リビング＋：NVIDIAプレゼンツCPL2003冬季大会日本予選＆LANパーティレポート (2/2)

リビング＋：ニュース

2003/11/25 15:57:00 更新

NVIDIAプレゼンツCPL2003冬季大会日本予選＆LANパーティレポート (2/2)

　11月24日、東京都大田区蒲田のLANエンターテイメントスポット『LED ZONE』にて『CPL2003冬季大会日本予選決勝大会』が開催された。種目は『ハーフライフ:カウンターストライク』で、オンライン予選を勝ち抜いた4チームによる敗者復活方式（ダブルイルミネーション）で実施された。

　決勝戦は勝者リーグを勝ち進んだXenocrystと、Xenocrystに2回戦で破れたものの、敗者リーグで復活を遂げたNicotineの好カード。Nicotineは試合時間をフルに使う慎重なチーム戦を得意とし、Xenocrystはメンバー個々の射撃技術レベルが高い。

決勝戦に望む。手前がNicotine、奥がXenocryst

　試合は終始チームプレイ対射撃スキルの戦い、といった様相を呈し、結果はNicotineが13対7で圧勝。ただし、Nicotineは敗者復活サイドのため、この勝利は“決勝戦挑戦権獲得”にとどまる。引き続き決勝戦（プレイオフ）が行われ、これは最終ラウンドまで気が抜けない接戦となったが、13対11でNicotineが勝利し、優勝を確定させた。

優勝チームNicotineは揃いの "勝負服"を着て登場。リーダーのArc氏は『LED ZONE』のスタッフで、CPLに向けて掲示板でチームメンバーを公募して練習を重ねた。彼のリーダーシップには今後も注目したい。『LED ZONE』に行けば彼に会える

　試合当日は波乱含みで、当初は『ハーフライフ:カウンターストライク』の最新バージョン “1.6”で試合が行われる予定だったが、なんらかの理由で会場のPCの半数が『STEAM』の認証を受けられなくなった。運営サイドが懸命に対策に当たったが、原因は特定できず、開始時間を2時間遅らせて旧バージョンの “1.5”で試合が行われた。1.6はCPL本戦でも採用される最新バージョンであり、選手たちは当然、1.6で練習を続けてきただけに戸惑いを隠せない。観客たちも日本最高のプレーヤーによる最新バージョンの試合を期待しただけに、会場参加者には遺恨の結果となった。

　1.5と1.6では、同じマップでも微妙にレイアウトが変わり、1.5ではテロリスト側から深く見通せた場所が、1.6ではカウンターテロリスト側から深く見通せるなど、微細だが試合局面にとって重要な変更点が多い。また、ラウンド開始時の武器購入のキーが変更されているため、武器の買い間違いもいくつか見られた。どのチームも、もっとも大きな変更点である新アイテム“盾”を練習し、“盾”によって弱体化されるライフル系武器については練習の優先順位が低かったと思われる。1.6がキャンセルされて1.5になったことで、基礎戦闘力や旧バージョンでの競技経験が試された格好だ。

　決勝戦は観客側にも十分に楽しめる内容だった。もっとも会場が沸いた場面はプレイオフの序盤で、Xenocrystのparanoiac（17）が、ハンドガンで相手チーム5人を次々に倒した“5人抜き”だ。また、XenocrystのXrayN（19）は日本のカウンターストライクプレーヤーたちの誰もが認めるスナイパーで、最強の威力をもつAWPライフルを連射させて、米粒のような敵に次々と命中させる場面には会場がどよめいた。

　一方、勝者のNicotineは速攻を一切使わず、試合時間をフルに使う作戦が功を奏した。テロリスト側で4人をダミーとし、敵を一方のルートに引き寄せておきながら、別の一人ががら空きになったポイントに爆弾を設置する、というパターンで、技術自慢のXenocrystを翻弄した。

　勝負の分かれ目はプレイオフ中盤のラウンド。Nicotineが試合終了35秒前に爆弾をセット。爆弾はセットしてから34秒から35秒で爆発するため、Xenocrystは時間切れ勝利とみて戦闘を回避、場内の誰もが固唾を飲んで見守る中、残り0.5秒で爆発しNicotineの勝利。制限時間いっぱいまで戦うNicotineの作戦を象徴するような場面だった。