リビング+:ニュース 2003/10/24 21:10:00 更新


“人類が南極で見る初めての皆既日食”をライブ中継

ライブ!ユニバースは、2003年11月24日(月・祝日)の日本時間7時40分(現地時間4時40分)より南極で観測される皆既日食の模様をライブ中継する。

 ライブ!ユニバースは、2003年11月24日(月・祝日)の日本時間7時40分(現地時間4時40分)より南極で観測される皆既日食の模様をライブ中継する。過去100年間に南極大陸に皆既帯がかかった日食は8回あるが、いずれも人類が南極に拠点をもっていなかったり、気象や地理的条件などの理由から観測データが残っておらず、今回の観測が“人類が南極で見る初めての皆既日食”になるという。

 同会ではライブ中継に先駆け、11月4日(火)に同中継サイト「LIVE! ECLIPSE(ライブ・エクリプス) 2003」をオープンし、「南極へ向かう観測隊からの報告」、「南極の知識や歴史、環境問題などの情報」、「日食の情報」などを掲載する。また、皆既日食当日は、現地からの中継映像のほか、現地のようすを気温、照度、気圧などのデータで伝え、さらに、同会メンバーによるトーク番組も配信する予定だ。マルチコンテンツとしてページを構成し、現地からの中継とWebページの情報を連携させることが、今回の配信の特徴となる。

画面

11月4日にオープンする「LIVE! ECLIPSE 2003」のサイトイメージ

 11月24日(月・祝日)の配信スケジュールは以下のとおり。

  • 6時:配信スタート
    東京作業風景および南極からの中継
  • 6時40分:太陽が欠け始める
    トーク番組開始
    現地音声レポート、事前収録ビデオ、Webコンテンツ解説
  • 7時40分:皆既日食
    現地からの感動の声、現地インタビュー、NHK中継解説
  • 8時40分:太陽欠け終わり
    中継終了
  • ライブ中継終了後
    皆既日食の映像を高速再配信
    オンデマンド配信

 皆既日食の映像は、メイン画面が周りの風景や空の色の移り変わりを伝えるロングショット、サブ画面がアップとなる。映像は、2分ごとの静止画像をコマ送りする形で配信される予定だ。

 視聴条件としては、Macromedia Flash Player 6が動作するマシン環境で、ブロードバンド回線が望ましいが、ナローバンドでも視聴は可能であるという。画面サイズとしては左右900ピクセル以上になる予定という。

 最近、同会が行ったライブ中継のアクセス数としては、2001年11月のしし座流星群(LL2001・23時〜5時)で240万ヒット、17万ストリーム(同時4,500)、2002年12月のアフリカ・オーストラリア皆既日食(LE2002・14時〜19時)で610万ヒット、237,000ストリームを記録。今回のライブ中継もその注目度の高さから、ライブ中継の1時間で600万ヒット、20万ストリーム(同時10,000)を見込んでいるという。

画面

「ネットワーク概要」。中継は松下電器製の業務量デジタルビデオカメラ「AGV-DVX100」など3台を設置し、パソコンからインマルサットB経由で映像を東京に送信。インターネット中継にはNTTコミュニケーションズの「ブロードバンドアクセス」を利用する

 今回のプロジェクトには、松下電器産業、シスコシステムズ、NTTコミュニケーションズをはじめとする多数の団体、個人が、資金面、技術面でサポートする。

Photo

テレビ会議システムを通じて挨拶する尾久土正巳 会長

 皆既日食まで後1月となった10月24日、東京・パナソニックセンターにおいて、「LIVE! ECLIPSE2003 南極皆既日食中継」記者会見が開催された。今回の記者会見は、ライブ!ユニバース初ということからも、今回の配信にかける意気込みが伺える。都合により会場に出席できなかった尾久土正巳 会長は、大阪・堂島よりインターネットを利用したテレビ会議システムを通じて、「南極という厳しい環境下での人類初挑戦となる今回の配信を通じて、南極に関心を持ってもらうきっかけを作りたい」また、「現在のインターネット技術を駆使して、リアルな映像を伝えたい」と語った。

Photo

市川雄一氏(1971年生まれ)。これまでにフランス、ジンバブエ、オーストラリア、カナリア諸島、ハワイ島などからの、皆既日食やしし座流星群のインターネットライブ中継の実績をもつ

 なお、今回の現地中継は、電波天文学を専門とする市川雄一氏が行う。市川氏は、11月2日に日本を発ち、11月22日に観測地点である南極のShackleton Ice Shelf(Shackleton氏が遭難したことにより命名)に入り、現地でのセッティングから中継に至るまでをすべて一人で行うという。なお、100キログラムにおよぶ機材の運搬のみ数人のサポートを受ける予定だ。会見の席上、市川氏は、「太陽、月、地球が奇跡的な配置になることにより起こる皆既日食、そしてそれを美しいと感じる人類がいる。厳しい条件であるからといって諦めずに、この感動を人々に伝えたい」と意気込みを語った。

 ライブ!ユニバースによる皆既日食ライブ中継は、今回で10回を数える。これまでにもシベリアやアフリカなど、気象や配信条件の点で厳しい中継を経験してきたが、その中においても、今回がもっとも厳しい条件下での中継となるのは間違いないだろう。11月下旬は南半球は夏に向かう季節で、南極の平均気温はマイナス15度程度、日中はマイナス5度程度まで上がり、厳しいブリザードの季節がようやく終わりを告げる。日食当日が天候に恵まれ、感動的な映像が無事に送られてくることを期待したい。

関連リンク
▼ライブ!ユニバース
▼LIVE! ECLIPSE 2003

[記事提供:RBBTODAY]



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