパソコンガレリア!