リビング+:特集 2003/10/02 19:25:00 更新

特集:わが家のFTTH化計画
第3回:快適なBフレッツ、そしてTEPCOひかりの開通 (2/2)


 ついに筆者宅には、BフレッツニューファミリーとTEPCOひかりという2つのFTTHが引き込まれた。もちろんどちらもベストエフォートであり、100Mbpsの通信速度を一切保証しているわけではない。ただし、料金的に見てもライバル同士であり、どちらが高速なのかはやはり興味のあるところだ。

 また、ネットワーク構造もこの2つのFTTHサービスは異なる。TEPCOひかりはSS型(Single Star)と呼ばれる方式で、収容局までは1本の光ファイバーを占有する。これに対してBフレッツニューファミリーはDS(Double Star)と呼ばれる方式で、収容局からの光ファイバーは分岐して最大8ユーザーで共用する方式だ。正確に言うとさらに収容局内で4つの光ファイバーが束ねられ、最大32ユーザーで送受信1Gbpsの帯域を共有する(地域IP網に繋がっている)EPONと呼ぶネットワーク構造だ(参考)。

 ネットワーク構造だけを見れば、TEPCOひかりの方が優位に思えるが、実際にはニューファミリーでも1Gbpsを最大32ユーザーで共有する形なので、最大共有数の32ユーザーで共有したとしても1ユーザーあたり30Mbps以上は帯域が確保できることになる。また、32人のユーザーが、まったく同時に帯域を占有するとは考えにくい。TEPCOひかりは、ユーザー宅から収容局までは確かに100Mbpsを占有できるが、収容局内でどのような形でバックボーンに接続されているかはわからないのだ。

 ただし、Bフレッツの場合は、さらに都道府県単位の地域IP網からISPへ接続、そしてインターネット網へという複雑なネットワーク構造であるのも事実。TEPCOひかりと比較すると、ボトルネックになる可能性がある部分が多い。

 今回はまず、ピーク性能を見るため、ネットワークが空いている早朝5〜6時に2つの代表的なスピード測定サイトと、Bフレッツではフレッツ・スクウェア内の速度計測機能を利用してみた。ルータなどは排除し、ONUから筆者のノートPCであるエプソンダイレクトの「EdiCube S」に直結。RASPPPoEを用いて接続している。OSはWindowsXP SP1、RASPPPoEでは、MTUの値のみフレッツサービスの推奨値である1454に変更し、いわゆるTCP/IPのチューニングなどは一切行っていない。

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TEPCOひかりでは送信で90Mbpsオーバーを記録。受信も80Mbps超だ。確実にBフレッツに勝るパフォーマンスといえる

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Bフレッツでは70Mbpsを超えることはなかったが、Radhish NetSpeed Testingでは受信が60Mbps台を、送信では30Mbps台を安定して記録した

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スピードテストの結果(クリックで拡大)

 結果からいえば、やはりTEPCOひかりの方が高速だ。特に送信時に顕著で、Radish NetSpeed Testingでは93.21Mbpsという非常に高速な結果を記録している。Bフレッツと比べると、送信速度は倍近い。送信速度には辛目の結果を出すといわれるSpeed RBB Todayでも30%以上高速だ。受信も概ね20%以上は高速という結果となり、ピーク性能に関してはTEPCOひかりの勝ち。

 もちろん、ISPがボトルネックになっている可能性も無視できない。しかし、Bフレッツは地域IP網内で接続されたフレッツ・スクウェアでも最大76.86Mbpsだったので、やはりSS型とDSS型、地域IP網の存在といったネットワーク構造の違いが影響を及ぼしている可能性は高い。もっとも、現時点ではユーザー数の違いという要因もあるので、今後、TEPCOひかりのユーザー数が増えたときにどう変化するのか、この点にも注意を払う必要がありそうだ。

 なお、今回は筆者の知人にも協力をお願いし、同じ時間帯に可能な範囲で計測環境を合わせつつ、北海道小樽市(Bフレッツニューファミリー+IIJmio)と、宮崎県宮崎市(Bフレッツファミリー100+Infosphere)の速度計測を行ってもらった。筆者宅での結果と比較すると全般に遅く、地域格差をはっきりと示す結果になっている。2名ともパフォーマンスに対する不満からISPを既に1度切替えており、その結果がこれなのだ。

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上の二つが小樽、下の二つが宮崎。普段もスループットはこの程度か、これ以下という。ブロードバンド時代の新しい地域格差を感じてしまう結果だ

 多くのISPは、自社バックボーンを使って全国から東京や大阪の拠点に接続し、そこからインターネット網につないでいる。急速なブロードバンド化にバックボーンの増強が追いついていないのだろう。

 その点、ISP直結となる東京23区内は、特別に恵まれた環境だといえるのだが、逆に東京23区以外の地域は、ISPの影響はより大きくなるはずだ。導入時には、FTTH事業者やISPの選択もシビアに行う必要があるだろう。

関連記事
▼第2回:そして「Bフレッツ」開通
▼第1回:キャンペーンをうまく利用しよう

関連リンク
▼TEPCOひかり
▼So-net
▼フレッツ公式ページ(NTT東日本)
▼ぷらら
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[坪山博貴,ITmedia]



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