リビング+:ニュース 2003/11/11 23:59:00 更新

Japan Home Show 2003
キッチンAVシステム、鍵穴のないドア、いろいろ見てきました

主婦の戦場、台所を情報化する最新鋭デバイスを紹介しよう。皿を洗いながら、テレビ、ラジオ、電話、来客対応をこなせるスグレモノ。しかも外部映像入力も用意されているから、ビデオやゲームも楽しめる。台所で……。

 唐突だが、「ネット家電ショー 2003」がなくなってしまった。正確にいうと「ビル・マンション総合展に統合されました」(主催の日本能率協会)ということらしいが、昨年始まったばかりの展示会なのにいきなり統合とはちょっと悲しい。「でも、ビル・マンション総合展にIT住宅コーナーがありますよ」。能率協会のお姉さんが慰めるような声で言うので、一応東京ビックサイトに出かけてみた。

 ビル・マンション総合展は、住宅関連の専門展示会「ジャパンホームショー」やセキュリティ関連展示会「セキュリティシステム2003」との併催イベント。とはいえ、リフォームブームの追い風を受けたホームショーに飲み込まれ、併催というよりも1コーナーといった印象。全体ではビックサイト東ホールの3ホールを使っているのだが、セキュリティシステム展とビル・マンション展を合わせても“半”ホールくらいだ。

キッチンAVシステム

 コンシューマー向けの製品やサービスがあることを期待しつつ、ホールに入ると、いきなり巨大な「Bフレッツ」の文字が……NTT東日本ブースだ。ただし、今回の主役は「Bフレッツ ビルタイプ」。さすがビル・マンション総合展だと納得しながら素通りした。すまん。

 さて、お目当てのIT住宅コーナーだが、やはり面白そうな展示をいくつか見つけることができた。たとえば、IT先進国として知られる韓国からやってきたキッチン向けAVシステムだ。その名も「kitchen A/V System」。主婦の戦場、台所を情報化する最新鋭デバイスだ。

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ぱっと見は、逆さまに取り付けたチューナー。液晶TVは5インチもしくは5.5インチの2種類があり、上下左右にぐりぐり動かせる。皿を洗いながら、テレビ、ラジオ、電話、来客対応をこなせるスグレモノだ。外部映像入力も用意されているから、ビデオやゲームも楽しめる。台所で……

 このkitchen A/V System。韓国ドンヨンメディアが開発したもので、TV/FMラジオチューナーのほか、電話とホームオートメーション機能が内蔵されている。スクリーンは、テレビの視聴のほか、ドアホンのCCDカメラから送られてくる映像を見るために使う。テレビを見ている最中でも、来客があると自動的に画面が切り替わり、ハンズフリーで通話可能になる仕組みだ。もちろん、電話も同様。

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リビングルームなどに設置するコントローラ(左)とカメラ付きのドアホン(右)

 側面にはコンパクトフラッシュスロットがあり、不在時に来客があったら画像や最大20秒の音声メッセージを記録してくれる。さらに、「電子フォトアルバム」機能を使えば、コンパクトフラッシュ内の画像を表示して楽しめるらしい。台所でそこまでしなくても……と思ったら、どうやら同軸ケーブルを介してテレビにも出力できるらしい。なるほど。

 気になるお値段は、本体とカメラ付きドアホン、そして少し大きめの画面を持つコントローラの3点セットで650〜700ドル。ちょうど日本の販売代理店を探しているところらしいので、「我こそは」という企業があったら是非。

鍵穴のないドア

 ピッキング犯もびっくりの“鍵穴のないドア”を展示していたのはバイミックスインターナショナルのブースだ。NTTドコモ東海と共同開発したインナーキー(内側だけの鍵)「JAILOR Xtype」をデモンストレーションしていた。携帯電話を使って家電を遠隔操作する、というのがホームオートメーション分野の流行だが、こちらは携帯電話を住宅の鍵にしてしまおうという発想だ。

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ドアの端に見えているのがシリンダーユニット

 手順は簡単。携帯電話のブラウザからドコモのサーバにアクセスし、メニュー画面で「開錠」を選択すれば鍵が開く。セキュリティはIDとパスワード認証だから、Webブラウザがあればドコモ以外の端末でも利用できる。ただし、「ドコモの携帯電話なら、機体認証番号を登録することで、登録した端末以外は接続できないようになる。より安全性が高まる」のだという。

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施錠確認中。家族全員が携帯電話を持つとなったらコスト的に大変(というより、ドコモの思うつぼ?)だが、安心してほしい。RFIDを使ったリモコンキーも用意されている

 家の中には「コントロールユニット」を設置する。このユニットには、CFタイプのDoPa端末が挿入されていて、ドコモのサーバと常時接続された状態になる。携帯電話から操作すると、ドコモのサーバからDoPa網を介して開錠の情報が届く仕組みだ。「一回の開錠にかかるパケット代は1.3〜1.8円。DoPa端末のレンタル料が月々500円なので、頻繁に鍵を開けても一カ月1000以内におさまるだろう」。ただ、携帯電話料金とドコモのASPサービス料金が別途必要になるはず。

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コントロールユニット。シリンダーユニットとコントロールユニットの間は、「安全のため、あえて有線接続にした」

 もう一つ、注目したいのは異常を検知して携帯電話にメールを送信する機能だ。シリンダーユニットには振動センサーが内蔵されており、無理にこじ開けようとすると、「異常サイレン」が鳴り、携帯メールで異常を通知する。また、コントロールユニットには赤外線センサーなどを5台まで接続できるため、1台で家中を監視可能だ。将来的には、DoPaをFOMAに置き換え、監視カメラの映像を外から閲覧できる仕組みも導入するという。

 発売は来春の予定。気になるお値段は、シリンダーユニット1つとリモコンキー2つ、コントロールユニットの基本セットで8万円ほど(オープン価格)。ホームセキュリティを考えるなら、「外出中に携帯のバッテリーが切れたら大変」などといわずに試してほしい。

ワンルーム向けホームオートメーション

 ITの進化で身近になってきたとはいえ、ホームオートメーションといえばやはり“お金持ちの家にあるもの”というイメージだろう。でも、ワンルームマンションや賃貸アパートもターゲットにした低価格商品があったら、ちょっと惹かれるかもしれない。そんなアナタに朗報だ。

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「AllLIGHT」システム。ワンルームマンションを模したデモンストレーションを実施中

 河村電器産業の「AllLIGHT」システムは、その名の通り家の中の照明を一括制御するための製品だ。コントロールユニットと各種のスイッチを組み合わせ、最大8回路の照明を制御できる。これを拡張し、エアコンや自動給湯器、防犯ブザーなどをコントロールするデモンストレーションを行っていた。しかも、電話を使って外部から遠隔操作も可能だという。

 一般的にはあまり知られていないが、エアコンなど一部の住宅設備機器にはHA端子(ホームオートメーション端子)が付いている。このインタフェースを利用してコントロールユニットと接続すれば、照明と同様にコントロールできるのだ。また、電話による遠隔操作は、ブラウザではなくプッシュボタン(トーン)を使う方式を採用している。自宅に電話をかけ、音声案内に従いながら、家電を操作すると「××、点灯しました」などと状況まで報告してくれる。

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コントロールユニット。エアコンなどのHA端子とは電話線と同じケーブルでつないでいた

 ブラウザをインタフェースに使うことが増えた今では、プッシュボタン方式はちょっと古めかしい印象も受ける。ただ、逆に枯れた技術を使うことでコストが削減できるわけで、そう否定したものではない。ブラウザを持たない固定電話機からも操作できるといった利便性もある。

 で、やはり気になるお値段は? 「照明やエアコン、防犯ブザーなど、ワンルームマンションやアパートで使える小規模な組み合わせをパッケージ化して販売したい。これなら、一軒あたり15万円程度で導入できる」。

 工事費は別途かかるが、かなりお手頃といえそうなレベル。ホームオートメーション付きの賃貸アパートなら、家賃が相場よりちょっと高くても入居してしまいそうだ。どうですかね? 大家さん。

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[芹澤隆徳,ITmedia]



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